まるでUMA!ダマスカスヤギってどんな生き物?気になる生態まとめ!

ダマスカスヤギという動物をご存知ですか?実はこのヤギは、その特異な容貌から姿が恐ろしいとして、ネットで話題になった動物なんです!しかも、その姿が、某国にて最も美しいヤギに選ばれたというのだから驚きです。結局どっちなのか、ダマスカスヤギはいったいどんな生き物なのか、さっそく見ていきましょう。

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アウトドアが好き。少しだけ自然という非日常に触れて、現実へと帰る感じが好き。そう感じるのは、幼い頃にキャンプへ連れて行ってもらえたからだと思う。星空を流れる風の音に心を奪われた夜の思い出は、幾つになっても、色あせずに血肉となって、受け継がれていくのだと思う。
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その容貌、まるでÙMA…!?たったひとつの写真が話題になったダマスカスヤギ

顔が怖い。姿が恐ろしい。そんな言葉がついてまわるダマスカスヤギ。撮影された写真に映る、あまりに特異な容貌から、未確認生物の総称であるUMA(Unidentified Mysterious Animalの略称)のように扱われてしまったことから有名になりました。

異様な風体のダマスカスヤギ…顔が怖すぎる

手が長い。足が長い。首が長い。鼻が長い。それぞれの進化の過程で、その必要があったからこそ、生き残ることができた。確かに、自然の中で生き残るとは、そういうものなのかのかもしれません。すると、ダマスカスヤギが現在のような顔や姿であることにも、きっと何か意味があるのでしょう。

しかし、何の説明も与えられないまま、もしも、最初に写真を見てしまったならば…この生き物の首の先にある顔の部分を目の当たりにした途端、あまりの衝撃に、相手を気遣う心の余裕なんて消し飛んでしまうに違いありません。

顔の中で、あるべき位置が少しずつズレているとしか言いようのない場所に配置された目や耳、口と鼻の距離感。どこを見ているのか分からないヤギ特有の瞳の形が織りなすアンバランスさ。そのいずれもが、引き込まれるような怖さを覚えます。

びっくりするのは、この顔を持つ不思議な生き物が、ヤギの一種であると言うこと。私たちの知っている白い毛皮で覆われた鼻先を伸ばしながら、生えた角を揺らして牧草を食べる姿とは、似ても似つかない、その体躯。奇妙と言わざるを得ない写真に写る姿を見て、素直にヤギだと頷くのは難しいでしょう。

始まりは一枚の写真

この不思議な生き物…ダマスカスヤギがインターネット上で話題となる発端を作ったのは、アフマド・ラマダン(Ahmed Ramadan)という方のFacebook(フェイスブック、FB)のアカウントに投稿された一枚の写真からだったそうです。

言葉以上のインパクトを与える写真

このアフマド・ラマダン(Ahmed Ramadan)という方のFacebook(フェイスブック、FB)に投稿された写真(動画)を拝見すると、想像力を刺激する言葉による説明以上に、大きな衝撃を受けます。成長した大きな体躯を動かす、生きたダマスカスヤギの姿は、それほどまでに衝撃的です。

ちなみに、アフマド・ラマダン(Ahmed Ramadan)さんのFacebook(フェイスブック、FB)のページ(https://www.facebook.com/groups/1442613632705707/permalink/1848223665478033/)では、30秒間の動画が公開されています。

最も美しいヤギに選ばれた!?

どうしても、その姿に視線が釘付けになってしまう。そんなダマスカスヤギですが、2008年にサウジアラビアで開催されたヤギの美しさを競う品評会において優勝したことがあるそうです。美しさの基準は時代背景や風土によって異なるものですが、優勝するまでに美しいダマスカスヤギ…それこそ、想像できない姿に思えてなりません。

美しさの基準とヤギという生き物

牛、馬、羊。そして、山羊。聞き慣れた動物の名前を漢字で書くと、ヤギは山の羊と書きます。そんなヤギの品評会における美しさの基準は、頭の大きさと目の白さが重要なのだそうです。加えて、鼻や口、目や耳などの顔のそれぞれの部位の特徴の他に、乳の品質など多岐に渡って評価され、珍種であると加点の対象になるそうです。

この珍種であるという点から、シリアやレバノンでは、ダマスカスヤギは品種改良を含む繁殖の対象となっているそうです。特に、良質の乳を得られるように高額で取り扱われることもあり、それが美しさの基準として定着するに至ったようです。

ダマスカスヤギの子供のころは天使みたいに愛らしい!

ダマスカスヤギと言うと、どうしても、二度目してしまう不思議な姿が思い浮かびますが、それは大人になってからの話。幼少期のダマスカスヤギは、これまた幻想世界の動物なのではないかと思えるほど、長い耳を持つ、天使みたいに愛らしい姿をしています。

こんなにかわいい!ダマスカスヤギの子供

色白であるということは、七難を隠すとまで日本では古くから言われてきましたが、白い雪のような毛皮をまとったダマスカスヤギの子供は、長くのびた耳と短い尻尾も手伝って、まるで天使みたいに愛らしい姿をした、大人の姿とはまるで別の生き物に見えます。

成長にしたがって変化していく容貌…

この急激な変化を何に例えるべきか…言うなれば、某テレビゲームにおける『進化』を現実に体験すると、こんな感じなのかもしれません。実際には、そんな急に姿が変わることはありませんので、少しずつ、少しずつ、変化していくことになりますが、写真で見比べてしまうと、大人と子供とでは、別の生き物にしか見えません。

長い耳は大人になるまでに切りそろえてしまう

多くの場合、長く伸びた耳は大人に成長する前に切りそろえてしまうのだそうです。理由はいくつかあるそうですが、家畜として管理する際に、その方が利便性が良いようで、いつしか、風習となってしまったようです。

可愛い動物の赤ちゃんの生き残り戦術

白い毛皮に身を丸く寄せ合う姿に、私たちは可愛さを覚えます。ひよこが可愛いと感じるのも、その一つ。擬音で表すとしたら、もふもふ。あるいは、ふわふわと言ったところでしょうか。しかし、それもそのはずで、もふもふ。かつ、ふわふわなのは、小さな体から体温を奪われないように守るため。

そして、多くの場合、その毛の色は周囲の擬態を兼ねています。生まれた時から生存競争にさらされている自然界に生きる動物の赤ちゃんの生き残り戦術は、見た目よりも、はるかに現実的な実用性が重視されていることに驚かされます。

ダマスカスヤギってどんな動物?

姿の特異性が目立つダマスカスヤギ。地元では意外と知れ渡った種類のヤギなのだそうです。名前を聞けば、姿が想像できて、どんな生き物なのかが伝わるくらい有名な存在。そんなダマスカスヤギの特徴について紹介します。

生息地はどのあたり?

ダマスカスヤギ(Damascus Goat)は、ダマスカス(現在のシリアの南西部の街)という名前が表す通り、生まれは古く、現在のシリアからエジプト域まで幅広く生息していたようです。ただし、品種改良を含む繁殖のため、メソポタミア、地中海地域の野種とは外見に差異がある様子。

繁殖の結果として姿が変質していることも

地域によっては、その特異な姿に一種の信仰心を持つ地方もあるようで、繁殖の過程で、より特異性が顕著に発現した個体を優先的に交配させることで珍種性を高めたことも関係しているようです。それを個体差と呼ぶのが難しいくらい表情に違いがあることも珍しくないそうです。

普通のヤギと変わらないの?

それほど大きな差はないようです。しかし、普通と呼ぶのは少し不自然かもしれません。ダマスカスヤギは、一般的なヤギよりも早く、大きく成長します。得られる乳の量も、他の品種と比べると、とても多く、子ヤギが早く育つとも言われています。

肉や乳が高品質って本当?

これはヤギの品種としての価値と読み替えることもできそうですが、ダマスカスヤギは肉や乳が高品質であることから現地で好んで選ばれている傾向にあるそうです。それは逆に言えば、とても価値が高いということ。優れたダマスカスヤギは人気もあり、高額で取引されることも珍しくないのだとか。

実際、高品質をうたった乳製品の原料として、ダマスカスヤギの乳が使われた商品を見つけることができます。肉料理でも、ダマスカスヤギであることが掲示されており、私たちが黒毛和種の牛肉を銘柄で選ぶのと同じように、現地ではお店で選ぶことができます。

ダマスカスヤギは地域に根差した動物

一部の地域では、ダマスカスヤギをシャーマンゴートなどと呼び方を変えて、特別な存在として神聖視していることがあります。これは一部の宗教が、牛や蛇を神の乗り物として大切に扱い、崇拝する姿に似ています。

人々の食糧事情を支えているダマスカスヤギ

その姿から、様々な憶測を思い起こさせるダマスカスヤギですが、多くは家畜として、食用や酪農に用いられ、現地の人々の食糧事情を支えています。日本ではヤギ肉を使った料理というと沖縄で耳にするくらいで、少し珍しい印象を受けますが、世界の国々では一般的な食肉として定着している感があります。

乳製品、肉料理…用途はいろいろ

その姿から想像することはとても難しいと思いますが、乳も肉も上質で、とても人気があります。ただ、それが日本人好みの味かと問われると、好みの分かれるところです。例えるならば、ラムやマトンに近い食感です。

ヤギ肉を楽しみたいのであれば、香辛料の強さにもよりますが、身近なところでは東南アジアでの肉料理として定着しています。焼肉はもちろんのこと、スープに煮込まれていたり、カレーに使われていたりと、意外とお馴染みの味に思えるかもしれません。

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