道糸とは
竿先またはリールから仕掛けをつなぐ糸
道糸は、竿先またはリールから仕掛けをつなぐ釣り糸です。釣りをする際には必ず必要となる釣り糸で、仕掛けを魚の釣れるポイントに送るため、また、釣れた魚を逃がさないよう働く重要な釣り糸です。
ハリスやリーダーとは違う点に注意
ハリスは道糸から釣鉤までを繋ぐ仕掛け用の糸です。サルカンなどの釣具を介して複数の仕掛け糸が道糸に繋がれることもあります。、リーダーはライン(=道糸)とルアーを繋ぐ糸で、魚が掛った際の衝撃を吸収させる緩衝材として利用します。
道糸には、「仕掛け」を守るためにも、相応の引っ張り強度が必要です。引っ張り強度を高めるためには糸を太くすればよいのですが、仕掛けを投げる際、釣竿のガイドと糸の間に摩擦が発生し、仕掛けが飛ばし辛くなります。道糸は糸の太さ(重さ)と引っ張り強度のバランスをとるために、糸の素材にもいろいろな種類が登場しています。
道糸の素材の種類を解説!
道糸として主に普及している糸の素材としてはナイロンがよく知られています。また、近年道糸として人気が出てきたフロロカーボンや、比較的新しい素材としてPEという2種類があります。ここでは、道糸3種類の素材について簡単に見てみましょう。
ナイロンライン
一般的に広く流通している道糸の素材です。安価で伸張性もあるため、初心者向きの道糸といえます。耐久性に難があるため、消耗が激しい道糸でもあります。廉価版のリールに付属する道糸や、各種釣りセットに入っている道糸のほとんどがナイロン製です。
フロロカーボンライン
吸水率が低く糸にコシガあります。伸張性はナイロンに劣りますが、紫外線に強いため長期使用においても劣化しづらいです。なお、耐摩耗性が3つの素材の中では一番優れており、昔からハリス用の糸として広く使われていました。
PEライン
PEラインは極細のポリエチレン素材の原糸を4本、8本、12本といった本数で、編み込んで1本の糸にした釣り糸です。伸張性はほとんど期待できませんが、引っ張り強度は3素材のなかでは一番協力です。
それでは、ここまで紹介してきました素材であるナイロン、フロロカーボン、PEの各素材について、道糸として使う際の特徴、メリット、デメリットについて、個別に掘り下げて見ていきましょう。
道糸の素材の種類① ナイロン
ナイロンラインは一般的に広く流通している道糸の代名詞とも言える糸です。ナイロン糸は合成繊維として、釣り用に使われるようになった最初の糸です。ちなみに、ナイロン以前の釣り糸はヤママユガの繭から取れる糸(テグス)が使われていました。
ナイロンラインの特徴
低価格
一般的に広く流通している道糸だけあって、品ぞろえも多種多様であり、品ぞろえに併せて価格もピンからキリまであります。結果として3つの素材の中では、総じて低価格な製品が多く揃っています。
ナイロンラインのメリット
伸張性
3つの素材の中では一番の伸張性があり、糸としての柔軟性も高いです。大物が掛った場合も、糸がいきなり切れることは少なく、じっくり腰を据えて大物を釣り上げることもできます。初心者にとっても扱いやすい素材です。
ナイロンラインのデメリット
劣化問題
ナイロンは素材の特性として水分を吸収しやすいという特性があり、水分による膨張・伸縮で糸にダメージを与えます。また、ナイロンは紫外線に弱いという難点を抱えていますので、3つの素材の中では一番劣化しやすいという問題があります。
道糸の素材の種類② フロロカーボン
ルアーフィッシングの道糸として利用される機会も増えていますが、水中にすぐに沈む、水の中で目立たない、耐摩耗性に優れているという利点から、仕掛けが魚にばれないということで、ハリスとしても広く使われています。
フロロカーボンラインの特徴
光の屈折率が水に近い
フロロカーボンは、水に近い光の屈折率であるため、水中では目立たない糸となっています。フロロカーボンがハリスとして使われることが多い所以は、この水中でも糸が目立たないというところに起因しています。
フロロカーボンラインのメリット
耐摩耗性が高い
フロロカーボンは3つの素材の中で耐摩耗性が一番高くなっています。糸自体が摩擦に強いため、磯の複雑な岩場や防波堤のテトラポットなど、糸が擦れるような突起の多い釣り場などに向いています。
耐久力
フロロカーボンはナイロンと異なり水分の吸収性がほとんどありません。また、紫外線に対しても耐性があり、かつ、耐摩耗性もあるため、フロロカーボンは3つの素材の中でも耐久力がある素材といえます。
フロロカーボンラインのデメリット
巻き癖
フロロカーボンはナイロンよりも伸張性が低く糸にコシがあり、独特の固さをもった糸です。このコシが糸の巻き癖のもととなっており、リール周辺で糸絡みなどのトラブルが発生しやすいです。独特の糸の固さも相まって、初心者向きには適さない道糸です。
道糸の素材の種類③ PE
ここ10年前後で道糸として使われるようになった、比較的新しい素材の道糸です。前出のナイロン製道糸、フロロカーボン製道糸と比べると、同じ太さの糸であれば、引っ張り強度の高さが際立っています。
PEラインの特徴
縒り糸
PEラインは極細のポリエチレン素材の原糸を4~12本といった本数で編み込んで1本の糸にした釣り糸であるため、伸張性はほとんどないかわりに、3つの素材の中で一番の強度を誇ります。また、水に浮かぶほどに比重が軽いため、軽量なルアーをキャストすることも容易です。
PEラインのメリット
強度
PEラインは極細のポリエチレン素材の原糸を4~12本を1本の糸に編み上げるといった素材の作りからも解る通り、同じ太さの糸で引っ張り強度を比較した場合、他2つの素材に対して数倍以上の引っ張り強度を持っています。
PEラインのデメリット
高価格
PEラインは製造の段階で極細のポリエチレン素材の原糸を4~12本といった本数で編み上げるなど、特殊な工程を経て糸が生成されるため、製品の品数が増えているとはいえ、同じ太さの糸で価格を比較した場合、他2つの素材に対して割高な価格となっています。
おすすめの道糸をご紹介!
ここからは、道糸として紹介しました3種類の素材それぞれの特徴を踏まえ、各素材ごとにおすすめする道糸をご紹介していきます。なお、道糸の号数に応じて引っ張り強度が変わってきますが、以下の説明では、号数による特性などについては省いています。
おすすめの道糸をご紹介① ナイロン
おすすめのナイロン道糸① ナイロンライン ジャストロン DPLS クリアー
釣具メーカーでも老舗であるダイワ社から出ている製品で、初心者からベテランまで使い心地の良い製品です。巻き数も500mという製品もあり、普通に使われるリールであれば、2~3回分のストックになり、お得です。