タカノハダイって知ってますか?
知る人ぞ知るうまい魚
タカノハダイは、その独特な磯臭さによって、漁で網にかかっても捨てられてしまうことが多く、ションベンタレと呼ばれることも。しかし、これは主に夏のタカノハダイの汚名で、旬は秋~春。冬のタカノハダイを好んで食べる食通もいるほどで、まさに隠れた名魚です。
タカノハダイの特徴
じつはスズキの仲間
タカノハダイはスズキ目、タカノハダイ科の海水魚で、最大体長45センチメートルほどに成長します。鯛に近いシルエットをしていますが、じつはスズキの仲間で、白身魚です。体側には茶褐色の斜めの横縞を9本持つことが特徴です。
タカノハダイの釣り方①
外道とも
そんなタカノハダイですが、専門に狙うことはほとんどなく、メジナ釣りなどの外道として針に掛かることが多いです。磯釣り、防波堤釣り(波止釣り)などで釣ることができます。オキアミ餌の浮き釣りや、イソメ餌を撒くことでもよく釣れます。臆病な魚といわれ、タカノハダイが釣れる時は他の獲物がいないと言われます。
タカノハダイの釣り方②
タカノハダイの分布
津軽海峡〜九州南岸の日本海・東シナ海・太平洋沿岸、瀬戸内海。伊豆諸島、小笠原諸島、沖縄。台湾、朝鮮半島南岸、香港の浅い岩礁地帯と広域。瀬からあまり離れない魚なので、重めの仕掛けで、瀬際を流すような釣り方はどうでしょう。もし針にかかった際は、リリースせず、ぜひ食べてみてくださいね。
タカノハダイの釣り方③
メジナ狙いの外道
狙うというよりは、メジナ狙いの副賞となるかもしれません。小さい口にフックさせるため、針は少しちいさめの方がかかりやすいです。釣り方や仕掛けなどは、メジナ狙い同様に準備をしましょう。ウキフカセ釣りの仕掛けでもよいですし、堤防釣りの場合には、立ちウキ仕掛けもよいでしょう。
タカノハダイの釣り方④
ウキフカセ
「フカセ釣り」とは、仕掛けに浮きを使用せずエサや糸の重さだけで仕掛けを海中に漂わせ魚を誘う釣り方です。しかし、この釣り方では竿の長さ分の範囲だけしか釣りができません。そこでウキフカセという手法を用います。
ポイントに数回マキエをします。同時に仕掛けを入れます。流れのある場所では少しずつライン糸を送ります。仕掛けが馴染めば、糸を張り気味にして、ゆっくりアタリを待ちます。フカセ釣りで重要なことは、マキエと一緒にエサを自然に漂わせてせることで、魚に警戒心を与えにくくなります。
タカノハダイのさばき方
キモがキモ!
鱗がとにかくかたく、飛び散りやすいです。キッチンが鱗まみれになってしまうこともしばしばで、後片付けが手間です。そんな部分もタカノハダイが嫌われる一因なのかもしれません。また磯臭さの元凶でもある肝は、できるだけ傷つけずに取り除いておきましょう。できれば釣った後すぐに海で処理してしまうことをお勧めします。
タカノハダイの味わい
料理法次第で生まれ変わる
やはり磯臭さがあり、ときに強い臭みを持つことがあります。これは藻を主食にしているためで、肝から発せられています。特に晩春から初秋にかけて臭みのあるものが多く、料理法に工夫が必要です。透明感のある白身を持ち、旬の脂が乗る時期は身が白濁して硬さが増しますが、よい食感を持っています。