シュロとはどんな木?
シュロの木と聞いてどの様な木を思い浮かべるでしょう。ヤシの木と似た様なイメージがありますが、熱帯のエリアが原産ではなく東南アジアが原産とみられています。
棕櫚はとても大きく成長し、葉っぱや繊維、幹などを使ってさまざまなアイテムに活用する事が出来ます。
シュロはヤシ科ヤシ属の樹木
ヤシ科ヤシ属の木で、幹の部分には繊維がびっしりと覆っており、剪定する時はとても邪魔になってしまい問題も多い木ですが、同じ様なモノの中では耐寒性もあり、東北地方や北海道でも地熱を利用して栽培する事ができます。
主にワジュロ・トウジュロの2種類
種類は大きく分けて「和棕櫚(ワジュロ)」「唐棕櫚(トウジュロ)」の二つです。
和棕櫚と唐棕櫚を掛け合わせて作るモノを「合い棕櫚(アイジュロ)」と言い、人が植えていない場所に生えている棕櫚が「野良棕櫚(ノラジュロ)」です。自治体によっては、野良棕櫚を外観保護のために排除する動きもあります。
シュロの木の特徴
小さくても、地中深く広く根を張って成長していく棕櫚。特徴にはどのようなものがあるのでしょうか。
花や幹、皮、実、葉っぱ、日本のどの様な場所でもたくましく成長していく棕櫚について知識を深めましょう。
シュロの花の特徴
淡い黄色の粒粒とした塊のひとつが花で、たくさん集まって稲穂のように垂れ下がっています。
株によって雄雌がわかれていますので、実をつける方が雌、付けない方が雄です。棕櫚の花を題材にした俳句も読まれています。
シュロの皮の特徴
幹に巻き付いている皮の部分は繊維状になっていてとても丈夫です。一般的な皮とは全く違った巻き付き方をしています。
「棕櫚皮(しゅろかわ)」と呼ばれ、繊維部分を活用したアイテムは数多くあります。
シュロの実の特徴
実の部分は「棕櫚実(しゅろじつ)」と言い、花が終わると緑の実がなりますが、完熟してくるとブルーベリーの様な青紫に変化して行きます。
実を直接食べる事は出来ませんが、アントシアニンが多く、乾燥させれば漢方薬として用いられています。
シュロの幹の特徴
幹の部分は枝分かれせずに、どこまでも真っすぐに伸びていきます。繊維状の皮が巻き付き、耐寒性だけではなく耐火性も高いモノで、硬くて丈夫な幹はチェーンソーでは切断する事が難しいと言われています。
シュロの葉の特徴
ヤシとは違い、熊手の様な扇状の形が特長です。頑丈で、しなやかさも在り、籠や箒の様な民芸品に利用される事も知られています。
和棕櫚と唐棕櫚で若干葉の長さが違う為、形の違いで見分ける事が出来ます。
シュロチクはシュロとは違う木
棕櫚と似たような名前と姿をしていますが、全く違う木です。シュロチクとは「棕櫚竹」と書きます。
どの様な違いがあるのか詳しくご紹介しますので、特徴を知って間違えないように注意しましょう。
シュロチクはヤシ科カンノチク属の樹木
棕櫚竹は中国生まれで、「竹」と言う名前がついていますが、実はヤシ科です。
耐寒性に優れており、家屋の中でもよく育つ為、日陰の様な場所でも栽培が可能です。葉が似ている事から間違えられやすいですが、別になります。
観葉植物に最適なシュロチク
鉢植えで楽しむことができる棕櫚竹は、室内用の観賞用としても人気が高く、さまざまな場所で見かける事が出来ます。
棕櫚竹には葉が大きめの「観音竹」や繊細な「雲南棕櫚竹」などもオススメです。
シュロと似ている植物
似ている植物は「シュロチク」以外にもあります。同じ様な形をしているモノの中には聞いた事がある名前もあるでしょう。
なぜ似てくるのかという理由については、気候や生育環境が似ているという事が考えられるでしょう。棕櫚に似ていると言われている植物の生育環境や気候についてもご紹介します。
ソテツ
南国を思わせる植物「蘇鉄(そてつ)」は、低木で、形がよく似ていると言われています。
ヤシ科ではなくソテツ科で、日本では暖かい地方で育ちます。観賞用としても関東などでも生育する事が出来ます。
ビロウ
ビロウはヤシ科で、高く高く伸びていきます。台湾をはじめに、日本では九州や四国、小笠原諸島でも見かけたり、生育する事ができるでしょう。
葉は棕櫚の葉よりも大きく掌のような形をしています。
ヤシ
あたたかい地域で生育する事が出来るでしょう。葉の形状が棕櫚とは違っており、羽根の様な葉を放射状に何枚も付けます。
ココナツなどをつけるヤシもあるのですが、日本では実の育ちが少なく、ほとんどが小さめの鉢植えとして楽しまれています。
南国の観葉植物
南国を感じさせますが、他にもリゾート気分を味わう事が出来たり、インテリアに取り入れて部屋を手っ取り早く変えるのに役立つアイテムは豊富にあります。
どのようなアイテムが南の島といった雰囲気を感じる事が出来るのかをご紹介します。
モンステラ
育てた事がない初心者の方でも育てやすい「モンステラ」に南の島や楽園の様な想像をもてますし、葉の形状のデザイン性の高さも人気があります。
サトイモ科で、5度以上の日当たりの良い場所で問題なく育てる事が出来ます。
コーヒーの木
「コーヒーノキ」も人気があります。花や実をつけさせるためには、適切な管理方法で栽培する必要があります。
一年中暖かい場所が最適と言われていますが、最低温度の5度を超えるくらいの室内で栽培しましょう。
パイナップル
購入したパイナップルのヘタ部分を使って果物を育てる事が出来るのを知っているでしょうか。
果実として収穫を楽しむのではなく、観賞用に南の島の様なインテリアを楽しむ事が目的であれば、暖かい地方に住んでいなくても鉢植えで育てる事が出来るでしょう。
アンスリウム
暖かい地域に生息している事が一目で想像できる「アンスリウム」は、インテリアとして取り入れれば、常夏の楽園の様な部屋作りをする事が出来ると言えるでしょう。
緑色の葉の他にも鮮やかな赤や白、ピンクといった種類も存在します。
ハエトリソウ
ハエトリソウはハエトリグサの名称でも知られ、虫を食べる草としてもご存知の方も多くいらっしゃいます。
熱帯の地域に生息しているように考える方もいますが、耐寒性があり日本でも鉢植えで楽しむ方が増えて人気も高まっています。
南国ブームでシュロの木が増えた
一般的にも流通し、庭からぐんと伸びた姿が塀の上の方まで見えると言う家庭も多くあるでしょう。
多くの家で観賞用として楽しむきっかけには、南の島に憧れるブームが日本で起こった事が原因と考えられています。
南国のイメージで庭に植えられたシュロ
日本にはないリゾート感を求めた人が多かったのでしょうか。
「南の島と言えばヤシの木」のように頭にある想像のみが先行し、少しでも南の島に近づける為、ヤシの木に似た棕櫚を庭に植えていったと考えられています。
1960年代の南国ブームが火をつけた
1960年代には温暖な気候の楽園の様なリゾート地への新婚旅行が流行りました。多くの人が海外へ行けるわけではありませんでしたが、九州では植樹するなどしてリゾート地化をはかります。
リゾートブームに火がつき日本中で植樹されるようになったと考えられるでしょう。
利用価値の高いシュロの木
鑑賞用として利用されているのは「唐棕櫚」と言われていますが、他にもさまざまなアイテムを作るのに活用されている事をご存知でしょうか。