椿の季節はいつがおすすめ?
椿といえば古くから日本人にとって馴染みの深い花ですが、おすすめの季節を聞かれたらいつと答えますか?冬のイメージが強い椿ですが実際はどうなのでしょう。この記事ではそんな椿の季節についてご紹介していきます。
椿の季節はいつ?
椿は日本や中国、台湾、朝鮮半島南部などが原産で開花時期は11月頃から4月頃とされています。品種が多いと言われている椿の花ですが、花の色は赤や白、ピンク、模様の入ったものなど様々で、花の大きさや形も多様です。これだけ種類が豊富な椿ですので開花の時期を限定するのは難しいですが、種類を選べば長く楽しめます。
基本的には冬
椿は一般的に冬がシーズンです。雪降る中、光沢のある濃い緑の葉の中に鮮やかに咲く花の姿は凛としていますよね。椿とよく似ている花に山茶花がありますが、散る時に花びらが1枚ずつ落ちる山茶花とは違って椿は花ごと落ちて散ります。また香り豊かな山茶花と違い、香りが控えめな椿には『控えめな優美さ』という花言葉もあります。
品種によっては1年中楽しめる
日本ではかなり昔から、椿は庭木として愛され親しまれてきました。古くから品種改良をされていた椿は品種改良が進みたくさんの品種が生み出され、現在では1年中花を楽しめる品種も販売されるようになりました。
雪椿を見るのにベストな季節
雪椿(ユキツバキ)は日本海側の多雪地帯である東北~北陸および山陰地方にかけての山地に自生しています。花は濃い紅色で枝先に1つずつつき、花びらを水平に開いて咲き花ごと落ちて散ります。枝はしなやかで折れにくく、雄しべの花糸は短く鮮やかな黄色です。その名前から冬に咲く姿を想像しそうですが実際の開花の時期はいつなのでしょうか。
雪椿の品種
雪椿はオクツバキ、サルイワツバキとも呼ばれるツバキ科の常緑低木です。樹高は1m~2mと言われ、積雪の高さに応じるとされます。雪椿系の有名品種には白花をつける白花雪椿や千重咲きの乙女椿などがあり、原種の突然変異や交配によって品種改良された園芸種は国内だけでも200種類以上あると言われています。
雪椿の季節
雪椿は春の代表的な椿です。開花時期は4月~6月、自生する日本海側の気候に合わせて休眠期間が長くなるために開花の時期が遅いとも言われています。雪椿の名前は、冬は枝が地表を這って雪の重みに耐え、春になると枝を持ち上げて開花する強さに由来しています。
夏椿を見るのにベストな季節
夏椿(ナツツバキ)は本州は宮城県より西や四国、九州、また海外では朝鮮半島の南部に自生しています。夏椿は一日花で、朝に開花して夕方には花ごと落ちてしまいます。花だけでなく葉や幹も美しく年間を通して楽しめる夏椿は、観賞用としても人気が高いです。
夏椿の品種
夏椿はツバキ科の落葉高木で、成長すると樹高が20m程になるものもあります。インドで聖樹とされる沙羅双樹と間違えられたことに由来してシャラノキ(沙羅の木)とも呼ばれ、古くから寺院などの庭に植えられてきました。夏椿は一般的に白花を咲かせますが、『夜明け前』という品種は花びらの先が薄い桃色になり、桃色夏椿とも呼ばれています。
夏椿の季節
夏椿(ナツツバキ)は夏の代表的な椿です。6月から7月に椿に似た花びらが5枚の白い花をつけることから夏椿と呼ばれています。雄しべの花糸は黄色く白い花びらとの色合いが夏に似合う清楚な花です。花も楽しめるシンボルツリーとして家庭の庭にも植栽されています。
家庭の庭で季節を感じられるのは素敵ですね。いきなり庭に植栽するのは難しくても、観葉植物を取り入れるのなら手軽に始められそうです。ご家庭で楽しめる素敵な植木に興味のある方はこちらもあわせてご参考ください。
寒椿を見るのにベストな季節
寒椿(カンツバキ)は山茶花(さざんか)との交配により生まれた園芸品種で、関西では獅子頭(ししがしら)と呼ばれます。花は淡い紅色で八重咲きのものが多いとされますが、ピンクや白の花もつけます。椿と山茶花の両方の特徴をあわせ持つ寒椿は、花ごと落ちて散る椿とは違い山茶花のように花びらが1枚ずつ散るのが特徴です。
寒椿の品種
寒椿はツバキ科の常緑中低木で樹高は1m~3mです。枝が横に広がる性質がある上に自然に形が整いやすく華やかな品種が多いので、一般家庭の庭木や植え込みなどにも使われています。品種には白い八重の花を咲かせる『富士の峰』や『朝倉』などがあり、また枝が立つ性質を持つ立寒椿と呼ばれるものの1つに『勘次郎』などがあります。
寒椿の季節
寒椿は10月~12月頃に花の見ごろを迎える秋の代表的な椿です。寒椿と山茶花は同じ時期に花が咲き、見た目に加えて花の散り方まで同じ両者は専門家でもなかなか区別がつかないと言われています。
侘助椿を見るのにベストな季節
侘助椿(ワビスケツバキ)はツバキ科の交雑種です。花の色は白や紅色、桃紅色などがあります。侘助という名前は千利休に仕えた庭師の名前に由来する説など諸説ありますが、その佇まいから古くより茶花として茶人に好まれています。
侘助椿の品種
侘助椿は一重で猪口咲きの小さな花をつけるものが多く、雄しべが退化しているため花粉がないのが特徴です。樹高は2m~4m程です。代表的な品種に『白侘助』や『紅侘助』、桃紅色の花に不規則に白や薄桃色の絞りの模様が入る『胡蝶侘助』などがあり、庭木としても植栽されています。