レイプツリーとメキシコ麻薬戦争|超危険地帯で横行するレイプ殺人の背景

世界的に一応の承認を得たこの活動は、アメリカから軍を国外に派遣するという軍事支援かつ軍事介入の元、実施に移されたのです。その対象国の1つがメキシコでした。

軍を投入しての麻薬王の逮捕

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軍を投入しての麻薬組織関係者の大規模摘発が実施されました。しかし、代表者を失った組織は分裂し、数を増やした組織が引き起こす犯罪件数は年々数を増していきました。

メキシコ大統領による麻薬戦争の終結宣言

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2018年、非暴力による治安回復を掲げていたロペスオブラドール大統領から「麻薬王を逮捕しても犯罪件数の減少を達成することはできない」として、麻薬戦争の終結宣言が出されました。

しかし、麻薬組織からの賄賂を受け取っていた人物がロペスオブラードル政権に席を置いているとの指摘もあり、メキシコの治安は予断を許さない状況が続きそうです。

麻薬王との関係

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未だに完全解決に至っていない麻薬戦争を引き起こしている重要人物と言えるであろう麻薬取引組織のドンである麻薬王ですが、有罪判決が下るまでの過程でも、巨大な権力を感じさせます。

巨大麻薬組織のドン「エル・チャボ」

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ホアキン・アルチバルド・グスマン・ロエーラ、こと麻薬王の”エルチャボ”は、シナロア・カルテルの最高幹部として、巨大麻薬組織を率いてきました。

麻薬の密売額

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1987年にアメリカ当局が実施した捜査によると、約3年間で2トンのマリファナと4.7トンのコカインを取引し、その利益は15億ドルに達していたとのことです。

アメリカの長者番付に掲載されたこともあるほどの資産を築いており、純資産は日本円にして1000憶円とも言われています。

エルチャボの逮捕

最終的には逮捕され、アメリカにて有罪判決を受けることになりました。しかし、それまでには何度も脱獄を成功させるなど、資産力や組織の力の強大さを伺わせます。

1度目の脱獄

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初めてエルチャボが逮捕された際には、麻薬密売に関係する20の嫌疑がかけられ、刑務所に収容されていました。しかし、洗濯物を積む清掃用作業車に紛れ込むことで脱獄を成功させます。

脱獄にあたり、麻薬密売で稼いだ総額250万ドルに及ぶ賄賂を78名の看守に渡すことで、悠々と刑務所を出て行ったとする説もあります。

2度目の脱獄

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2度目の脱獄は、厳戒態勢が常に敷かれるており、メキシコ内で最も警備が厳重なことで有名なエル・アプティプラーノ刑務所からの脱獄となりました。

刑務所の地下に全長約1.5㎞にも及ぶトンネルを掘らせ、改造したバイクを使用することでたったの3分で脱獄していったといいます。

メキシコの麻薬組織に関する情報はこちら

麻薬戦争の激化による見せしめとレイプツリー

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違法な麻薬取引の禁止を目的とした麻薬戦争でしたが、麻薬王の権力の絶大さや公共機関と麻薬組織が癒着している状況も相まって治安を安定化させることはできませんでした。

それどころか、麻薬カルテルとの抗争の拡大を招いていきました。このように、治安が悪化していくに従い、麻薬カルテルによる権力の誇示が強まっていきました。

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