クスサンは成虫になると、口が退化してほぼ無くなってしまい、食物は摂取しません。幼虫時に蓄えた栄養分で繁殖のため活動し、オスは交尾の後に、又メスは産卵後に数日で死んでしまいます。
クスサンが大量発生する原因とは?
よく昆虫や動物界では、環境諸因子のバランス関係が崩れると大量発生を繰り返すと言われています。クスサンの場合もそうなのでしょうか? そのあたりを探っていきたいと思います。
気候など環境の変化が原因で大量発生している?
研究者談によれば、人為的な要因に加え、その時の気候の変化によっても、クスサンの卵内に寄生したハチの幼虫が生息しにくい、あるいは、秋の産卵時にクスサンの成虫が集まりやすいなど、様々な環境の変化により、クスサンの大量発生が引き起こされるようです。
絶滅しないように大量発生している可能性も?
更に、クスサンは種存続のための知恵あるいはメカニズムが備わっており、絶滅することのないよう、予め計算されたかのように大量発生を繰り返し、移動するといった方法を採っているのではないかと考えられています。
クスサンの幼虫の駆除方法とは?
クスサンの幼虫は主に栗の木で目立ちますが、大量発生してしまうと食いつくされて、栗の木は丸裸になり、美味しい栗の実がつかなくなってしまいます。成虫に育つ前に、見つけた時点で即座に駆除することが肝要です。
クスサンの幼虫は見つけたらすぐ駆除するのがポイント!
それでは、幼虫はどのように駆除を行えば良いのでしょうか?効果的な駆除方法としては、「掻き落とす」、「潰す」、「焼く」、「箸などで摘まむ」、「薬剤を撒く」などが考えられます。
例えば、果樹や街路樹では秋から早春にかけて、樹木に貼りついた卵の塊をみつけて駆除するか,叩きつぶ すのが有効です。又、 春から夏にかけて、幼虫や繭をみつけたら,駆除して土に埋めるのも効果的です。
薬剤を散布する場合には周囲の環境に配慮すること
又、薬剤使用については、人間の身体への影響など少し心配があります。特に無農薬栽培農家であれば、なおさら、手作業での駆除を行うことが多いようです。しかし、この駆除方法では大量発生による甚大な被害を食い止めるには非力です。
農薬による駆除が必要と判断される場合は,クスサン用の農薬として樹木用の「DEP乳剤」があります。農薬は取扱説明書に従って使用し、薬剤散布にあたっては通行人や近くの住民等に十分配慮する必要があります。
ラ・スカイファームのイベント中止事例
広島県の観光農園で、大量発生したクスサンの食害のために、毎年秋季恒例の「栗拾いイベント」が中止となったことがありました。この農園では、完全無農薬を売りにしていたことから、クスサンの幼虫駆除のための薬剤使用を避けていました。
クスサンの幼虫に毒性はある?
一般的な毛虫のイメージ同様に、クスサンの幼虫の毛に毒性があるのではないか?刺されて痛いのでは?と心配されますがどうなのでしょうか。