クスサンの幼虫は徐々に白くて長い毛が生えてくる
3齢位になると毛が増えると共に、体の側面には黄色帯状模様が出現します。4齢位で多毛となり、この頃からクスサンの幼虫は「シラガタロウ」と言われる容貌になります。体色は黄色ですが、胴体の側面にある気門と言われるところが水色となり、白い毛が目立ち始めます。
幼虫は脱皮を繰り返し成長していきます。繭づくりの直前位になると、気門の水色も目立つようになり、白い毛はますます長くなり、モフモフ感が出てきます。一般的な毛虫のイメ-ジである黒っぽさや刺々しさはありません。
クスサンの幼虫は広葉樹を食べて成長する
クスサンの幼虫は広葉樹の葉が好きです。特にクリの樹が好みだとも言われますが、どんなものも食べ、葉脈は残すというのがこの幼虫の食べ方の特徴です。
広葉樹の中でも例えば、クリの他にもクルミやトチノキ、クヌギ、コナラ、イチョウ、クスノキなどの樹木にも寄生し、すべての葉を食い尽くし、大きな被害を与えます。
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クスサンの特徴を紹介!その②繭
虫の仲間には器用に精巧な繭作りをするものがいますが、クスサンの作る繭も又、特徴的な姿をしてます。クスサンの繭の壁は大きな穴が並んでいるような網目で、向こう側がスケて見えるのです。
荒い目で竹細工のような見た目のクスサンの繭
クスサン幼虫が作る繭はベ-ジュ色で網目状の俵型をしています。そして、その繭は、繊維がとても丈夫で、手で引き裂き破ることも難しく、ハサミを使ってようやく切れる程です。
繭の状態の幼虫は、見慣れていないと判別しにくいものですが、クスサンの繭は、向こうが見えるという点が珍しく、見間違える事はまずありません。
クスサンの繭は「透かし俵」といわれている
繭は葉をたくさん集めて作られ、この繭から糸を採ることもできます。繭は糸を寄り合わせ、接着剤のようなもので固め、粗い網目状の壁を作っています。この為、よく「透かし俵」という呼ばれ方もされます。
クスサンの特徴を紹介!その③成虫
クスサンは成虫になると体長が11〜15cmほどになるとも言われています。蛾の中では巨大な部類に入り、女性の手のひらに乗ってしまいそうです。これだけ巨大な蛾だと、「気持ち悪い」などと感じてしまうのも頷けます。
クスサンの成虫は茶色系!大きさは10cmを超えることも
成虫は、毛深くて胴が太く、開張10cm以上の褐色の大きな翅を持つことです。又、胴体の毛はベージュ色の事が多く、正面から顔を見ると、オスは触角が大きく、櫛状に発達しメスが発する性フェロモンを効率よく感知します。
クスサンは後翅を広げると、眼状紋と呼ばれる、大きな目玉を思わせる模様があります。外敵に遭遇すると、前翅を上げて後翅の眼状模様を見せて、威嚇します。