この幼虫の毛に毒性はありませんので、触ってもかぶれたりすることもありません。又、その他の皮膚症状などが発生することもありません。ついでに言えば、成虫にも毒性はないため、完全に人畜無害の昆虫と言えます。
クスサンの毛は硬いため触ると痛みを感じることも?
クスサンの幼虫の毛は硬いため、触れるとチクリとした痛みを感じることもありますが、毒性によるものではありません。又、幼虫の排泄物については、毒性ではありませんが、直接触ることでかぶれる恐れがある為、安易に触れないようにしましょう。
注意したいチャドクガ
実は、日本に生息する5000種の蛾の中で毒性のものは10種程です。注意を要するのは、お茶の木の害虫と言われる「チャドクガ」です。但し毒性といっても、死んでしまうような毒性ではありません。チャドクガの「毒」は全身にある「毒針毛」が犯人です。
この幼虫にふれると、毒針毛が皮膚にはいり猛烈に痒くなります。その場合、患部を水で洗います。それでも痒くなった場合には、ヒスタミン系の軟膏を塗ることです。いずれにしても、この蛾は、茶や、ツバキ、サザンカといった木の近くにいる場合が多いので注意しましょう。
クスサンはふぁっとした感じがかわいいとウワサに?
クスサンは、幼虫でも成虫でも、モフモフでファッサファサでかわいいという意見が多いです。一般に蛾の幼虫のイメ-ジと違い、黒っぽさやトゲトゲしさがなく、白い毛でフサフサした感じになるのが理由のようです。
モフモフ感が猫っぽくてかわいいという声も?
蛾というだけで嫌われる節もあるが、このモフモフ感が猫を連想させるため好きな人も多いようです。加えて飛ぶのがめちゃくちゃ下手。勝手に地面でパタパタ音を立ててバタついているものをよく見かけますが、この不様さが可愛げを誘っています。
他にも「顔がかわいい」「幼虫もかわいい」と一部で話題に
成虫はモフモフでうさぎに似た顔でかわいいという意見が多いです。又、幼虫でも、手に乗せるときに指を手繰り寄せてくることがかわいいと言います。
クスサンの天敵は?
一番の天敵はきっと人間なのでしょう。但し、自然界にもクスサンにとって恐ろしい敵は存在します。幼虫時代と成虫時代に分けて調べてみます。
幼虫の天敵 ヤドリバチ
クスサンの幼虫は白くて長い毛を持っています。触れると痛いですが毒性はありません。しかし
この毛は天敵のヤドリバチが近づくのを防いでいるのです。
成虫の一番の天敵は狸?
成虫にも一応、天敵対策はあります。エサを求めて野鳥が近づくと、普段は隠している後翅をいきなり広げます。そこに大きな目玉のような模様が出現します。大抵の鳥はこの眼玉模様に驚きますが、その隙にクスサンは逃げます。鳥が恐れるのは、彼らの天敵のハヤブサの眼と間違えるからと言われています。
しかし、この手が効かない手ごわい天敵がタヌキです。クスサンの体が大きいためタヌキの好物になっています。鳥には効き目のある目玉模様も、タヌキには効き目がありません。クスサンの威嚇もお構いなしに、タヌキは器用に食べてしまいます。