ベイトリールの糸巻き量を徹底考察!正しい糸巻き方法も併せて解説!

ベイトリールの糸巻き量の多少それぞれにはメリットとデメリットがあり、それを学んだうえでベイトリールにラインを巻くことが重要です。この記事では、実際の釣りにおける様々な要素から、ベイトリールの最適な糸巻き量を考察すると共に、正しい糸巻き方法も併せて解説します。

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夏はキャンプ、釣りはオールシーズン楽しんでいます!釣れる魚はなんでも好きです。食べるのも含め。
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ベイトリールの糸巻き量は操作性を左右する

スプール自体が回転するベイトリールはスピニングリールと違い、糸巻量によって操作感が変わってきます。特にキャストにおいて遠投性やコントロール性につながってきます。糸巻量の差によってライントラブルの発生にも関わってきます。

ベイトリールの糸巻量を考察

ここでは、ベイトリールの糸巻量を実際の釣りにおける3つの要素から考察していきたいと思います。人それぞれの考え方があるとは思いますが、一般的に、糸巻量が多い場合と少ない場合どういった影響がでるのか考察します。

ベイトリールの糸巻き量考察①仕掛けの飛距離

技術が進歩して、ベイトでキャストできるルアーが増え、重たいものはもちろん、スピニングリールでしか投げられなかった軽いルアーまでキャストできるようになりました。ここでは、ベイトリールの糸巻量を仕掛けの飛距離の面から考察していきたいと思います。

糸巻量が多いとスプールの重さは重くなる

スピニングリールも同じですが、スプールというのはラインを巻き取っている箇所です。当然ですが、ライン自体に重さがありますので、糸巻量が多ければ多いほどスプールの重さが重たくなります。ベイトリールはキャスト時にスプールが回転してラインを放出するので、スプールの重さはキャストに密接に関係しています。

スプールの慣性と立ち上がり

ラインを放出すると、スプールが回り始めます。重い物を動かすには大きい力が必要なので、スプールがピークの回転数に達するのには時間がかかります。対して軽いスプールでは小さな力で動かすことができるのでスプールの立ち上がりが早いということになります。

飛距離への関わり

飛距離を出すためにはスプールがどれだけ回転するかにもよりますので、回転数が高い方が飛距離が出ることになります。仕掛けには空気抵抗があるのでスプールは永遠に回り続けることがありません。重いスプールでは回転数が伸びないので軽いスプールより飛距離が出にくい傾向にあります。

ブレーキングパワーの設定も重要

通常、重い物の動きを止めるためには大きい力が必要で、軽い物は小さな力で済みます。ベイトリールのブレーキも同様で、スプールが重いとブレーキ力も強めなければ回転が止まりにくくなってしまいます。飛距離を出すためには設定も重要になってきます。

ブレーキシステム

ベイトリールには主にメインのブレーキと、スプールの軸を抑えるメカニカルブレーキの2つが備わっています。その2つを調整してキャストします。また、メインのブレーキシステムには、主にシマノ製リールに使用されている遠心ブレーキと、ダイワ製リールに使用されているマグネットブレーキのタイプがあります。

現在、どちらのメーカーのブレーキも、決められたブレーキパワーの設定の中でスプールの回転数によってほぼ可変的に、回転数が高い場合にはブレーキが効き、低い場合にはブレーキ力が弱くなり、ゼロに近づくという特性を持っています。

糸巻量が少ない場合のブレーキ設定

糸巻量が少ない軽いスプールは立ち上がりがよく回転数が高くなるため、よりブレーキが効きやすくなります。車のエンジンブレーキと同じようなイメージです。糸巻量がより無くなるキャスト後半ではブレーキ力をゼロにしても問題ないので、遠投の場合、メカニカルブレーキはスプールががたつかない程度、メインのブレーキも通常より弱くできます。

総合的には少ない糸巻き量が有利

糸巻量が多いスプールの場合は、ピークの回転数に達するまでに時間が掛かってしまい、無駄に回転するのでブレーキが長く効いてしまいまうため飛距離が出にくいのです。糸巻量が少ない軽いスプールは、立ち上がりがよくしっかりブレーキが効いてくれるため、ルアーの初速を安定して出しやすく、飛距離が出しやすいということにつながります。

ベイトリールの糸巻き量考察② トラブルの発生頻度

釣り場では絶対起こしたくないライントラブルですが、ベイトリールではキャストのとき、「バックラッシュ」が付きまとうため、特に気をつけなければいけません。ラインの糸巻量によってトラブルの起こりやすさが変わってきます。ここでは、糸巻量をトラブルの発生頻度の面から考察していきます。

ライントラブルの原因を知ることが大切

キャスト時におけるトラブルでは放出されるラインのスピードとスプールの回転スピードのズレが起きてしまい、ラインの放出スピードをスプールの回転が追い越してしまうことが挙げられます。なぜそのようなことが起きるのでしょうか。主に2つの原因があるとされています。

ブレーキシステムの性能

ベイトリールは主に2つのブレーキシステムがあり、ほとんどがスプールの回転によってブレーキ力が高まる仕組みになっています。スプールの回転がライン放出スピードを上回らないように調整するのですが、遠投するためや、軽いキャストが必要なピッチングの際にブレーキを弱めると、そのような状態になりやすく、トラブルも起きやすくなります。

スプールとボディの間の広さ

最近のベイトリールはコンパクト化が進んでいます。そのため、スプールとボディの間が大きくとれないといった構造になっています。その幅が狭ければ、キャストしたときにスプールからラインが膨らみ、ボディに接触してしまいます。ライン放出スピードの予期せぬ減速となってしまうほか、ラインブレイクにもつながってしまいます。

糸巻量が少ない方がトラブルは起きにくい

糸巻量が少ないとスプールが軽いため、トラブルが起きやすいキャスト時の初速が高く、スプールの回転が高くなるときでもブレーキの利きが良く、トラブルを防いでくれます。また、トラブルを起こしかけてもラインの量が少ないため、被害が最小限に抑えられます。

ベイトリールの設計自体も無視できない要素

例えば、スプールとレベルワインドの距離が距離が狭いとスプールから出ているラインとレベルワインドの接してる角度が急になります。そのため、ラインに抵抗がついてトラブルの素になります。なるべく抵抗がないように対策しています。シマノだとメガホン形状のレベルワインド、ダイワはほぼ抵抗をゼロにするTWSがその一例です。

ベイトリールの糸巻き量考察③魚とのファイト

一般的に巻き上げパワーがあると言われているベイトリールですが、大きい魚を掛けたときはラインを引き出されたりもします。ここでは、ベイトリールの糸巻量について、魚とのファイトの面から考察していきます。

ドラグの動作時間が長い魚には注意が必要

よく走る元気な魚はラインブレイクを防ぐためにドラグを多用し、スプールからラインが大量に引き出されます。そのため、糸巻量が少ない場合はすぐにラインが出きってしまい、ラインブレイクにつながります。また、ベイトリールの構造上ドラグが出ているときは、巻かれているラインに食い込んでしまい、高切れの可能性もあります。

糸巻量が多いと大型魚とのファイトも安心

仮に、70mをスプールに巻いているとして、50mキャストして着水直後にヒットした場合、スプールに残っているラインは20mしかありません。走る魚だと20mはすぐに出されてしまうため、この糸巻量だと不安です。対象魚に合わせて多めにラインを巻いておく方がいいでしょう。

少ない糸巻量だと強引なファイトが不可欠

少ない糸巻量でスプールにラインが残り少ない場合、ドラグをなるべく使わないような強引なファイトが必要になってきます。スプールにラインが結んであるところまで引き出されてしまえば、ブレイクを防ぐためのドラグが使用できなく、ラインが切れてしまうため、無理にでもラインを巻いてこなければならないからです。

少ない糸巻量で有効な釣り方

近年、ベイトリールの進化によって軽量なルアーを扱った「ベイトフィネス」という釣り方が誕生しました。軽いルアーを投げられることによってスピニングリールで投げるようなルアーをベイトリールを使用し、スピニングでキャストコントロールが難しい人でもピンスポットを狙えるようになりました。

バスフィッシング

発端はバス釣りにおいて、軽量ルアーをピンスポットにキャストし、スピニングに対して太めのラインを使って、ストラクチャーにライトリグを打ち込めるので今まで釣れなかった魚が釣れるということからこの釣りが生まれ、軽いルアーをストレスなくキャストできるようにスプールを極限まで軽量化した専用リールが発売されました。

ボートからなど狙うポイントが近い場合、糸巻量を少なくします。軽量化されたスプールを最大限生かすため、ラインの重さを負担にしないためです。20mほどのスプールが見えるくらいしかラインを巻かない場合がほとんどです。少ない糸巻量でスプールが軽いため、軽いルアーでもなんなくキャストできます。

渓流ルアーフィッシング

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