キングノットとは
釣りに使うラインの結び方はたくさんあります。その中でもややこしいのが、メインラインとリーダーを結束するノットです。ルアーに直接結ぶよりもリーダーを介した方が根ズレにも強く、タックルの強度を上げることができます。PEラインがルアーキャスティングに使用されるとともにたくさんのノットが紹介されてきました。
キングノットはビニミツイストとリーダーを結ぶ方法
たくさんあるリーダーの結束方法のなかには、単純にライン同士を結束する方法やダブルラインを介する方法、リーダーを編みこんで作る方法があります。後者は結び目を作らない摩擦系ノットといわれるものがメインになりますが、このノットはメインラインをビニミツイストを介してリーダーと繋げます。
キングノットは村田基さんが考案した結び方
この方法は「ミラクル・ジム」こと村田基さんが考案しました。王様と呼ばれることから、このノットはキングノットと名付けられました。最初に発表されてから研鑚され、手順も簡単で素早く結べるように進化してきました。強度もあり、実戦的なリーダーとの結び方です。
村田基さんとは
世界を股にかける、自称「世界一忙しい釣具屋のおやじ」です。茨城県にある潮来釣り具センターの代表、また、ルアーメーカー「Water Land」の代表でもあります。バスフィッシングブームや管釣りブームをけん引し、様々な釣り具、釣り方を世界から日本に紹介してきました。釣り業界で知らない人はいないほどのレジェンドです。
キングノットの強度
摩擦系ノットの代表であるFGノットは完璧に作れると強度は直線強度の90%を超える数値が出せると言われています。ですが、完璧に作るのに経験も必要ですし、手間もかかります。対してこのノットは構造上すっぽ抜けの心配は100%ありませんし、シーバスから、マグロやセイルフィッシュなど大型の魚にも対応できます。
ビニミツイストについて
ダブルラインをつくる方法としていくつか挙げられますが、その中でもラインの強度を落とさずに作ることができるやり方です。バハマにあるビニミ諸島で生まれたと言われています。リーダーと結ぶ他にも雷魚などのフロッグゲームではアイに直接結ぶ輪を作るための方法としても用いられます。
ビニミツイストとは
メインラインをダブルラインにする方法です。結び目を直接つくらないので、特にPE素材では強度を落とすことがなく簡単に作ることができます。PE素材のラインがメインになる前はリーダーとの結束に必ずといっていいほど、この方法が使用されていました。
ビニミツイストの結び方の手順
非常に簡単で、コツを覚えれば現場ですぐ作ることができます。様々な釣りにも使えますし、前準備として必須のシステムになるので、確実に覚えておきましょう。ライン上に結びコブを作らないので、ガイドの通りもよく、トラブルも少ないです。
ラインに撚りをかける
まずラインを二重にして先端とメインラインを持ちます。そして輪の中に空いている手を通し、張りながらぐるぐると回しましょう。ラインが重なり撚れてきますので、20回~30回ほど回します。そのままラインを緩めずに次の工程に移ります。
編みこみ部分を作る
輪の大きさを大きくして撚りを詰めていきます。そこで余っているラインの先端を詰めた撚っている部分に巻きつけます。撚りを詰めていくのと同時に余ったラインを口にくわえたりして張りを緩めずに近づけていくときれいに巻きつきます。
ハーフヒッチからエンドノットへ
二重のラインになった輪の上部に編みこみ部分ができたと思います。輪の付け根(編みこみの最後の場所)の3本は離さずに、まず片側を方結びの要領で留めます。ここを留めれば指を離しても構いません。次に2本束ねてハーフヒッチをして、4回ほどくぐらせるエンドノットをします。余ったラインを切り、ライターなどで炙れば終了です。
キングノットの結び方の手順を解説!
それではリーダーと結束してみましょう。手順も複雑ではないので簡単に結ぶことができるはずです。構造上すっぽ抜けもありませんし、最初は時間がかかっても慣れればどのノットよりも早く結べます。風が吹いても波で揺れる船の上でも安定した強度を保てます。
手順①リーダーを8の字に結ぶ
まず使用する分だけリーダーをカットしましょう。そうしたら先端に8の字をつくります。方結びの要領で一回通したらもう一度同じ方向に通します。それをゆっくりしめていくと8の字の形になるので、次の手順に移ります。締めすぎると次の手順で苦労するのでゆるめにしておくのがポイントです。
手順②リーダーにビニミツイストを通す
次に、先ほどの8の字結びにビニミツイストの輪の先端を通します。輪になった部分をたわまないようにきれいにならしておいたほうがいいです。メインラインの先端を8の字の下から上に向かって出るように通します。8の字部分への通し方ですが、ぐっと8の字に押し付け、少し出たところを引っ張り出します。
手順③リーダーを結び付ける
リーダーの8の字をある程度締め、メインラインをある程度引っ張り出したら、ダブルにした部分の下側を引っ張ります。輪がいびつな形になりますが、その下側にリーダーの先を(8の字にしていない方)4~5回巻きつけてそのまま引っ張ります。たわみがないようにきれいにしたら8の字を締め込み、ライン全体も締め込みます。
キングノットの結び方を動画でチェック
言葉で説明しましたが、文章だけでは伝わりにくい部分がたくさんあると思います。釣り関係のノットの動画もたくさんありますので、実際に考案者の村田基さんが紹介している、太い糸で見やすく実践している動画がありますので紹介します。
キングノットの結び方動画①