うなぎのさばき方とは?素人でもできる簡単なさばき方を画像で解説!

捌くのが難しい魚トップ10には必ず入っているであろううなぎ。うなぎを捌くなんて、熟練の経験を積んだ料理人しかできないと思っている方も多いかと思いますが、実はコツさえわかれば素人でも捌くことは可能です。今回はそのちょっとしたコツをお教えしたいと思います。

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うなぎの捌き方には2通りある?

皆さんは、関東と関西で捌き方が違うということをご存知だったでしょうか?なぜ、関東と関西で捌き方に違いが生まれたのか。そして、それぞれどんな特徴があるのかご紹介していきたいと思います。

背開き

関東では背側から開く背開きが主流となっています。脂が乗っている腹部の旨味を逃さず、身が崩れにくくふっくらと仕上げることができます。また、調理の際にうなぎがあばれにくく背ビレなども取りやすくなります。

 

なぜ関東が背開きになったかは諸説ありますが、その昔、武士文化の強い江戸の町では、腹を切ることで「切腹」を連想させるため忌み嫌って背開きが生まれたという説や、全国からの単身赴任者が江戸の町に増えて外食が盛んになり、調理人が不足したので効率を上げるために背開きにしたという説があります。

腹開き

関西ではお腹から開く腹開きが主流です。肋骨がないので腹開きにする際は少々技術が必要になります。腹開きにすると焼いた身が丸まってしまうので、それを防ぐためにも串を打つ必要があります。関西が腹開きなのは、商いで栄えた文化で「腹を割って話す」という意味で腹開きが好まれたという説があります。

調理方法にも違いがある?

捌き方の違いや、その理由はお伝えできたでしょうか?実は、関東と関西では、捌き方の他に蒲焼の調理方法にも違いがあります。ここでは、それぞれの調理法の違いや特徴などをご紹介したいと思います。

関東は蒸す

関東の調理方法の最大の特徴は、1度白焼きにたものを蒸し上げることです。蒸すことにより余分な油が抜けるとともに、身もふっくら柔らかく仕上がります。蒸して下ごしらえを終えてあるので、注文が入ったら、タレにひとくぐりさせサッと焼き上げてすぐに料理を提供することができます。

 

先程も紹介しましたが、各地からの単身赴任者で人が増え外食が盛んになった江戸の町で、気の短い江戸っ子を待たせずに料理を素早く提供するために料理人が考え生み出した調理法なのかもしれません。

関西はじっくり焼く

関西の調理方法は、捌き終えたものをそのまま焼き上げるのが特徴です。そのため柔らかく焼き上げるのには、高い技術が必要になります。また、じっくりと時間をかけて焼き上げるのため金串を使用するのも特徴の一つです。

 

関東風のふっくらとろけるような仕上がりに対し、関西風はじっくり焼くことで表面はパリッと香ばしくしっかりとした食感であり、中はふんわりジューシーに仕上がっています。どちらも違ったおいしさがあるので、是非一度試してみてはいかがでしょうか?

うなぎを捌く際に用意するもの

他の魚と違い、専用の包丁を使って捌く姿を目にすることも多く、特徴的で専門性が高そうに見えますが、ポイントさえ押さえてしまえば自宅でも簡単に捌くことができます。その際必要になる道具を紹介していきますので、事前に用意をしておいてください。

うなぎの長さに合う大き目の板

後述する目打ちを行うのに穴を開ける必要があるため、専用の板を用意するようにしましょう。厚さ2cm以上のもので、うなぎの体長よりも長い板を用意すると調理が楽になります。また、暴れることがあるので、板が動かないよう重量のあるものを選ぶと板がズレたりせず安全です。

千枚通しかアイスピック

うなぎを板に固定して安定させるために行う目打ちで使用します。100均などで売ってる千枚通しでも十分です。大きくて長い釘や、キリでも代用可能ですが、抜けないようにしっかりと挿し込むようにしてください。

カッターか刃の薄い包丁

うなぎを捌くには、専用の包丁が必要だと思っている方も多いと思います。実は、包丁やカッターでも普通に捌くことができるのです。包丁を使用する場合は、できるだけ刃が薄く切れ味の良いものを選びます。カッターを使用する場合は、ダンボールを切れるような厚めの刃が付いたしっかりした作りのものを選びましょう。

 

「本当にカッターなんかで捌けるの?」と思う方もいるかも知れませんが、「カッターを使ったほうが捌きやすい」という方も多く、コツを掴めば簡単に捌けるようになります。実際、カッターを使って捌いてる職人の方もいらっしゃいます。

うなぎを捌く前にやっておくこと

道具が揃ったところで、次は捌く前の下準備に入ります。そのまま調理すると泥臭さが残っていることがあるので、泥抜きをする必要があります。また、調理をする際に暴れられないよう一工夫必要です。ここでは、泥抜きのやり方や、調理の際におとなしくさせる方法をご紹介していきます。

泥抜き

綺麗な水を入れた容器にうなぎを入れ泥抜きをします。逃げ出さないように深めの容器を使うようにしてください。水道水でも大丈夫ですが、用意したうなぎが釣ってきたばかりのものですと体力が落ちているため、カルキの入った水道水では死ぬ場合があります。その際は、予めカルキ抜きをした水を使用してください。

 

泥抜きをする期間は、生息していた場所により変わりますが、3日から10日程度行います。通常、2日から3日ほどで胃の内容物などが排泄されます。最初の3日間は、胃の内容物などが吐き出され水が白く濁ったりするので、毎日取り替えるようにしましょう。その後は、落ち着いてくるので水換えの間隔を伸ばして大丈夫です。

冷凍庫に入れて仮死状態にする

泥抜きが終わったら、いよいよ捌く準備に入ります。しかし、そのままうなぎを捌こうとすると暴れてしまうため、袋などに入れて冷凍庫で30分ほど冷やし仮死状態にして捌きやすくします。ちなみに、うなぎは死ぬと腐りやすく臭みも出やすいため、このような方法で調理をします。

それではうなぎを捌いてみよう!

すべての準備が整いましたので、いよいよ捌いていきましょう!手順を分けて調理の仕方、コツ、注意点などを画像や動画を交えながらご紹介していきますので、是非チャレンジをしてみてください。

うなぎの捌き方その①目打ち

まず初めに頭部を板に固定するための「目打ち」という作業を行います。「目打ち」と言っても直接目に打ち込むわけではありません。ここでは、目打ちのやり方、コツ、注意点などをご紹介します。

事前に穴を開けておく

板のどの部分に乗せて調理するかを前もって決めておき、頭部を乗せる場所に予め穴を開けて目打ちを打ちやすくしておきましょう。板の手前側にで調理する人が多いですが、奥側で調理する方もいるので、自分に合った場所をみつけてください。

捌き方でうなぎの向きを決める

先程もご紹介しましたが、背開き、腹開きと2種類の捌き方があり、それぞれ向き変わりますので注意してください。先ず、頭部を右側に向けて置きます。背開きをする場合は背を手前に、腹開きをする場合は腹を手前に向けて置いてください。目打ちをする場所は目の下のアゴ辺りです。

抜けないようにしっかりと挿し込む

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