初心者の方は目打ちが弱いことが多く、捌いてる最中にズレてしまったり、外れてしまうことがあります。そうならないためにも、金槌で叩くなどをしてしっかりと板に固定するようにしてください。
「そんなに強く打ち付ける必要があるの?」と思われる方もいると思いますが、初心者の方は、この後の工程でうまく刃物を扱えず骨に引っかかり、必要以上に引っ張ってしまうことがあるため、しっかりと頭部を固定しておく必要があります。
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うなぎの捌き方その②包丁を入れる
次は頭部に包丁を入れていきます。包丁と書いてありますが、もちろんカッターでも問題はありません。ここでは、包丁(カッター)を入れる際のやり方や注意点をご紹介します。ちなみに、この工程は目打ち前に行うことも可能です。
骨に届くところまで
胸ビレの横辺りに刃を垂直に立て押し当てて切りましょう。中骨に届くところまで切るのがポイントです。目打ち前に行う場合は、滑りやすくなっているため、刃を垂直に立てたあと素早く押し刺すように切ります。
骨まで切らないようにする
包丁を入れる際に注意しないといけないことがあります。それは、中骨を切らないことです。骨まで切ってしまうと頭と胴が離れやすくなってしまい、次の工程がやり辛くなってしまいますので注意してください。
うなぎの捌き方その③開く
包丁で切り込みを入れたら、次は開く工程に入ります。背開き、腹開きで難易度が変わりますが、どちらでも基本的な捌き方は変わりません。ここでは、開き方のコツや注意点をご紹介していきたいと思います。
初心者は背開きがおすすめ
初心者の方には背開きがおすすめです。背開きにすることで、おとなしくなりやすいので捌く際に余計な手間がかからなくなります。また、中骨が手前にあるため、中骨に刃を当てて滑らせることで身の厚みを均等にしやすく、見た目も綺麗に仕上がります。
貫通させないように
頭部の切り口から刃先を入れ中骨に沿って内蔵を傷つけないようにゆっくり切っていきます。開いている最中は、うなぎを支えている左手の人差し指で刃先の感触を意識して、お腹(背中)の皮まで切って貫通させないようにします。
初心者の方でも「動画を参考に実践してみたら素早く一気に開くことができた」という方もいますが、ヌメリがあり滑りやすく怪我をする恐れもあるため、慣れないうちは慎重に調理をするようにしましょう。
軍手やタオルを使う
ヌメリで滑って調理がし辛いという方は、軍手を使ったり、タオルで押さえながら調理することで滑りにくくできます。また、ヌメリの成分で肌荒れを起こす方もいるので、肌の弱い方はゴム手袋を使うようにすると良いかもしれません。
うなぎの捌き方その④内臓と中骨を取り除く
尻尾の先まで綺麗に開けたでしょうか?開き終わったら次の工程に入ります。次の工程は、内蔵と中骨を取り除く作業です。ここでは、内蔵と中骨を取り除くときの方法や、コツ、注意点などをご紹介していきます。
傷つけないように
内蔵は、手で引っ張りながら刃物で取り除いていきます。取り除く際はなるべく傷つけないように綺麗に取り除いてください。この時、緑色の玉のようなものが見えると思いますが、それは胆のうで、潰れてしまうと中から胆汁が出てきて苦味の原因になりますので注意してください。
中骨に刃を当て滑らせる
続いて中骨を取り除きます。頭部の切り口から刃を当て中骨を持ち上げます。持ち上がったら、それを左手でつまみ上げ、そのまま刃を当てそぎ取るように刃を滑らせていきます。尾の付け根まできたら、そのまま中骨をそぎ落としてください。
焦らず慎重に!
下手に焦って作業を行うと胆のうを破いてしまったり、中骨に身がいっぱいついてしまったり、途中で中骨が切れて捌きにくくなってしまうことがあります。ここまで来たら残りの作業もあと僅かです。焦らず慎重に調理をしていきましょう。
うなぎの捌き方その⑤血合いを取り除く
内蔵と中骨は綺麗に取り除けたでしょうか?いよいよ最後の仕上げに入ります。最後は、血合いを取り除いていきます。簡単な作業ですが、ここで手を抜くと味が落ちてしまいますので、しっかりと取り除くようにしてください。
血合いを取り頭も取る
内蔵を取り除いたあとの腹部に残る血合いなどの汚れを、カッターや包丁でこそぐようにして落としていきます。血合いをしっかり落としておかないと生臭さが残ってしまうので念入りにしましょう。中骨を食べる場合は、中骨の血合いも落としておきましょう。血合いが綺麗に落とせたら、頭部を切り落とします。
腹骨、ヒレの処理も
中骨と腹骨の接合部分の残りの骨を取り除くため、腹部上に浅めに切れ込を入れ、しごくように骨を取り除いていきます。あまりやりすぎると身の部分も一緒に取り除いてしまうので注意してください。
背ビレや尻ビレの切除は、専用の道具以外だと少々難しく手間もかかるため省略されることも多いですが、キッチンハサミなどを使えば意外と簡単に切り取ることができます。慣れてくればカッターなどでも切れるようになります。ただ、蒲焼などにする場合あまり気にならないので、省略しても構いません。
流水で綺麗に洗う
最後に残った血合いやゴミを流水で綺麗に洗い流して食べやすい大きさに切れば完成です。すぐに食べない場合は、水気を取ってラップなどで包みなるべく空気に触れないようにして、冷蔵または、冷凍保存をしましょう。
うなぎには毒がある?
皆さんは、うなぎに毒があるということをご存知でしたでしょうか?「え?毒があるのに素人が捌いても大丈夫なの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、どうか落ち着いてください。ここでは、うなぎの毒がどういうものかご紹介していきます。
イクチオヘモトキシン
ウナギやアナゴなどの「ウナギ目」の魚には、共通して血液に「イクチオヘモトキシン」というタンパク質の毒が含まれているという特徴があります。この毒は、ふぐの毒とは違い即命を落とすような猛毒ではありません。しかも熱に弱く、60℃で5分間加熱すると完全に無毒化されます。つまり焼いたり蒸したりすれば安心して食べることができます。
しかし、目に入ってしまうと結膜炎を起こし、最悪の場合失明をする危険性もあります。口に入った場合も、舌や喉頭に中毒症状を起こし、アナフィラキシーショックを起こす場合もあります。ヌメリにも微毒ですが別の毒が存在するため、目や口、傷口に入らないように注意をしてください。
うなぎの毒で死亡する!?
ウナギの新鮮な血液を大量に飲んだ場合、下痢、嘔吐、皮膚の発疹、チアノーゼ、無気力症、不整脈、衰弱、感覚異常、麻痺、呼吸困難が引き起こされる。死亡することもある。(引用:厚生労働省)
厚生労働省によると、新鮮なうなぎの血液を大量に飲んだ場合死亡する可能性があるとされています。しかし、「大量」とはどの程度の量なのでしょうか?単純計算になりますが、60kgの人間の致死量は、およそ1000mlだそうです。うなぎ何匹分の血液が必要なのでしょうか…。間違って飲んでしまうような量ではなさそうです。
うなぎの生態について詳しく知りたくなった方はこちら。
調理の後片付けをしっかりと
調理で道具に付着した血液やヌメリを綺麗に洗い流して、毒を無毒化するために熱湯で消毒をしておきましょう。手に付着したものはよく洗い流してください。また、肌が弱い方は、肌荒れを起こす場合もありますので注意が必要です。
アナゴも捌ける?
ここまでうなぎの捌き方をご紹介してきましたが、上手に捌くことはできたでしょうか?うなぎを捌くことができれば、捌き方のあまり変わらないアナゴも捌けるようになっているはずです、一度挑戦してみてはいかがでしょうか。
捌き方に違いはあるの?
捌き方はほとんど変わりませんが、生きたまま捌かなければならないうなぎに対し、アナゴは活け締めをしたものを捌くことが多く、暴れられる心配がありません。そのため、うなぎより簡単に捌くことができます。また、アナゴにも背開きと腹開きの2種類がありますので、自分にあった捌き方をしてください。
うなぎはおいしくヘルシー
いかがだったでしょうか?うなぎの捌き方をお伝えすることはできたでしょうか?栄養たっぷりなうなぎですが、実は意外とヘルシーで、ダイエット中の方にもおすすめです。自分で捌いた新鮮なうなぎをおいしくヘルシーに食べてみましょう。