まず毒ガスは製造が難しいため民家などでは作ることができません。さらに毒ガスが強力になればなるほどその保存や運搬が困難になります。なのでこっそり毒ガス製造施設を作るのは不可能に近いです。
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オウム真理教はサリンだけでなくVXガスも使用していた
日本中を震撼させたオウム真理教事件の裏側にはVXガスもありました。サリン事件が有名なので隠れてしまっていますが実はVXガスの方が多く使われたのです。ここでは、事件とVXガスの関係性を説明します。
数々の事件によって神経ガスが認知された
神経ガスはオウム真理教の一連の事件をはじめいろいろな事件で使用されてきましたがこれらの事件のいよって車に仕込んだり背後からかけたりとその卑劣な犯行方法と神経ガスの即効性と強力さを知らしめることになりました。
オウム真理教信者がVXガスを使用
滝本太郎弁護士を襲った事件ではサリンの次にVXガスが使用されました。また、オウム真理教から逃げてきた知人をかくまった駐車場経営者やオウム真理教被害者会の会長もVXガスで命を狙われました。
事件で一命を取り止めたケースもある
知人をかくまった駐車場経営者とオウム真理教被害者の会会長は共に一命を取り留めています。共に2か月2ほどの賢明な治療がありました。ただし、VXガスで襲われて一命を取り留めたのはごく少数です。
なぜ毒ガスを使用するのか?
誰かを襲う方法はたくさんあるのになぜ毒ガスが選ばれるのでしょうか?なぜ毒ガスは戦争や暗殺など様々な場面で使われるのでしょうか?今回は、3つの異なる視点からそのわけを紐解いていきます。
コストが低い
毒ガスの1つ目の長所は生産コストが低いことです。材料と製造設備さえ揃えば簡単に作れてしまうのが毒ガスの良いところであり恐ろしいところです。安く人を殺したり傷付けたりするには毒ガスはぴったりの道具でしょう。
大量生産が可能
毒ガスの2つ目の長所は大量生産が可能なところです。毒ガスは爆弾などとは違って単純に材料の量を増やすことで一度に大量に生産したり簡単に生産量を調節したりできます。そのため生産面では非常に効率がいいです。
暗殺に適している
毒ガスにはいろいろ種類がありますがどれも気体か液体なので爆弾や銃より持ち運び易いです。さらに目立ちませんしもちろん金属探知機にも反応しないので殺傷能力のある武器と認識されにくいです。そのため暗殺にはもってこいの道具といえます。
今後も毒ガスは使用されるのか?
これほどまでに恐ろしい毒ガスが規制されないわけがありません。そんな毒ガスは今後戦争や暗殺の場面で使われ続けていくのでしょうか?今後毒ガスがどの様に扱われれていくかについてみていきましょう。
禁止条約に署名していない国がある
1997年に化学兵器禁止条約という多国間条約が結ばれました。これは化学兵器の使用、開発、保存を禁止する条約ですがイスラエル、南スーダン、エジプト、北朝鮮は署名していません。これらの国では化学兵器を扱うことができてしまいます。
テロリストが一番危険
これらのまだ化学兵器禁止条約に署名していない国々より怖いのがISなどのテロリスト集団です。ISはもちろん国ではないので条約などに影響されません。さらにある程度の技術があれば毒ガスはいろいろな場面で使えてしまうのでこのような集団が目をつかないわけがありません。
科学技術の発展により扱いやすくなる
今でもある程度は扱いやすい毒ガスですが科学技術がより進歩すれば特定の人や地域だけを攻撃できるようになったり、完全に無害な状態で持ち運べるようになったりするでしょう。扱いやすくなればなるほど戦争や暗殺で使いやすくなるので毒ガスの開発は止めないといけません。
VXガスの症状!対策はあるのか?
VXガスは気づかないうちに使用されその即効性によってあっという間に手遅れになってしまいます。今回は、もしそんなVXガスで襲われたらどうなるのか、はたして治療はできるのかについてお話しします。
気づかない内に心肺停止に
VXガスはその強力さと即効性で有名です。VXガスが体内に吸収されると数分で突発的な痙攣や意識障害、嘔吐などの症状が現れ、誰かに襲われたと気付き治療を始める前に心肺停止に陥ってしまうことが多いです。
VXガスは残留時間が長い
VXガスは揮発性の小さい液体でエアロゾルを毒ガスと使用しますが水に溶けにくい性質で化学的に安定なため散布から1週間程度は残留します。そのため処理が難しいです。さらに吸着性もあり皮膚についても吸収されるため長きにわたって人を苦しめます。
VXガスの治療法はある
こんなVXガスですが治療法がないわけではありません。実際にオウム真理教の事件でもVXガスで襲われて懸命な治療によって一命を取り留めている人もいます。ただし迅速に治療する必要があるので困難を極めます。
防ぐことは難しいが知識として知っておくことは重要
VXガスは私たちの日常にはあまり縁のないものですがもし誰かに襲われた時のために知識として持っておくのはいいことです。知識があれば適切な対応を取ることができます。皆さんもこの記事のことを心の片隅に置いておいてください。