ブダイってどんな魚なの?
日本でブダイは限られた地域に生息しており、知らない方や食べたことがない人も多いかと思います。ブダイとはどんな魚でどこに生息しているのか、名前の由来などを詳しく紹介していきたいと思います。
日本では神奈川より西の太平洋や九州・沖縄に生息
比較的暖かい地域の浅瀬の海やサンゴ礁、藻場に生息しています。一般的な認知度はあまり高くなく、鮮やかな外見から観賞用としてと知られていますが、奄美大島、沖縄地域では食用として非常に良く知られている魚で、釣りや銛突きなどでよく獲れ、地元では好んで食べられています。
世界中の色々な所に生息している
世界の生息地域は太平洋、大西洋、インド洋など熱帯・亜熱帯地域に広く生息しています。「タイワンブダイ」のように名前に国の地域がついているものもあり、日本だけでなく世界でも食用として食べれらています。
ブダイの種類は100種類
ブダイは10属(ブダイ属、アオブダイ属、イロブダイ属、カンムリブダイ属、キツネブダイ属、ハゲブダイ属、ミゾレブダイ属、イロテンブダイ属など)約100種類存在します。日本には7属36種が存在しています。
ブダイの漢字の由来
感じの由来はいろいろな説があります。ひらひらと舞うように水中を泳ぐ姿から「舞鯛」、鱗が大きく非常に硬いことが武士の鎧に似ているため「武鯛」、鯛と比べて醜く不恰好なため「醜鯛」や「不鯛」と言われています。
ブダイの特徴
ブダイの種類は多く、種類によって形や色が違います。青色や赤っぽい色、黄色が混ざっている種類など様々です。また、食用で食べられるブダイですが、実は毒がある種類もあり注意が必要です。そんなブダイの特徴をまとめました。
成魚は平均30~40cm
成長すると30〜40cmほどの大きさとなり、重さは約1.5kgほどになります。大きくても60cmほどしか成長しませんが、他の種類のブダイは大きさ80cmなどまだまだ大きくなる種類もいます。
腹部は淡黄色で背部は褐色
体のお腹の部分は淡黄色、背中は褐色の魚です。ただし性別によって若干色が異なり、オスは体が少し青みがかっており、メスや幼魚は赤みがかっています。性転換してオスになった個体は体が緑がかるという特徴もあります。
性転換する
魚で性転換することは珍しくありません。子孫を多く残すためだと考えられています。ブダイの多くは成長していく過程でメスからオスに性転換しますが、稀にメスにならず直接オスになる個体もいます。
毒をもつブダイもいる
ブダイには毒を持っている可能性がある種類があります。それは「アオブダイ」と「ブダイ」になります。毒は「パリトキシン様毒」という名前で、症状は呼吸困難、歩行困難、最悪死に至ります。しかし、ブダイ自体は毒を持っておらず、食物連鎖の過程で蓄積した毒を持ってしまう個体があります。中毒にならない為に内臓は食べない方がいいです。
ブダイの生態
ブダイの食べる餌は時期によってかわり、主に甲殻類や海藻類を食べます。また、歯が非常に頑丈でサンゴをガリガリと食べる種類もいます。ここでは、ブダイはどういった生態なのかを詳しく紹介していきます。
夏場は甲殻類を食べる
夏の期間はカニやエビなどの甲殻類を主に食します。ブダイは喉にも歯があり、海底や岩に生息している甲殻類を硬く頑丈な歯でバリバリと砕いて食べてしまいます。頑丈な歯もブダイの特徴の一つです。
冬場は海藻類を食べる
夏場は甲殻類を主に食べますが、冬の期間は海藻類を食べます。アオサなどの海底や岩に生えている藻類をはみ取るようにして食べます。海藻を食べるので、釣りの餌として海藻やホウレンソウを湯がいたものも使われたりします。
歯は折れてもまた生える
頑丈な歯がもちろん口の中にあるが、喉にも硬く頑丈な歯があります。また、歯が折れたり欠けたりしても下から歯がせり上がってきて、新しい歯に生えかわります。硬い甲殻類などを噛んだ際に、歯が折れても大丈夫なようになっています。
浅い海の岩礁帯に生息している
深い海にはあまり生息せず、浅い海の岩場やサンゴ礁地帯によく生息しています。これは餌となる甲殻類や海藻類が、浅い海の岩場などに多く生息しているためです。昼行性で夜は岩場の隙間などで身を隠しています。
産卵期は夏
産卵期になるとメスが多く集まり、直径約0.6mm程の卵を産みます。水温25℃前後で卵は1日以内に孵化し、ブダイの赤ちゃんが生まれてきます。生まれてすぐのブダイは全長1.6mm程の大きさです。
1匹のオスを中心にハーレムを作る
1匹のオスを中心に数匹のメスでハーレムを作ります。オスが死んだりいなくなったりすると、1番体の大きいメスが性転換を行い、約3週間程かけてオスになります。そうすることで、ハーレムを維持し効率よく子孫を残していきます。
ブダイの釣り方
ブダイは雑食性で色々な餌で釣ることができます。一般的に夏場はカニなどの甲殻類(それ以外の餌でも釣れます)で冬は海藻類で釣ることが主流です。ここでは夏と冬のブダイの釣り方と仕掛けを紹介していきます。