自転車ツーリングってどんなもの?
自転車ツーリングって最近よく聞くけど、サイクリングとどう違うの?とお思いの方も多いのではないでしょうか。おおまかにいえば「ツーリング=旅が目的」「サイクリング=走ること自体が目的」です。ツーリングの「ツール」の元の意味は、ツアーなどと同じく“旅”のこと。日帰りでも、宿泊込みでも、自転車を使って旅することを楽しむなら「自転車ツーリング」と言えるでしょう。
ツーリング用の自転車には3種類ある
どんな旅をしたいか、目的によって自転車は大きく3種類に分けられます。たくさんの荷物を積んで日本や世界を一周したいのか、はたまた週末にちょっと出かけてリフレッシュしたいのか…。ここではそれぞれの目的に合わせた自転車の特徴をご紹介します!
ランドナー
日本ではもっともポピュラーでバリエーションが多いツーリング用自転車、ランドナー。フランス発祥で、比較的太めのタイヤを装備しており、舗装路から砂利道まで幅広いフィールドを快適に走行できます。日本の地形に多い峠道にも対応できる、幅広いギヤ比の変速機が搭載されているのも魅力です。直進安定性を重視し、さまざまな荷物を積んでのんびりと走行できるような設計で、ツーリング初心者も安心して乗れる自転車。
スポルティーフ
スピード感を求めるなら、ランドナーよりも速い走行に向いたスポルティーフ。700cホイールを採用した、ランドナーと同じくフランス発祥のツーリングバイクです。細めのタイヤを採用した車体は全体的に細身で軽く、比較的取り回しのしやすい自転車です。コンパクトさを重視した、荷物の少ない人向けの自転車といえるでしょう。
ヘビーツーリング
ヘビーツーリングバイクは、たとえば日本一周旅行や海外長期ツーリング、テント泊のキャンプツーリングにピッタリの自転車。前後に頑丈なキャリアを装備しているので、サイドに大きなバッグを取り付ければテントや食料、調理具など全て詰め込んで移動できます。荷物とライダー合わせて100kg以上の重さに耐えられるものもあり、マウンテンバイクのような太いタイヤも特徴的。少々の衝撃ではびくともしない頑強さもポイントです。
大きな荷物を積んで、長距離キャンプやお泊りツーリング!
日帰りくらいなら行けそうだけど、泊まるのははちょっと……なんていう方からよく聞くのが「そんなに何日も時間がとれない」「道具をたくさんそろえるのが面倒」という声。でも実は週末2~3日で、たくさんの道具がなくても泊まりがけのツーリングは十分に楽しめるんです!
スタートは自宅じゃなくてOK!
例えばスタート地点を自宅でなくするのもひとつの方法。自転車を輪行バッグにいれるなどして電車で運び、目的地の近くの駅からスタートする、なんていうのもアリ!これなら時間がなくても旅の範囲がぐんと広がりますね。
道具を借りる・宿をとるのもアリ
テントや寝袋を自分で用意するのが大変でも、例えば目的地に宿を取ってしまうのもひとつの方法。キャンプ場ならバンガローを借りたり、テントなどキャンプ道具一式を貸し出してくれるところもあります。日本一周などの長期間ツーリングなら、時々ホステルに泊まってみたりするのもおすすめですよ。
コンビニごはんやインスタントでもOK!
自然をダイレクトに感じながら過ごす時間が、キャンプツーリングの魅力。素敵な星空を眺めながら、あるいは風が木々を揺らす音を聞きながらご飯を食べるのは、キャンプならではの醍醐味です。外で料理するのももちろん楽しいのですが、苦手ならばコンビニで買ったパンやインスタントラーメンでも、自然の中で食べればひと味違って感じられる事間違いナシです。
景色を堪能!日帰りツーリング
重い荷物を積んで泊りがけでいくよりも、もっと手軽に楽しめる方法はないの?とお思いの方には、日帰りツーリングもおすすめですよ。普段は行かない、ちょっと離れた場所に自転車で出かけてみるだけで、いままで全然知らなかった新しい景色がひらけて見えるかも!
目的地をキャンプ場にしなくても
通勤や通学で、いつもは電車で通り過ぎている場所にあえて行ってみるというのも楽しいものです。
例えば車だと駐車場や道路の問題もあったりして、行きたいところに行けない事もありますね。でも自転車なら駐車場がないところや、徒歩で行くには遠いところでも、どこへだって走っていけます。
「偶然」の出会いも楽しめる
走りながらふと顔をあげた瞬間に、すばらしい景色に出会えることが多いのもツーリングの楽しさ。旅先で地元の人や動物たちとのふれあいを楽しんだり、情緒あふれる街並みを散策したりするのもいいですね。友達同士で道中のご当地グルメを巡る旅、なんていうのも企画することができますよ。
さあ、準備をしよう!
風を切って走る自分や散策を楽しむ自分。そんな光景が少しでもイメージできてきたなら、もう心の準備はOKです。あとは実際の準備をして出発するだけ!ここからは、おすすめのアイテムやキャンプ場などをご紹介します。
自転車ツーリングのおすすめ3選|ツーリングバイク
「自転車」ツーリングと言うくらいですから、何はともあれまずは自転車。予算や目的と相談しながら、疲れにくいサイズや気に入ったフォルムなど、自分にピッタリの相棒を選びましょう!
JAMIS|レネゲードエクスパット
どこでも走れる万能選手
街乗りから普段のサイクリングはもちろん、荷物を積んでの長距離ツーリングにも対応している全方位型の自転車。
舗装路もオフロードも、あらゆる路面を走ることができる36Cタイヤを標準装備しています。太めのタイヤは漕ぎ出しは重たいですが、反面、直進安定性や耐パンク性能にも優れており、乗り心地も抜群です。
スペック
- 【フレーム】クロムモリブデン鋼製
- 【タイヤサイズ】700×36c(51-61)、650x36C (44-48)
- 【変速】2×10speed
- 【重量】11kg
MIYATA SPORT |フリーダムロード
荷物の少ない旅にオススメのお手軽バイク
日本が誇るミヤタブランドのランドナーで、探せば5~6万円程度で購入できるお手軽な車体です。フレームは修理がしやすいクロモリ製で耐久性も十分に高く、満足度の高さは折り紙付き。世界一周など海外も含めた長期旅行には不向きですが、限られた予算で国内旅行を楽しみたい方にとっては非常に優れたモデルだと言えます。
スペック
- 【フレーム】クロムモリブデン鋼製
- 【タイヤサイズ】700×25c
- 【変速】16段変速
- 【重量】12.3kg
ARAYA|スワローランドナー
日本人に合わせて作られたツーリング自転車
アラヤはもともと日本で初めて自転車用リムを開発した会社で、現在に至るまで日本人のスタイルに合った自転車を多く開発しています。こちらのスワローも日東などの成熟した日本ブランドのパーツを数多く採用しており、ツーリング車としての機能と美しさとを兼ね備えたモデルです。どちらかといえば大量の荷物を積み込む長期間ツーリングよりも、週末の小旅行などにおすすめの車体です。
スペック
- 【フレーム】クロムモリブデン鋼製
- 【タイヤサイズ】700×36c(51-61)、650x36C (44-48)
- 【変速】2×10speed
- 【重量】11kg
自転車ツーリングのおすすめ3選|サイドバッグ/パニアバッグ
自転車ツーリングでたくさんの荷物を積む場合、普通のバッグで走行すると肩や腰に大きな負荷がかかってしまいます。そんな時は専用の「サイドバッグ」や「パニアバッグ」 を使用することで負担を軽減でき、さらに多くの荷物を運ぶことができます。
IBERA|パニアバッグ
少ない荷物を手軽に積める
容量が左右合わせて28Lと長期間のツーリングには向きませんが、ひとまず短期旅行に挑戦したいな、と考えている人におすすめのバッグです。防水仕様ではないため別にレインカバーを用意する必要がありますが、素材はそれなりにしっかりしているので、安価なバッグのなかではかなり優秀ですよ。トップにハンドキャリーストラップがついているので、持ち運びにも便利。
スペック
- 【サイズ】32x15x30cm
- 【容量】28L
ORTLIEB|バックローラー シティ
世界で愛される定番バッグ
自転車旅行といえばコレ!といっても過言ではない、最も定番のサイドバッグです。キャリアへの取り付けもワンタッチで、安定感も抜群。完全防水仕様で耐久性も高く、日本一周・世界一周などあらゆる旅行者が使用しています。日本人に限らず海外の旅人も多く使用しているバッグです。
スペック
- 【サイズ】H42×W23/32×D17cm
- 【容量】40L
- 【重量】1900g
WEEDS|リアサイドバッグ
デザイン性と機能性を両立した優れもの
全体的に完成度が高く、デザイン性も高いのが「WEEDS」のサイドバック。先に紹介したオルトリーブのバッグよりは高価ですが、デザイン重視の方ならこちらがおすすめですよ。
スペック
- 【サイズ】30×17×40㎝
- 【容量】20L(ペア40L)
- 【重量】1020g(ペア2040g)
サイドバッグ/パニアバッグを選ぶポイント
おすすめを紹介されたとはいえ、初めてだと何を基準にバッグを選んでいいのかわからない…という方もいると思います。そこで、自転車ツーリングで積んでいきたいサイドバッグ(パニアバッグ)選びのポイントをご紹介します。
距離(期間)と容量は比例する!
旅行の距離や期間によって持ち運ぶ荷物の量は違いますので、それに合わせてバッグも選びましょう。距離や期間が長くなればなるほど、替えの着替えや予備の部品など、荷物の量も増えていきます。旅行中に食料を調達したり、ちょっとしたお土産を買うなどして途中で荷物が増えることもありますので、多少余裕のあるものを選んだ方がよいでしょう。
長期間の旅行なら完全防水がおすすめ
防水ではないバッグで旅をして、急に雨に降られて中の着替えがグチャグチャ…なんてこともよくある失敗談。予算があるなら多少高くても完全防水のものをおすすめします。特に電子機器やカメラを持ち運ぶのなら、後悔しないためにも完全防水のバッグを選びましょう。
自転車ツーリングのおすすめ3選|テント
キャンプ泊をするならぜひともテントで!と言いたくなるほど、テントに泊まる体験は他にない魅力を持っています。自転車で持ち運ぶ都合もありますから、できるなら一人用の山岳用テントがおすすめ。温度や丈夫さの面からも信頼できるものを選びましょう。
ネイチャーハイク|ダブルウォールワンタッチテント
重さ1.5kg以下の軽量テント
女性でも取り回しのしやすい軽さに加えて、ポールの組み立て作業や分解作業が一切不要。ワンタッチでかんたんに設営が可能なので、キャンプ初心者でもすぐに組み立てられる手軽さが魅力です。フライシートをかぶせれば、そこそこ強い雨が降ってきても耐えられる防水性も特長です。
スペック
- 【収容可能人数】1人
- 【展開サイズ】2050x(950+600)x1000cm(LxWxH)
- 【収納サイズ】400x150x150cm
- 【重量】1300g(ペグ、ロープは含まれていません)
- 【耐水圧】PU4000mm(フライシート)
Bears Rock|ツーリングテント
横風にも強いフォルム
換気口つきで、テント内での息苦しさが軽減。入り口はメッシュとシートの2重構造なので、暑い時期も温度調整がしやすくなっています。前室もついていて、靴や荷物を外に置いておけます。こちらも簡単に組み立てられるよう設計されており、慣れれば5分程度で設営を完了できるようになります。
スペック
- 【収容可能人数】1~2人
- 【展開サイズ】210×140cm×120cm
- 【収納サイズ】45×20cm
- 【重量】2600g(ペグ、ロープは含まれていません)
- 【耐水圧】PU2000mm
mont-bell|ムーンライトテント 1型
手軽さの割に雨に強くて、頑丈さに定評
ポールの骨組みがほとんど勝手に立ち上がるタイプなので、その名の通り月明かりの中でも素早く設営できることが最大の魅力です。ただ広さはそれほどないので、眠るため専用といった感じ。頑丈さは多くの人に支持されており、昔から愛用者の多いテントです。
スペック
- 【収容可能人数】1人
- 【展開サイズ】220×106(100)×110(70)cm
- 【収納サイズ】40x15cm
- 【重量】2300g
- 【耐水圧】PU2000mm(フライシート)
テントは本当に様々な種類があって紹介しきれませんので、ぜひこちらの記事も見てみてくださいね。選ぶ際のポイントも紹介しています。
自転車ツーリングのおすすめ3選|寝袋
テントの次にかさばりがちなのが寝袋。収納したときにだいたい2Lペットボトルくらいの大きさを基準に選ぶといいと思います。冬に始めるのでなければ、オールシーズン用の高価な寝袋を用意する必要はありません。
どんな性能のものを選べばいいの?
冬にキャンプをしてみたい方を除いて、「とりあえずやってみたい」という方には春・夏・秋の3シーズン対応の寝袋がおすすめ。-5℃~5℃くらいの範囲の「最低使用温度」が提示されているものを選ぶといいでしょう。このくらいであれば、行く場所によっては寒さ対策のために重ねる服や荷物を省くこともできます。