そしてついに根負けしたジャイアンが「悪かった、俺の負けだ!」と言って逃げ出します。勇気をもって自分の力で立ち向かってくところが同じです。この原作の話と「行かなきゃ」の話の記憶が混ざってしまったのではないかと言われています。
ドラえもん「行かなきゃ」の別バージョン②
「行かなきゃ」にはさらに別のバージョンも存在します。最初のバージョンに少し似ているのですが全体ではだいぶ違っています。みんなに向かって話しかけるのではなく、登場人物同士の会話として「行かなきゃ」というセリフが入っています。
登場人物はドラえもんとのび太の2人
スケッチブックを持ったのび太が歩いています。そこは何も背景のない空間とか、いつもの空地への道とか、あるいは白い階段を上っているなど、人によって細かい部分が異なっています。そこに後ろからドラえもんが追いかけてきます。
ドラえもんがのび太へ問いかける
ドラえもんはのび太に話しかけます。「もう行ってしまうんだね」するとのび太は振り返り「うん、もう行かなきゃ」と答えてうなずきます。お互いすべてを理解し合っていて、もう余計な言葉はいらないという雰囲気です。
のび太が藤子・F・不二雄に変わる
ここで突然のび太が藤子F先生の姿に変わります。しかしドラえもんが驚く様子はありません。ドラえもんが「ありがとう」とお礼を言うと藤子F先生は「こちらこそ」と言います。二人は笑顔になり、ここで放送が終わります。
ドラえもんにまつわる都市伝説はまだあった!
ドラえもんには他にもいろいろな都市伝説が存在しています。誰もが知っていて余計な説明がいらず、興味も持ってもらえるので話が伝わりやすいのです。ドラえもんはまさにみんなの共通言語とも言えるのです。そんなドラえもんの数ある都市伝説の中からいくつか紹介しましょう。
エンディングでのび太が植物人間
のび太は交通事故で植物状態になり、長い間病院のベッドで寝たきりのままでいました。それまでのドラえもんの話は全て現実ののび太が病院のベッドで見ている夢だったというのです。最後はのび太が病室で息を引き取って終わります。
しかしさすがに切なすぎる最終回ということで、これに対しては藤子F先生が「ドラえもんはそんな終わりかたにしない。もっと楽しい終わりかたになる」とコメントして公式に否定されてしまいました。
細かく違うさまざまなパターン
この話はまだネットが普及する前の時代にチェーンメールとして広まっていったものです。他に、植物人間となってしまったのび太にドラえもんが自分の持っているエネルギーを全て与え、のび太は蘇生するが、その代償としてドラえもんが動かなくなってしまうパターンがあります。
また、楽しい夢から目覚めるたび、病院のベッドから動けない現実の自分に気づかされて落ち込むというパターンもあります。話はそれますが、これについて植物人間じゃないとツッコミたくなりますが、植物状態でも意識はあるという研究もあるようです。
ドラえもん「タレント」
のび太とドラえもんの二人が雨の中、傘をさして歩いています。のび太が地下世界の商店街に行きたいと言い出します。ドラえもんと二人でいつもの空き地に行くと、通り抜けフープを使って地下世界に入っていきます。
「行かなきゃ」以上に不可解な内容
地下世界に到着するとそこにはベレー帽をかぶった女の子が立っていました。女の子は二人に赤い封筒、インク、鉛筆を渡して立ち去っていきます。次に二人は警察官のような人たちに出会います。「君たちは撮影のためにきたのか?もしそうなら撮影場所はあちらだ」そう言うと彼らは二人を木琴のように板が並べられた通路に案内してくれます。
通路を進むとその先には大きな地球のミニチュア模型のようなものが置いてありました。その地球のミニチュア模型が突然ぱっくりと割れ、中から血のような真っ黒な液体が流れ出しました。二人はそれを見て驚き、抱き合って震えたまま放送が終わりました。
意味は不明、作画も崩壊
「タレント」というタイトルとは関係のなさそうな、それどころか意味の全く分からない不可解な内容です。この回の放送日は1984年7月20日と言われており、確かにその日はドラえもんの放送日です。ところが番組表には「タレント」とは書かれていませんでした。またこの回は何故か作画が崩壊していて不気味な雰囲気を放っていました。
実は大人なのび太
ある日家出を決意したのび太がドラえもんの四次元ポケットからいくつか道具を持ち出してある無人島に到着しました。最初は楽しんでいたのび太ですが、すぐにつらくなって帰ることにします。ところが間違ってタケコプターだけ飛んで行ってしましました。
無人島で10年
帰れなくなってしまったのび太ですが、そのうちドラえもんが助けに来てくれると信じて待ち続けます。ところがそれから10年が経過してしまいます。ある日、持ってきたけど使い方のわからなかった道具を懐かしんでいじっていると、たまたまそれがSOS発信機でドラえもんが助けに来てくれます。
タイムマシンに乗って10年前に戻り、タイムふろしきで子供の姿を取り戻したのび太は元の家に戻ることができました。一見無事に元通りでした、よかったねという話のように見えますが、ここで気になることがあります。
元通りじゃない大人ののび太
タイムふろしきは見た目は戻っても記憶は維持します。つまりのび太は10年分の記憶と経験を持っている大人なのです。そしてもう一つ、戻った時代の無人島にはのび太がいるので同じ世界に二人ののび太が存在したままなのです。当然この時代のドラえもんはのび太を探しに行ってはくれません。
のび太がドラえもん開発者
ある日突然ドラえもんが停止してしまいます。のび太がドラミに聞いてみるとバッテリーが切れたからだと言います。新しいバッテリーに交換してくれとお願いしますが、実は本来耳にあるはずの記憶のバックアップメモリーがドラえもんにはないため、バッテリーを交換すると今までの記憶を全て失ってしまうと言います。
のび太の決意
ドラミに聞いても一向に解決策が見つかりません。ここでのび太は一念発起し、この時から人が変わったように猛勉強を始めます。高校生になる頃には出木杉でさえかなわないほどの秀才になっていました。
やがて数十年の時が経ち、のび太はロボット工学の第一人者と言われるまでになっていました。ある日のび太は妻のしずかと二人でドラえもんにバッテリーと新しい耳を取り付け、ついに再起動させます。
取り戻したかけがえのない存在
目を覚まし、起き上がったドラえもんはのび太を見ると「のび太君、宿題は終わったかい?」と言いました。子供のころのなつかしい風が吹いたような気がしました。のび太の知っているドラえもんがようやく戻ってきました。
とてもいい作品だが現実はせつない
割と有名なこの話、実はある一人のファンが個人で創作したものです。こちらもチェーンメールで広がりました。また、その作者とは別の人が同人誌で漫画にしたのですが売れすぎてしまったため、見逃せなくなった小学館に著作権侵害で訴えられるというまことに切ないオチが付いています。
しかしながらこの話は多くのファンの心をつかんでしまい、創作であるとわかっていてもこれがドラえもんの本当の最終回だという人もいます。繰り返しますがこれは創作ですから藤子F先生の考えた本当の最終回ではありません。ご注意ください。
さまざまな都市伝説に興味のある人はこちらの記事もどうぞご覧ください。
ドラえもん「行かなきゃ」の真相は闇の中
謎の回「行かなきゃ」、いかがでしたでしょうか。証拠の動画がないとはいえ、大勢の人が異口同音に同じものを見たと言っているのでなかなか否定もできません。これは藤子F先生が最後に残してくれた少し不思議なお話です。真相は天国にいる藤子F先生の心の中にあるのです。