「おっぱいぷるんぷるん」はおもしろい空耳!
題名が「おっぱいぷるんぷるん」と聞いてみなさんは何を連想しますか。残念ながら「おっぱいぷるんぷるん」と揺れている動画や画像の紹介ではありません。
今回紹介するのは空耳です。しかもシリアスな映画のワンシーンからです。これがウケました。しかも「おっぱいぷるんぷるん」は日本だけでなく、海外でも大ウケしたのです。
「おっぱいぷるんぷるん」の元ネタは?
突然怖い独裁者がいきなり「おっぱいぷるんぷるん」と問いかけてきたらどうしますか。なんか笑ってはいけないところで必死に笑いを堪えなければいけない、こんな八方塞がり感が元ネタになっているのです。
元ネタは映画のドイツ語のセリフ!
この八方塞がり感を体験できるのが、2004年(日本では2005年)に公開された「ヒトラー~最後の12日間」です。ヒトラーが主人公の映画なので、劇中のセリフはほぼドイツ語で喋っています。
シリアスな場面の「おっぱいぷるんぷるん」で話題に
怖い、怖わぁ~いヒトラーが怒り狂いながら、ドイツ語とはいえ突然「おっぱいぷるんぷるん」と絶叫されたら、私ならその状況とのギャップに耐え切れず大笑いしてしまい、総統閣下に対してかなりの無礼を働いてしまいそうです。
「おっぱいぷるんぷるん」の本当の意味
ヒトラーは激昂し、我を忘れて頭の中が「おっぱいぷるんぷるん」に支配されてしまい、思わず「おっぱいぷるんぷるん」と心の叫びを声にしたのではもちろんありません。
実際はドイツ語で「und betrogen worden!(ウント・ベトローゲン・ヴォルデン!)」これを日本語に要約すると、「そして騙されてきただけなんだ!」と言っています。ヒトラーといえどもあの状況で本当に「おっぱいぷるんぷるん」とは言えないですよね。
因みにカタカナの「ト・ベト」の部分が「おっぱい」、「ローゲン・ヴォルデン」の部分が「ぷるんぷるん」と聞き取れます。カタカナ読みでは「おっぱいぷるんぷるん」とは聞こえませんが、これがドイツ語で発音すると私たち日本人からは「おっぱいぷるんぷるん」のように聞こえるのです。
「おっぱいぷるんぷるん」流行の背景
一昔前なら「おっぱいぷるんぷるん」は地味なドイツ語の映画の空耳にすぎず、そもそも空耳自体もメジャーなものではありませんでした。しかし、動画投稿サイトの登場が注目されるきっかけを作ったのです。
動画投稿サイトにこの映画の空耳が多数投稿され、まとめたものが「総統閣下シリーズ」と呼ばれ、人気シリーズになりました。「おっぱいぷるんぷるん」は特に人気の高い空耳として広まっていったのです。
嘘字幕の「総統閣下シリーズ」が人気になり広まった
「総統閣下シリーズ」は映画の内容とは全く関係のない字幕、いわゆる嘘字幕に空耳も添えた作品集になります。投稿数もかなりあり「おっぱいぷるんぷるん」といえども、その中の1つにすぎません。投稿者の動画作成・構成能力には本当に感心させられます。
「総統閣下シリーズ」に興味のある方は、YouTubeよりニコニコ動画の方が投稿数が多いので、ニコニコ動画から観ていくのがおすすめです。
「総統閣下シリーズ」は海外でも人気に
日本と違い、海外はナチスへの厳しい意見が多く「おっぱいぷるんぷるん」のような動画は、投稿と削除が繰り返されており、単純に歓迎されているのみとはいえません。
世界では、いまだに続く戦争や先の大戦における負の遺産、多種多様な価値観や感情などが根付いています。誰もが偏見なく「おっぱいぷるんぷるん」のような動画を閲覧できる日が来るのを、心から願っています。
「おっぱいぷるんぷるん」は原作者にもウケている
監督を手掛けたオリバー・ヒルシュビーゲルは、「おっぱいぷるんぷるん」については触れていませんが「投稿されるパロディ動画見て大笑いしている」と好意的なコメントしています。
動画投稿者にまで気を配って頂ける懐の広い考え方を持った方ですね。だからこそ素敵な作品を作ることができるのだと思います。
現在はイラストを解説するための言葉として浸透
「おっぱいぷるんぷるん」はもはや空耳の枠を飛び越えて、おっぱいそのものを表すワードにまで進化しています。
いつか「おっぱいぷるんぷるん」が国語辞典や用語集にちゃんとした意味で掲載される日が来るのかもしれません。
「おっぱいぷるんぷるん」の元ネタとなった映画の内容は?
映画「ヒトラー~最後の12日間」は、第二次世界大戦を描き、評価も非常に高い作品です。戦争とは何か、そのためにどう生きるか、ヒトラーを中心とした登場人物がそれぞれの選択をしていく姿に、共感や疑問を提示続ける作品です。
戦時中が舞台ですが、どこか世紀末な感じも漂い「おっぱいぷるんぷるん」な空気は一切なく、ひたすら陰鬱な「総統閣下」の姿を拝見することができます。
「ヒトラー~最期の12日間~」は戦争映画
戦争は非日常であり、人間に非道徳的な行動を促します。といっても「おっぱいぷるんぷるん」な行動ではありません。
殺人、暴行などといった非人道的なものと向かい合いながら生きる姿を映画「ヒトラー~最後の12日間」は克明に描写しています。
「ヒトラー~最期の12日間~」の原作とあらすじ
原作はヨアヒム・フェストによる研究書と、ヒトラーの個人秘書官だったトラウドゥル・ユンゲの証言と回想録が下地になり、あらすじはユンゲからの視点を中心に、登場人物による心理描写や、市街戦などの戦争描写をまじえながら、戦争に巻き込まれる人々の運命を描いた作品です。
あるものは生き残り、あるものは死を選ぶ、非常時における現実を容赦なく突き付けてくる映画です。「おっぱいぷるんぷるん」は登場人物たちに安らぎも与えてあげたい気持ちから生まれた作品かもしれません。
映画には若干史実と異なる部分もある
映画は1つの作品であり、作品である以上人々に何かを伝える必要があります。リアリティを求めるのも大事ですが、作品が伝えたいことを考える方が、結果として作品そのものにいろいろな解釈が生まれます。
そして作品に解釈がなされたからこそ、真逆の存在となる「おっぱいぷるんぷるん」が生まれてきたともいえます。史実にばかりにこだわってしまうと、歴史書はたくさん刊行されても、それが「おっぱいぷるんぷるん」を世に出す土台には成り得なのではないでしょうか。
「おっぱいぷるんぷるん」以外の空耳を10個紹介!
映画「ヒトラー~最後の12日間」には、ドイツ語の空耳がいっぱいあり「おっぱいぷるんぷるん」はその1つにすぎません。ここからは「総統閣下シリーズ」の他の空耳も観ていくことにしましょう。
人気空耳①カルピス
次の「アンポンタン」の直前にヒトラーが呟いている空耳です。2つを繋げると「カルピス、アンポンタン」と呟いてるのがわかります。意味は「クレープス」という軍人の名前になります。
人気空耳②アンポンタン
「アンポンタン」は「おっぱいぷるんぷるん」と並び、シリーズの中でも特に人気が高い空耳の1つです。人気の理由は、空耳の域を超え、完璧に「アンポンタン」と聞こえていることです。
意味は、「ブルクドルフ」という軍人の名前です。通して聞いてみると「カイテル、ヨードル、クレープス(カルピス)、アンポンタン」と聞こえます。
人気空耳③鯛が食べたい!
次の「ボルシチ」と連続して聞こえてくる空耳です。意味は「シュタイナーに攻撃しろ!」とヒトラーが絶叫しているセリフです。
人気空耳④ボルシチ
「鯛が食べたい!」の後に来る空耳です。意味は「私の~」というセリフで、通して聞くと「鯛が食べたい!、ボルシチ」となります。
人気空耳⑤GAY♂だ!
比較的影の薄い空耳になります。知名度は低いですが、ヒトラーが突然「GAYだ!」と絶叫し、けっこうびっくりします。「皆、嘘をつく」という意味になります。
人気空耳⑥大嫌いだ!
これが「総統閣下シリーズ」だ!といえる大人気空耳です。「おっぱいぷるんぷるん」もそうであったように「総統閣下シリーズ」以外のいろいろな動画作品にも使われています。意味は「下劣な臆病者だ!」と怒り狂っているヒトラーのセリフが「大嫌いだ!」と空耳で聞こえます。
人気空耳⑦畜生めぇ!
先程から怒り狂い続けるヒトラーですが、ここで一度激昂ののピークを迎えます。その時に発せられた空耳が、この「畜生めぇ!」です。意味は「恥さらしだ!」になります。