世界の奇虫!ウデムシとは!?
虫が苦手な人でも、そうでない人でも思わず「気持ち悪い!」と言ってしまいそうなグロテスクな見た目をしたウデムシ。ぱっと見は蜘蛛やサソリに似ているように見えます。まずは理解を深めるためにもウデムシの基本知識を簡単にご紹介していきます。
ウデムシの生息地帯
ウデムシはアジア、アフリカ、アメリカ大陸など、世界中に広く生息しています。主に熱帯、あるいは温帯地域にも分布しますが、日本には今のところいないようです。日本にも生息していたらゴキブリ並みに嫌われていたのか、蜘蛛のように少し怖がられる程度に扱われていたのかは気になるところです。夜行性で肉食とのこと。
サソリのような腕を持つウデムシ
その名の通り圧倒的な存在感を誇る長い肢が非常に特徴的です。体から伸びる肢はぱっと見全部で5本ずつが2対で10本ですが、よく見るとサソリを思わせるハサミ、細く長い触角、そしてカニのような肢というように形状が違い、それぞれ異なる役割を持つことが伺えます。
しかし見る側にとってはその肢が気持ち悪いというのもまた事実。そして固い甲羅のような体には模様が見える固体もいて、それもまた毒々しさがあります。種類によっては色が異なったり肢の長さも違ったりするようです。同じウデムシの仲間でも多種多様なんですね。
ウデムシは強面でまるでドクムシだが毒はない
ウデムシは蜘蛛やサソリにも似た毒々しくいかめしい見た目から、毒を持っているのでは?と思われそうですが、実は意外にも毒は持っていないようです。何であれば性格はおとなしく人間には全く無害とのこと。人と同じで見た目には寄りません
ウデムシの寿命は?
実はウデムシの寿命についてははっきりと分かっていないことが多いです。5~8年という話もあるようで、虫としては長寿な部類に入るかと思います。
ある記録では、15年以上生きたウデムシもいたそうです。いづれにせよ、ウデムシを飼育する場合にはある程度の覚悟を持って飼育する必要がありますね。
触角をダウジングロッドのように使うウデムシ
ウデムシが何を食べるのか、どのように獲物を探すのか、気になると思います。その際に役立つのが触角のような長い脚!ここではその役割についてご紹介していきたいと思います。動画もあるので苦手な方は閲覧注意です!
触覚で獲物を探す
触角のような見た目の通り、これは触肢と呼ばれ周囲の状況や獲物を探すための役割を持ちます。そのため極端に長いというわけです。かわりに視力は弱いので、触肢で周辺を探りながら横歩きで進みます。触肢がウデムシにとってとても大切な役割を持つことがわかります。
ウデムシの餌
ウデムシは肉食!他の虫はもちろん、ときには小型の動物の遺骸も食べるとのことです。耐性のある方はぜひ捕食シーンを動画でご覧になってみてください。見た目のせいですが、やはりさすがにグロテスクですね。飼育する際のえさについては後述したいと思います。
ウデムシの子育て
ここではウデムシの子育てについてご紹介していきましょう。卵を産むのか?産むとしてそれはどのような卵なのか?どう育っていくのか?こちらも動画があるので苦手な方は要注意の上ご覧ください!
ツブツブ卵の詰まった腹
個体差がありますがウデムシは一度にたくさんの卵を産みます。その卵はメスの腹の下に隠し孵化したあとも基本一緒に行動するようです。小さい蜘蛛のような子どもが体にたくさんしがみついているのがわかると思います。
映像はウデムシの子育てに関するものです。これはもはやウデムシだから気持ち悪いのか、うじゃうじゃした虫の映像はそもそもどれも気持ち悪いのかがわからなくなってくる映像だと思います。大丈夫という自信のある方のみご覧ください。
子供たちを背負って敵と戦う逞しいウデムシの母
ウデムシが気持ちが悪いということは百も承知ですが、これもまた厳しい自然界において生き残っていくための戦略だと思うと、子どもがある程度の大きさになるまでウデムシの母が背負ってひと塊になって行動するというのは理にかなっているように思います。子どもたちを守るために外敵と戦うの姿がとても強そうですね。
ウデムシの飼育方法
恐ろしいビジュアルのウデムシですが、実は虫マニアの間では結構な人気を誇ります。ウデムシを飼育したい、あるいは実際に飼育しているという方も少なくありません。ここではウデムシの飼育方法をご紹介したいと思います。
ウデムシの購入方法
日本ではめったに見ないため印象がありませんが、なんとウデムシは通販でも買えます。調べたところ3000~5000円くらいのものが多いようで、個体によって価格は変動しそうです。タンザニアバンデットウデムシという種は特に名前を見かけました。気になる方はぜひご確認ください。
ウデムシの飼育方法と餌
注意したいポイントはウデムシは樹上性であること。コルクバーグなどをいくつか配置できるように大きめで深い飼育ケースを準備します。ウデムシの体自体は意外と小さいですが、脚や触角が極端に長いため広々と空間を使わせてあげましょう。蓋はしっかりしてください。
前述したとおり肉食なので、すでに昆虫や爬虫類などを飼育されている方にはおなじみのコオロギなどが餌になります。水分は霧吹きなどで適宜あげてください。捕食のシーンもグロテスクですが、不思議と惹かれるものがある方も多いのではないでしょうか?
ウデムシは食べられるのか?
日本では敬遠されがちな昆虫食も、世界では地域によって結構ポピュラーなところもあります。ただ、それにしてもよりによってウデムシを食べようというのはかなりの覚悟と勇気がいることのように思えます。