フラニ族とは?凶暴な民族って本当?襲撃事件やその背景について解説

フラニ族とは、西アフリカの多くの国に存在する遊牧民族のこと。度々農民と衝突が発生し、多くは死者が多数出る暴力事件へと発展するため、問題になっています。この記事ではフラニ族とはどんな民族なのか、そして農民との対立内容やその理由について解説していきます。

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フラニ族とは?西アフリカに分布する遊牧民

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フラニ族とは、西アフリカの多くの国で暮らしている民族です。居住地域は、サハラ砂漠の南緑部に広がるサヘル地帯になります。

フラニ族と農民の対立が激しく問題になっている

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牧畜を営み生計を立てている人が多いフラニ族ですが、農耕民との間で土地や水を分配をめぐって暴動がたびたび起きています。多数の犠牲者が出る事態になることも多く、問題になっています。

主にナイジェリアで問題となっているフラニ族

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特にナイジェリアでは、深刻な宗教間のトラブルが絶えず、農民とフラニ族との間で紛争が激化しています。双方に多数の犠牲者が出る事態になることも少なくありません。

フラニ族はどんな暮らしを送っている?

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アフリカの広くあちらこちらでグループを作り、遊牧しながら暮らしているフラニ族ですが、彼らはどのような生活を送っているのでしょうか?

遊牧民族とは?

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遊牧民とは、土地を持たず、牛や馬などの家畜を飼いながら居住する場所を探しながらあちこち移動する民族のことです。私たちには、あてもなく移動しているように見える遊牧民ですが、実際は占有的牧草地を持っていて、その年の気候変動や家畜の状況に合わせながら移動しています。

また、家畜を保有する遊牧民にとって、ミルクや肉、毛皮を入手するのは簡単ですが、穀類や生活に必要な民芸品を手に入れるのは容易ではありません。そこで、彼らの近辺には、定住している農耕民の存在が必要不可欠になります。

一見、すべてが自給自足に見える遊牧民ですが、定住民と交易を持つことで自身の生活を成り立たせています。

その他の遊牧民についてはこちらをご覧ください。

フラニ族は世界最大の遊牧民族のひとつ

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フラニ族は、モーリタニア、マリから、中央アフリカ共和国までの西アフリカの多くの国や地域にまたがっている、世界最大の遊牧民族の一つです。主にサハラ砂漠の半乾燥地域である、サヘル地帯に住んでいます。

本来、砂漠は畜産に向いた土地ではないのですが、牛たちの食糧となる餌を求め、住む場所を変えながら生活しています。

牛を連れて長距離移動するフラニ族

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長距離を大きな牛の群れを引き連れて移動し、交易をしながら暮らしています。都市部に定住している人も増えてきていますが、現在でも遊牧生活を営む人は多いです。

牛を所有することは、健康と幸福の象徴とされておりとても大事に扱われています。
主に男性が世話をし、牛の頭数や知識、技術によってフラニ族の中での地位が決まります。

フラニ族の人口のほとんどはイスラム教

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フラニ族は全体で3800万人から4000万人もの人が存在すると言われています。そしてその人口の80%は、唯一神「アラー」を信仰し、世界三大宗教の一つであるイスラム教に帰依しています。
残りは、部族固有である伝統宗教を信仰しています。

フラニ族の女性

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フラニ族の女性の主な仕事は、牛の乳搾りをし、それによってチーズやバターを作ります。また、日々の食事の支度や、毛布・服なども手作りします。

フラニ族では、大きなおでこを持つ女性が美しいとされ、また乳児のころから、額や頬、鼻に細かい傷跡をつけ成長していきます。顔に傷をつけることで装飾を施しているのです。加えて、身に着ける宝石によって年齢や生活状況を判断します。

フラニ族の耳飾り

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耳飾りが大きければ大きいほど、お金持ちの象徴とされます。夫が妻へピアスを作り、母から娘へ受け継がれる耳飾りは、経年変化によって、徐々にあめ色へ変化していき、時代を超えて大事にされていくのです。

おまじないの石

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特殊な文様が描かれた石で女性の腹痛を和らげるために、火で適度に温め頬やお腹に当てて使います。母から娘へまたその娘へ、秘密裏に受け継がれていくもので、市場に出回ることは極めてまれです。

結婚すると自身で入れるヘナタトゥー

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フラニ族の女性は結婚すると、唇の周りと歯茎にヘナタトゥーを入れ黒く染める習慣があります。10本のニードルを使い、自身で刺していれるため、刺した後は唇がパンパンに膨れ上がり痛みを伴います。しかも、このタトゥーは5~6年ほどで消えてしまうため、そのたびに唇と歯茎に入れるのです。

フラニ族の成人儀礼

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アフリカの民族の成人儀式はバンジージャンプであったり、狩りであったりとさまざまなものがあります。
フラニ族の成人儀式は、家族やガールフレンドを故郷へ残し、一人で牛を連れて旅をすることです。

牛と共に一人で旅をする

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牛に食べ物を与えるため、乾期の終わりになるとフラニ族の少年はサハラ砂漠をたった一人で旅します。サヘルは植物や木が大変少ない地域です。サハラ砂漠の縁に沿って旅をしながら、温暖な気候を好む牛たちのために牛飼いたちはより良い放牧地を見つけるために移動しなければならないのです。若い牛飼いたちは年間最大8か月をこうして旅をします。

旅の途中

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牛たちの健康管理はもちろんですが、旅の途中には反乱軍や牛泥棒に襲われたり、牛にとって重病を引き起こす蚊に刺されたりと、常に危険と隣り合わせなのです。

フラニの少年が帰るとき

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新しい牧草地を探し求め、牛たちをきちんと育て群れを連れて帰ると、フラニ族では成人男性と認めてもらうことができます。フラニ族では、両親が子どもの結婚相手を選びます。男性の場合、牛の群れを正しく管理する能力があることが彼らの地位を決めることになります。こうして結婚できることを相手の両親にアピールすることができるのです。

フラニ族が起こした襲撃事件について

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フラニ族による襲撃事件は日常的に起きており、これから紹介するのはそのごく一部にすぎません。2018年には、一年で6000人を超える人々が虐殺されました。

その他の虐殺に関する情報はこちらをご覧ください。

フラニ族による襲撃事件①報復のため200人以上を虐殺

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2010年3月に、ナイジェリアの中部に位置するプラトー州で、武装したフラニ族が銃、なた、ナイフで
キリスト教徒の村が襲われ、200人余りが犠牲となりました。殺害された人々には、多くの女性や子どもが含まれていました。この年の1月には、近隣地域でイスラム教徒への襲撃があり、その報復と考えられています。

フラニ族による襲撃事件②ナタを振り回し農家を襲う

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