フラニ族とは?凶暴な民族って本当?襲撃事件やその背景について解説

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2018年1月、ナイジェリアの中部ベヌエ州では、キリスト教徒の農民とイスラム教徒のフラニ族と思われる遊牧民が衝突し72人が死亡しました。フラニ族はなたを振りかざし、農民を襲撃しました。

州の一部の地域での放牧を禁止する、新しい放牧規制法の施行がこの騒動のきっかけでした。しかしこの新法は遊牧民への相談なしに施行されたもので、「同法を撤回しなければ、牛たちにどんなものでも食べさせる」と主張しました。

フラニ族による襲撃事件③葬式帰りの農民たちを攻撃

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2018年6月末、フラニ族と農民が衝突し、200人余りが死亡しました。その多くがキリスト教徒で、中には遺体埋葬の帰途にあったキリスト教徒の農民が含まれていました。

フラニ族とキリスト教徒の農民の間には土地をめぐる諍いがたびたび発生しており、この時点での死者は6000人を超えました。犠牲者の多くは子どもや女性、老人でした。

フラニ族による襲撃事件④クリスチャンの少年達を殺害

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2018年9月、ナイジェリアで乳牛の群れを世話していた、キリスト教徒の9歳と10歳の少年らがフラニ族に襲撃され、殺害される事件が起きました。この少年らのほかにもう一人子どもがいましたが、助けを求めにこの襲撃を知らせに行ったため、無事でした。犠牲になった少年らは銃やなたで切り付けられていました。いまだに犯人は捕まっていません。

フラニ族による襲撃事件⑤村を急襲し20人以上を虐殺

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2017年10月、ナイジェリアの村がフラニ族によって奇襲され、20人以上が虐殺されました。
その中には女性、子どもが含まれていました。この年だけで、フラニ族による襲撃は30件を超え、フラニ族の武装勢力が勢力を増しており、近隣の村人たちは苦しめられています。

フラニ族が虐殺される事件も起こっている

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キリスト教徒の農民に対し、虐殺行為を続けているフラニ族ですが、逆にフラニ族が虐殺される事件も起きており、両者の問題は根深いです。

農民たちがフラニ族を襲撃する事件が発生

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2017年11月、ナイジェリアの北東部アダマワ州で、キリスト教徒の農民がイスラム教徒のフラニ族を襲撃し、少なくとも30人が虐殺される事件が起きました。

逃げ惑う人々も追いかけて殺害!犠牲者は60人超えの可能性も

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農民により、フラニ族の集落4か所が襲撃され、住民らを切り付け火を放ちました。襲撃者の一部は森の中に逃げる人々を執拗に追いかけて殺害し、60人を超える女性や子どもが犠牲になりました。

狩猟民族・ドゴン人による襲撃により100人以上が虐殺される

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2019年3月には、マリ中部のモプティ州で、狩猟民族のドゴン人がをフラニ族を襲撃し、
女性や子どもを含む130人を超える人々が虐殺されました。この地域では、ドゴン人の土地での遊牧や水の利用をめぐる争いが続いていて、イスラム過激派に属するフラニ族によるテロも発生しています。

フラニ族と農民はなぜ対立するのか?

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キリスト教徒が多い農耕民とイスラム教徒が多いフラニ族による、宗教間の違いから衝突しているように見えます。なぜ両者は、ここまで対立しているのでしょうか?

宗教や民族による対立ではない

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フラニ族の宗教はイスラム系が多く、農民はキリスト教が多いといわれていますが、紛争の原因は宗教や民族の対立ではありません。お互いの生活スタイルの違いからきています。

フラニ族が牛を放牧するスペースがない

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フラニ族は土地を所持しない遊牧民であり、家畜業で生計を立てています。そのため牛と共に移動し、豊富なエサとなる草や水を求め、移動する必要があります。

フラニ族は農民の所有する土地に入り対立する

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そこで農民の所有する土地へ侵入し、牛にエサを食べさせたり農作物を荒らしたりしてしまうことで、農民との対立が起きてしまうのです。

フラニ族の人口増加が対立の一端である

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フラニ族の人口が増えていること、また土地開発によって物理的に土地不足となっていることも原因だとされています。

フラニ族にイスラム過激派が合流している?

その他にも、宗教間のトラブルをめぐり治安のかく乱の狙うテロ組織や、イスラム教徒の過激派がフラニ族に合流し武装化を進めており、土地をめぐる抗争だけでは済まなくなってきています。

政府がフラニ族の問題を解決しない理由

このように多数の民族との間での問題を起こしているフラニ族ですが、なぜナイジェリア政府はこの問題を解決しようとしないのでしょうか?

ナイジェリアの大統領がフラニ族の出身である

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ナイジェリアの大統領であるムハンマド・ブハリ大統領は、フラニ族出身のイスラム教徒です。

大統領は治安は良くなっていると主張している

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これまで、ブハリ大統領はフラニ族による襲撃事件を放置してきたと批判されていますが、「現政権が治安の分野で顕著な成功を収めている」と主張しています。

フラニ族による紛争は今後も続く見通し

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そのため解決の糸口は見えず、実際は虐殺は繰り返されているため、今後も紛争は続いていくものと見られています。

フラニ族は凶暴で好戦的なの?

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ここまでで、フラニ族が乱暴だというイメージを持つ人は少なくはないでしょう。では実際はどんな民族なのでしょうか?

話し掛けると気さくな面も持っているフラニ族

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好戦的かと思えば、彼らは話しかけると案外気さくな面を持っています。ある取材者はフラニ族の女性に写真撮影をお願いすると、好奇心旺盛な彼女らはあっという間に集まってきて取材者を逆に取り囲み、交換条件として身体を触らせてほしいと言ってきたそうです。

フラニ族は別の武装集団が紛れている場合も

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ナイジェリアのキリスト教徒に対する襲撃は、フラニ族ばかりではありません。フラニ族を隠れ蓑にし、武装集団「ボコ・ハラム」がキリスト教徒を標的にしていることもあります。また、社会情勢の混乱を招くテロ組織も関与しているとも言われています。このように宗教間の紛争にフラニ族は巻き込まれていることも考えられます。

自分達の土地を守る方法が他にないだけ

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フラニ族は土地を所有せず、牛を放牧させることで生活を成り立たせている民族です。干ばつなどの影響や人口増加などで徐々に住む場所を追われています。

フラニ族が凶暴で好んで紛争を起こしているというよりは、政府の対策が不十分であることから、土地を追われ生活に困窮した結果、このような対策を取らざるを得ないのです。

フラニ族による襲撃がなくなる日は来るのか

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それぞれの土地で農作物を育てる農民と、土地を所有せず牛を放牧させながら暮らすフラニ族の紛争は、
宗教間の衝突ではなく、お互いが自身の生活を守るために起きているのです。フラニ族が攻撃的な民族だと決めつけ、悪者にするのではなく、彼らの生活を保障する打開策を一刻も早く政府が打つことが必要なのです。

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