クスサンの繭をどう使う?
クスサンの繭は繊維がきわめて丈夫で、手では簡単に壊せないくらいの強度があることは既に紹介しました。そしてこの強度を利用し、昔から釣り糸として使用されるテグスの原料とされていたそうです。
酢に食塩と水を混ぜた溶液を作って、そこに幼虫の体の切断片を入れてみると、そこから糸が出てきます。引き延ばして乾燥させるとナイロンのような釣り糸になります。こうして釣り糸を作っていたようです。
クスサンは食べられるの?
世界では蛾のサナギを食用とするのは常識です。その一つに日本のカイコも入りますが、野蚕とも言われるクスサンも同類で食用になると思われます。サクサンと呼ばれる種類では、日本でも食用として購入することができますし、居酒屋でつまみとして出しているところもあるらしいです。
クスサンも何の葉を食べているかで味も変わるらしいです。又、蛹の皮が固いので、煮たり揚げたり調理法に工夫がいるのが難点です。関連プログ記事も出回っているようですので、関心ある方はお試しください。
その他にも意外な利用法が
クスサンの繭を指サックにしてバンドエイド代わりの使い方をする手もあるようです。ちょうど指の太さくらいであり、丈夫で通気性があり、且つ柔軟性もあるのだから、この使い方は頷けます。
幼虫も成虫も特徴的な蛾のクスサン!
クスサンは成長のどの段階にあっても、それと分かる特徴を持っています。幼虫時代には、真っ白な毛を生やし、モフモフした感じになるのが特徴ですし、作る繭も薄いベ-ジュ色の網目細工の様に個性的で目立ちます。
成虫はその体の大きさに加え、後翅にある大きい目玉模様が人目を引きます。クスサンは時に威嚇のため、この目立つ後翅の眼状紋を見せるような行動をします。このようにクスサンは、幼虫から成虫に至る各段階で見つけやすく、又可愛さも持ち合わせる昆虫ですので、あなたも一つ注意して探してみてはいかがですか?
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