このちょっとした発想の転換は、心のエネルギーを取り戻して、その後の生き方をより積極的に変えてくれることに役に立つはずです。
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空の巣症候群になってしまった時の対策・乗り越え方
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「覚悟はしていたけれど、やっぱり落ち込むわー、空の巣症候群だ…」というときの対策をいくつか並べてみました。自分にできそうなものがあったら、是非ともチャレンジして下さい。
やりたいことは何もない、考えるのも辛いと感じる人は、まず好きなだけ休みましょう。心の充電が完了したら、何かが見つかるはずです。
没頭できるような趣味を探す
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まず、何か楽しみながらできることを見つけてそれに没頭してみましょう。昔楽しんでいた趣味、あるいはずっと昔からやってみたかった習い事にトライするのもよいでしょう。
例えば今まで子供が喜ぶからと作っていたお菓子を、自分の楽しみや新しい友人を作るために再スタートするのです。お菓子作りでもはなくて手芸でもお花でも構いません。
体を動かしてみる
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「家でじっとするなんて…」と感じる人は、何かの運動を始めるのも良いアイデアです。スポーツジムに通ったり、ジョッギングやウォーキングにトライしてみたり、プールで泳いでみたりです。
「そんなに本格的なことは、いくらなんでも」と思っている人は、朝のラジオ体操に参加するだけでも良い気分転換になります。
外に出て人と関わったり、仕事を始めてみる
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これまで専業主婦だった人は、子供の世話に費やしていた時間を使って新しい仕事を始めるのも良いアイデアです。自分の世界を広げて新しい人生の展望を開く対策のひとつになります。
ごく普通の近所のパートだって、新しい技術を覚えたり人間関係を広げたりするために、大きな役に立ちます。
これまで家事しかやってこなかったから特別なスキルは何もない、という人は資格を取る勉強から始めましょう。家事のスキルそのものを仕事にする、という方法も考えられます。
夫(妻)に正直に話し二人で協力して治療する
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虚脱感が大き過ぎてとても辛いときは、精神科か心療内科のクリニックを訪れてしばらく治療に専念するのも、症状を長引かせないためのよい対策です。
ただし、医療の力を借りるときには、必ずパートナーに自分の心の状態を正直に話しましょう。二人で協力して病気に立ち向かうべきです。一人でこっそりと治療を受けるだけでは、完全に良くなることはありません。
治療の途中で夫婦の心が離れて離婚を考える、ということもあり得ます。しかし精神状態が不安定なときは、離婚のような重大な決定は下さない方が無難です。
孫を可愛がったりペットを飼ってみる
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子供が結婚して家庭を持ったとしたら、次にやって来るのは孫の誕生です。孫は無条件に可愛がることのできる存在で、子供とはまた違った可愛さがあります。
子供夫婦が孫を連れてやって来たら、思いっきり遊んであげるのも、良いことです。孫の面倒を見ることを子供夫婦が頼んだら、積極的に新しい役割を引き受けてみましょう。
ペットを飼うのもおすすめの対策です。自分を必要とする無邪気な生き物が身近に存在するだけで、空の巣症候群は吹っ飛んで、心が和みます。ペットを通じて人間関係の輪も広がります。
ペットロス対策は?
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ペットを亡くして空の巣症候群を起こす人もいます。ペットロスと呼ばれる状態です。ペットロスの対策は、できるだけ早く新しいペットを家に迎え入れることです。
世界一有名な獣医「ヘリオット先生」でおなじみのジェームス・ワイト氏も、ペットロスを防ぐため、ペットを亡くしたら、辛くてもすぐに後釜を飼うように勧めています。
空の巣症候群で起こる不安からやってはいけない事
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空の巣症候群に陥って辛かったら、遠慮せずに回りに助けを求めて下さい。ただし既に独立したあなたの子供だけは別扱いです。
子供は、長い時間をかけて成長し、やっと一人前になったところです。
その子供に色々な方法で干渉し、自分の手元に戻るように仕向けるような行為は、どんなに寂しくても、止めましょう。
いちいち子どもに口出ししない
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子供が独立した後も、親としては気になることが多いし、必要になれば助けたいと思うものです。しかし子供の世界に必要以上に干渉することは慎みましょう。逆効果になることも多いです。
ある親は、離れて暮らしている子供に毎朝モーニングコールをしていたそうです。これこそ子供にとっては「大きなお世話」以外の何物でもありません。
この場合、親がモーニングコールを止めたことで、子供の遅刻は大幅に減少したそうです。親は「心配のあまり」と言いたいでしょうが、実は自分の寂しさから毎日電話していたに過ぎません。
心配かけさせるような事を言わない
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空の巣症候群は辛いです。愚痴をこぼす相手が必要です。だからといって、相手に子供を選んでは絶対に駄目です。
子供に心配をかけるのは、子供を親が間接的な形で支配しているのと同じです。
間接支配が続くと、子供は自立できません。極端な場合、50代になっても80代の親に依存して生活する8050問題の当事者になります。
空の巣症候群はミドルエイジクライシスのひとつ?
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ミドルエイジクライシス(中年の危機)という言葉があります。これは40代から50代前半までの中年期に訪れる、心理的な危機のことです。
ミドルエイジクライシスは、自分はもう若くないことや、自分の人生や将来には限界があることを自覚すること、そして離婚や少しずつ訪れ始める身近な人との死別などの別れの体験に、関係しています。
男姓と女姓の「中年の危機」の違い
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男性の場合、ミドルエイジクライシスは自分の体力的な衰えを自覚したときに始まります。そして仕事上の問題がきっかけに起こるバーンアウトシンドロームがこれに拍車をかけます。
バーンアウトシンドローム(燃えつき症候群)とは、人並み以上に熱心に仕事に取り組んでいたビジネスパーソンが、あるとき急に意欲を失って抑うつ状態に陥ることをいいます。
女性の場合は空の巣症候群に陥りやすい年代が、ミドルエイジクライシスに相当します。更年期にも当てはまります。そして空の巣症候群は、母親のバーンアウトシンドロームであると言われています。
バーンアウトを予防するには?
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バーンアウトを予防するためには、男女共、それまでの生き方を見直すことが最良の対策になります。
空の巣症候群もミドルエイジクライシスのひとつである以上、ただ単に虚脱感から逃げようとするだけではいけません。
それまでの生き方を振り返って反省するためのポジティブな機会ととらえるべきです。
持つべきものは話し相手
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空の巣症候群を解消するためには、自分の人生を本格的に見つめ直す、といってもそれほど難しくはありません。趣味に没頭する、人間関係を広げるといった中で、自然に「気付き」はやって来るのです。
その中で最も大切なのは、自分の悩みを打ち明ける相手です。話をしているうちに、自然にストレスが解消されたり、頭が整理されて「気付き」が訪れたりします。
相手を見つけてとにかく打ち明ける
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そういう意味で、ママ友などと違う、利害関係のない本当の友人がいる人は安心です。昔からの大親友がいる人は、相手との付き合いを大切にしてください。
相手がいない場合は、行きつけのヘアサロンの美容師さんやリラクゼーションサロンのスタッフでも大丈夫です。思い切って話してみましょう。
カウンセリングを受けることも
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少々お金がかかりますが、カウンセリングを受けてみるのも効果的な対策のひとつでしょう。
カウンセリングにも種々の技法があるし、どの技法を使うかはカウンセラーによっても、クライアントの状態によっても異なります。
中でも相手のいうことを否定せずに聴き続ける「傾聴」という方法は、いちばんポピュラーです。カウンセリングの最初の段階では傾聴という技法をつかって、クライアントの悩みを把握するのが普通です。
空の巣症候群を理解して克服しよう
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空の巣症候群には、子供を育てている親、特に母親なら誰でも陥る可能性があります。子供がいない場合も、介護からの解放やペットロスが引き金になり得ます。
空の巣症候群は、広い意味でいえばミッドエイジクライシスでの一環です。自分は絶対に空の巣症候群に陥らないと過信しないで、まだ壮年のうちから対策を準備しておくべきです。
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