シマアジの大きな特徴といえば、体に横向きに走っている黄色いラインで、このラインが綺麗でくっきりしているほど新鮮と言われており、この魚の名前の由来になっているほどです。大きいモノになると、体長約120cmほどにまで成長します。また、一般に知られているアジと比較してみると、丸みがあるのが特徴です。ちなみにシマアジという呼び名は場所によって様々で、たとえば東京で特に大きいものはオオカミ、高知ではコセ、和歌山ではソイと呼ばれています。更に、シマアジは「ギュウギュウ」という、魚らしからぬ鳴き声を発するという点も特徴的です。
Contents
シマアジの相場はどれくらい?
シマアジの実際の相場はどれくらいでしょうか。一般的には、養殖物であるとキロ2000~3000円、天然物になるとキロで1万円近くします。ちなみに上等なクロマグロの相場が約3800円(2015年5月)、高級魚のノドグロでもキロで1万円弱(2018年5月)の相場となっているので、シマアジがどれだけ高級な魚なのかが分かります。
シマアジはどんな味がする?養殖物との違いは?
やはり気になるのは、高級魚と呼ばれているだけの、その味です。シマアジは引きが強いことで有名な魚なので、その分身もしっかり締まっており、薄造りにしても、その歯ごたえを十分楽しむことができます。養殖物の方が脂が乗っていてコクがあり、天然物は程よい脂の乗り加減で、上品でサッパリした味わいとなっています。ちなみに天然物と養殖物の違いとして、天然のシマアジは常に餌を求めており、絶え間なく動いていることから、スッとした顔つきで、尾びれが長く、体も良く締まっています。養殖物は常に餌があるので、体は丸みを帯びており、顔つきも少し精悍さに欠けています。また全体的に青緑色で、肉質が琥珀色のものほど上質なものとされています。
刺身だけじゃない!シマアジの様々なレシピご紹介!
憧れのシマアジを釣り、釣りたてを捌いてお造りにして食べる・・・誰もが夢見る贅沢ですよね。新鮮なシマアジは刺身にするのがベストですが、せっかくの高級魚ですので、様々な料理を楽しみましょう。ここでは、いくつかレシピをご紹介します。
1.シマアジのカルパッチョ
- 薄造りにしたシマアジを皿に並べ、そこに塩と粗挽き黒胡椒を適量まぶし、なじませる
- エキストラバージンオリーブオイルを少し多めに回しかける。その後、レモン汁を少量振りかける。
- 刻んだアサツキを全体的に散らして完成。
2.シマアジの塩焼き
- シマアジの両面に塩をまぶし、時間を5~6分ほどおく
- シマアジから出てきた水分をしっかりと拭き取る
- 予熱で温めておいたグリルに先ほどのシマアジを乗せ、両面を7~8分ほど焼く
- 酒大さじ1、酢小さじ1/2を混ぜたものを振りかけ、強火で1分焼いて出来上がり
3.シマアジの兜焼き
- 頭を縦に割り、塩を全体的によくすり込む
- 胸ビレをアルミホイルで包み、焦げないようにする
- グリルでじっくりと焼く。厚みがあるので、強火にしてしまうと、表面だけが焦げてしまうので、弱火でじっくり焼いて完成。
(引用:まるかつ水産)
4.シマアジのフライ
- シマアジの切り身を用意します。切り身の表面の水分をよく拭き取り、塩コショウをします
- 1の切り身に「小麦粉→溶き卵→パン粉」の順で衣をつけます
- 180度の油で揚げていきます。衣がきつね色になったら網に上げ、油をよく切って完成です
5.シマアジの潮汁
- アラを適当な大きさに切り分け、ザルに入れておく。その間に、お湯を沸かしておきます。
- アラ全体にお湯をかけ、その後冷水で洗います。尚、熱湯をかけた後は、少し冷ましてから冷水で洗うようにしてください。
- 鍋にアラが被るくらいの水と昆布(または出汁の素)を入れて、弱火でじっくり炊きます。この間に長ネギを切っておきます。
- 沸騰してきたら、浮いてきたアクを丁寧に取り除き、少量の塩を加えます。
- 醤油で味を整えて、盛り付ける際に長ネギを添えて完成です。
(引用:フィッシュパラダイス)
6.シマアジのアラ煮
- レシピ5「シマアジの潮汁」の手順2まで同様に進めます。この時、頭も縦半分にカットして、同様に下処理してください。
- フライパンにシマアジのアラや頭を並べ、濃口醤油・酒・水を同量、他にみりんと砂糖を合わせた調味料(調味料はやや甘めの味付けで)でじっくり煮ていきます。全体の8割程度が浸かるくらいの量が目安です。
- 煮付ける際は、落し蓋としてキッチンペーパーを被せてください。アク取りの役目も兼ねています。
- 途中味を見て、必要であれば醤油を少し足し、味を整えていきます。
- 煮汁が1/3程度になったら、一旦火を止めて、味が染み込むまで冷ましておきます。その間に、長ネギをぶつ切りにし、少し表面に切れ目を入れて、軽く焼き目が付くまで焼いておきます
- 5の長ネギをアラ煮の入っているフライパンに入れ、再び加熱します。煮汁を回しかけながら少し煮立たて、完成です。
(引用:自宅居酒屋-勇士)
シマアジの生態について
これまでは、シマアジの釣り方や特徴、及びシマアジの調理法等について触れてきましたが、ここからはシマアジがどういった魚なのか、どういった習性があるのかといったシマアジの生態についてご紹介していきます。
シマアジの習性
シマアジは群れで海中を遊泳する魚です。食性は肉食性で、遊泳中に捕食することはもちろんのこと、口で海底の砂を掘り、甲殻類や小魚を吸い込んで食べています。ただ消化器官が短いので、一度に大量の餌は食べられず、少しずつ餌を食べる修正があります。
シマアジの生息域
ほぼ全世界の海域に生息しており、日本では日本海側では新潟県より南に、太平洋側では岩手県より南に主に生息しており、水深200mより浅い海域に生息しています。ただ、東部太平洋や赤道付近の海域には生息していません。
シマアジの産卵
シマアジの繁殖期は冬で、12月~3月に産卵します。メスが卵を産んだところに、オスが精子をかけて受精させる体外受精方式で、分離浮遊卵です。尚、孵化してから3~4年ほどで2~3kgにまで成長すると言われています。
市場で出回っているほとんどが養殖されたシマアジ
天然のシマアジがとても希少なことから、養殖業が盛んに行われるようになりました。平成27年度の養殖による漁獲量は年間3352tで、そのうちの約1/3に当たる1377tは愛媛県で捕れたものです。(次いで熊本、大分、長崎)。市場で出回っているほとんどのシマアジが、この養殖によるものです。ちなみに最近では、生育が不十分な成魚を捕獲し、蓄養する「半養殖」という手法も取られてきており、近年市場に出回っているシマアジの99%は、この半養殖のものか、養殖物で占められていると言われています。
シマアジは水族館でも人気者
シマアジは釣りや食材として根強い人気がありますが、その流線型の体や綺麗な黄色いラインが特徴の外見も人気があり、様々な水族館で展示されている魚でもあります。意外と泳いでいる姿を見たことがある人は少ないと思いますので、是非一度、シマアジ目当てに水族館に足を運んでみるのも面白いのではないでしょうか。
まとめ
日本の高級魚を代表する魚であるシマアジは、釣り人の憧れの的であり、その味も高級魚に恥じないものとなっています。回転寿司等のネタで見たことあるけど、どういう魚か知らなかった!という方に、少しでもシマアジのことを知っていただけたら、幸いです。