なぜ魚を締めることが重要なのか
美味しく食べるため!
釣った魚を締める事は、美味しく新鮮な状態で魚を持ち帰るために必要です。釣った魚は暴れまわり、自身で身に傷をつけてしまい易く、暴れまわると筋肉が疲労し乳酸が蓄積する事で旨味の元が減少していきます。また体内の温度が高くなり新鮮さが落ちる危険性があるため、魚を締めることで死後硬直を遅らせ、身の鮮度を保持する効果があります。
魚の締め方|活け締め、神経締めとは
ここでは、一般的に知られている活け締め、神経締めの特徴やコツについて解説していきます。釣った魚(活魚)を脳死状態とし血抜きを行って、旨味、新鮮さを保つ方法です。工程として①脳を壊して動きを止める ②血管を切って血を止める(硬結) ③神経にワイヤーを通して壊す(神経締め)の3段階に分かれ、その後予冷します。
締め始める前に
魚を締める前に人間の体温で新鮮さが落ちないように片手に軍手を着用します。主に軍手を着用した手で魚の身体を支えるようにします。出来れば作業は、身にストレスを感じにくくするためにスポンジ等のクッション性のある所で行うと良いです(用意できなければ、まな板等の作業が行いやすい場所を用意します)。
魚の締め方の手順をご紹介
手順①脳(運動神経)を壊して動きを止める
手順①②③とも基本的に片側だけ作業を行います。①の作業では、延髄部分に切り込みを入れ、そこから運動神経を壊す作業を行います。まず眉間の横から鉤(なければ、包丁やハサミの尖った部分)を背の骨とエラの根元を結んだ角度に差し込みます。差し込んだ後は、数回軽く円を描くように鉤等を動かします。
コツは、釣ったばかりの魚は激しく動き回りますので、軍手で魚の目を軽く押さえ光を遮断します。そうする事で力を入れ押さえつけて動きを止めるよりも簡単に大人しくなります。無理に力を入れてしまうと心臓を圧迫し、全身に血が回りやすくなるため注意が必要です。
手順②血管を切って血を止める(硬結)
次に血抜きを行います。新鮮さを維持するためにこの過程が非常に大切になります。方法は、エラの横から心臓に直結する奥の血管を切り血を流します。エラの膜をナイフ等で切りその奥に心臓に繋がる1番大きな血管を切ります。切った後、血が多量に出てきますので素早く水の入ったバケツ等に移し血を抜き、完全に抜けるまで水に浸しておきます。
コツは、尻尾の方やエラ元に傷をつけない事です。見掛け上は沢山の血は出ますが、血管は筋肉の隅々まで毛細血管が走っていますので複数箇所に空けてしまうと血圧が下がり、血が抜けなくなリます。心臓が元気な内に一番太い血管を一箇所だけ切る事で心臓の力で血を外に出す事が大切です。
手順③神経にワイヤーを通して壊す(神経締め)
①で穴を開けた眉間から、体の軸に沿って尻尾の先までワイヤーを差し込みます。上手く差し込む事が出来ると身の色が白く変色していきます。コツとして無理やり押し込まないようにし、探りながら身体がビクッと反応した所で差し込みます。
コツは、①の眉間に穴を開ける角度が違うとワイヤーが入りにくくなるため①で眉間と背中の骨を結んだ角度に穴を開けることが重要になります。背中の骨の上に通すイメージなので魚を食べる時に確認しておくと想像がしやすいです。
手順④予冷をする
予冷とは、氷が入った海水で身体の体温を下げる作業です。この作業を行わないと、自身の体温で身の新鮮さを落としてしまいます。注意点として、冷やし過ぎないようにする事です(7〜10℃が最適)。冷やしすぎる事で死後硬直を早めてしまい、身の新鮮さが落ちやすくなります。目が白く変色してくると冷やし過ぎのサインです。
魚の締め方を動画で確認しましょう
魚を締める時に使える便利グッズを紹介
ハサミや包丁等でも行う事は可能ですが、初心者の方は特に専用の道具を使った方が安全且つ生活に魚を締める事が出来ます。ここでは実際の釣り人達が魚を締める際に使い勝手が良かった便利グッズを紹介をします。
①ダイワ ナイフ フィッシュピック85
魚やイカを締める時に使用するピックになります。持ち手の部分がしっかり握れる形状になっており、力も入れやすくスムーズに締める事が出来る仕様になっています。ステンレス製でサビに強く、オキアミや氷もガリガリと削れる事が出来る万能ピックです。
②Daiwa(ダイワ) フィッシュピックライト
先端部はしっかりと刺しやすいテーパー(細長い構造物の径・幅・厚みなどが先細りになっている事です)仕上げです。本体とキャップは回してしっかり固定できるスクリュー式となっています。キャップの先端部にホールを設けているため水切れがよく、ピンオンリール(キーホルダーツールの一つ)等への取り付けも可能です。
③吉見製作所 形状記憶合金神経絞め 鮮度たもつ君
形状記憶合金超弾性材でしなやかで線が曲がり癖が付き難くい事が特徴です。長寿命チタンとニッケルの合金なので全く錆びる心配が有りませんので非常に衛生的です。神経締めの際に出し入れする時も端末の輪に指を入れて容易に作業が遂行できます。持ち運びも丸めて行えるので非常に便利です。
④ダイワ クーラーボックス ライトトランク4 S3000RJ
自重が4.8㎏の軽量化最優先設計により持ち運びが非常に楽です。30Lの大容量&高保冷力のクーラーボックスです。コンビニ板氷や500mlペットボトルもすっぽり入り、左右どちら側からも開閉が可能な便利な両開きタイプです。断熱材はスチロール使用で色々な用途に合わせて使用出来ます。
⑤TAKAMIYA(タカミヤ) REALMETHOD フォールディングエギングツール イカギャフ付き JL-1302 レッド
イカ釣りの必需品です。イカをしっかりと締められる専用刃型(イカ締めピック)です。曲がったカンナ針を修正する「カンナチューナー」、そして新たに追加された、手を汚さないイカギャフとなります。1本で3役の優れもので1本でイカ釣りはOKです。[環境美化協力商品]
⑥Z ZANMAX フィッシュグリップ
ハンドルは軽量で滑りにくく、落下防止用の紐もついていますので、使用上にはより一層安心感があります。魚をきちんとつかむと、合わせて重さも測ることができ、最大15㎏まで計量可能です。フィッシュグリップを使用して魚をつかんでいる間に、魚の大きさも合わせて測定したい場合は搭載したメジャーを利用でき、最大1m測れます。
大きさ別魚の締め方①小型の魚の締め方
主に野締め(又は氷締めとも言う)が適しています。野締めとは、釣った魚を氷入りの海水で凍死させる事です。魚を凍死させる事で活け締め程ではないですが、精神的な負担が少なく鮮度を保つ事が出来ます。