外来魚ティラピアは美味しい魚?淡水の鯛と呼ばれる魚の生態や食べ方を徹底解説!

ティラピアと言う魚をご存知でしょうか?この魚は、淡水の鯛とも呼ばれ、お刺身で食べられるほど実は美味しい魚です。このティラピアの生態や特徴、料理やそのレシピを紹介。また、初心者でも楽しめる釣りについてもコツや仕掛け、タックルなどを紹介します。

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ティラピアってどんな魚?

ティラピア又の名をテラピアと言います。日本では主にナイルティラピアという種になります。スズキ目カワスズメ科の仲間です。国外から持ち込まれた外来種であり、繁殖力が強く雑食であるため、国で定められた要注意外来生物リストに掲示されている程恐れられています。

ティラピアの生態

ティラピアは淡水魚であり、自然界では全長50㎝、になる物もいます。養殖も盛んに行われており、飼育方法次第では、さらに大きく成長する個体も多いです。体の色は生育環境により異なり黄色がかった黒に近い灰色になる事が多いです。

ティラピアの生息地と分布 

自然分布の範囲はアフリカ大陸の西にある(ニジェール川)、アフリカ東部(ナイル川)、イスラエル(ヤルコン川)ですが食用といて世界各地に移入され、現在では、アメリカ、タイ、メキシコ、西アジア各地と生息地を拡大しています。

ティラピアの生育環境

  

淡水域から汽水域まで幅広く、比較的温かい水の環境を好みます。水温が22℃以上あれば産卵する事が出来ます。繁殖期には、水温条件を満たしていれば年間何回でも産卵が可能で1度の産卵に160〜2000粒行います。

ティラピアの驚くべき生命力

この魚が世界各地に生息範囲を拡大出来た理由として驚きべき数々の能力があります。繁殖力、適応力、食性に到るまでどれも特徴的で、恐るべきて能力を兼ね備えています。生きるための貪欲さが見受けられます。

すごい環境適応能力

水温が10〜40℃まで適応が可能で、適温が24〜32℃となります。この適応水温の広さだけでも他の魚と比べて突出していますが、この魚の強みは海水でも生きていけるところにあります。海水の2倍以上の濃度にも適応する事が可能で酸欠も起こしにく事が分かっています。

特殊な繁殖

繁殖力が強い要因として、孵化から稚魚の子育てを雌の口腔内で行うマウスブリーダー(口腔哺育)という方法が挙げられます。稚魚が敵に狙われると雌の口腔内に隠れるため捕食者に襲われる危険性は低く、雄が周囲に敵が近づかないように縄張りを作るためより安全に成長が出来ます。

貪欲な食性

食形態も世界各地で生き延びていけた要因の1つです。稚魚の間は主にプランクトンを食べます。また稚魚同士で共食いを行うこともしばしばあります。成長とともに、藻類や小魚、他の魚の鱗を掠め取り食べる事をあります。

ティラピアの豆知識

現在、この魚は世界各地に国境を超えて数多くの種が生息しています。食料としても万能であるため養殖が進められており、多くの種類が生み出されてきました。呼び名も様々で日本でも、「イズミダイ」や「チカダイ」と呼ばれています。

エジプトからやってきた

アフリカ諸国の魚について思い浮かぶ人は少ないと思いますが、この魚は日本から遠く離れたアラブ連合共和国、今で言うエジプトから来た外来魚です。歴史は古く1962年(戦後)に食料がない日本に食料自給のために移入されて来ました。

呼び名に隠されている秘密

ティラピアは全世界で800種類以上の品種がいます。その中でも日本にはナイルティラピアという種類が多く生息していますが、名前の呼び方はタイを総称して言われる事が多いです。これは、外見や味等が海水のタイに酷似しているからです。

飼育すると驚くことも

養殖していると自然界では50㎝以下の個体が殆どですが、飼育状態が良好であれば最長で80㎝以上、体重が3000g(3kg)以上に達するまで成長する事もあります。成長速度は驚く程速く、孵化して約半年で成熟し50日程の周期で産卵が出来るようになります。

ティラピアの日本との関係

戦後の食糧難の最中、エジプトから観賞や養殖として日本に輸入されてきました。戦後の日本は食料自給が思うように進まずに筋肉の元となるタンパク源が不足していました。この魚にはその時の日本に必要なタンパク質を豊富に含んでおり重宝されました。

救世主なはずが

前述したように、戦後の日本には貴重なタンパク源であり、天皇陛下の食事にも出される程でした。日本の特に南部で特に生息域を拡大していましたが、驚くべき生命力と繁殖力により在来魚を食い潰してしまう恐れがあるため警戒が強まってきました。

生態系被害防止外来種

異常なまでの適応性と凄まじい速度での繁殖力により、日本の生態系の崩れを恐れた環境省と農水省は生態系被害防止外来種に位置ずける事を公表しました。そのため、現在では放流は禁止されており、生息範囲を縮小させています。ここで、絶滅危惧種に指定されたアカメについての記事をご紹介します。ぜひ読んでみてくださいね。

今でも養殖はされている

そんな昨今ですが現在でも国内で養殖場は存在します。鹿児島等の水の温度が暖かい地域や北海道でも養殖が行われており、北海道のホテルパークウェイでは温泉を利用した面白い養殖方法を行なって、主の「ニノチカ」と言う刺身に適した固体を養殖しています。

ティラピア料理を楽しもう

この魚の特徴としては外見だけではなく、その身や味までも高価で知られている鯛に酷似している所です。さらに鯛よりも安価で購入する出来、高タンパクで栄養価も高いことから非常にコスパが良い食材で世界中で様々な料理に使用されています。

ティラピアの栄養価

100gあたり、脂肪1.7g、タンパク質20.08g、ビタミン(ビタミンB12の割合が多く、次いでビタミンB3、ビタミンD)、ミネラル(セレンの割合が多く、次いでリン、マグネシウム)、水分78.08g、コレステロール50mgとバランスと取れた食材です。

ティラピア料理

前述したように鯛に酷似していると伝えましたが、やはり川魚なので特有の臭みと思いきや、刺身でも食べられる程臭みは少ないです。そのため調理方法が大切になってきます。日本では、ムニエルや鯛めし、天ぷらと多岐に渡り活躍が出来る食材です。同じ淡水魚であるブラックバスについて料理方法の記事はこちらです。

世界中で愛されるティラピア

タイでは1960年代にタイ王国が食料難で移入、「仁魚」と言う呼称があります。1973年バングラデシュでは、同じく食料問題で日本から50万尾の親魚が贈呈されたというエピソードもあります。台湾や中国でも養殖が進められ東南アジアではポピュラーな食材となっています。

実は身近な食材

現代では、鯛の養殖が活発化した事により値段が下落、一般的な食卓に並ぶ事は少なくなりましたが、スーパーやネット通販等でも購入が手軽に出来ます。商品名はイズミ鯛と呼称されている事が多く、鯛よりも安価であり、調理済みのものも販売されています。

ティラピアのおすすめレシピ

では、購入してきた際に自宅で美味しく調理をする方法を紹介していきます。白身魚であるため、調理用途は様々あり好みがありますが、川魚特有の臭みも少なく食べやすいティラピアの調理方法を丁寧に説明していきます。

ティラピアのムニエル

白身魚の料理といえばムニエルがとてもポピュラーであり、世界各国で食されている料理の1つです。タンパクな白身はバターや醤油の風味を吸って、美味しくマッチしてくれます。ここでは、カリカリといった食感を大切にするため小麦粉ではなく片栗粉を使用します。

材料

ティラピア、片栗粉、オリーブオイル、バター、醤油、レモンやライムなど

ティラピアのムニエル/レシピ

①切り身を軽く洗いキッチンペーパーなどで軽く水気を拭き取り片栗粉を両面にまぶします。②フライパンにオリーブオイルをひき中火で①を両面がキツネ色になるまで焼きます。③バター、醤油を入れ両面を馴染ませ完成です。レモンやライムなどを絞って召し上がって下さい。

ティラピアの刺身

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