パーコレーターとは
パーコレーターとはアウトドアでよく使用されているコーヒーを抽出する器具です。最近では、コーヒー通の方も増えてきたので、様々な商品が販売されています。パーコレーターを使いこなす事ができれば、キャンプなどでも家庭でも大活躍間違い無しの逸品です。
コーヒーを排出する器具
このパーコレーターは1827年にフランスで考案され、その後西部開拓時代のアメリカで普及しました。現在では、アウトドアでコーヒーを楽しみたい人々のツールとして、または自宅で様々なコーヒーを楽しみたいコーヒー通の人々の抽出器具としても親しまれています。
メリット
様々なコーヒーの抽出方法の中では、プレスと同じようにコーヒーの粉がなんどもお湯に触れるので、味はとてもしっかりと強めに抽出できます。すっきりと楽しめるドリップコーヒーとは違った、どっしりとした風味を楽しめます。そして何よりアウトドアでも温かい淹れたてのコーヒーを楽しめるのが一番の人気の理由です。
デメリット
パーコレーターはお湯を沸騰させてコーヒーを循環させる事で抽出するので、他の抽出方法より香りが飛びやすいという意見もあります。特に沸騰した後は、コーヒーの粉が攪拌されているので、粉が沈殿するまで少し時間を置き、ゆっくり注ぐ事でコーヒーの粉が入らないように注意が必要です。
パーコレーターの仕組み
パーコレーターの大まかな作りとしては、ポットの中にコーヒー豆を入れておく層になったバスケットが入っています。構造としてポットの中でお湯が攪拌する事で、バスケットの中のコーヒー豆に満遍なく触れしっかりとした味わいを抽出する事ができます。火力によって水流をコントールする事で、好みの味に仕上げる事ができます。
パーツ紹介
特徴的なのはそれぞれのパーツです。ポット、コーヒー豆を入れるバスケット、バスケットの蓋そして透明ノブがパーコレーターの構造です。アウトドアで使用する事を前提とされているので、より効率的・視覚的に分かりやすくコーヒーが抽出できるような構造になっています。
透明ノブ
蓋の部分についている透明ノブはパーコレーター特有のパーツです。沸騰したお湯がポットの中でしたらからノブ部分に向かって吹き上げてくるので、透明ノブの色を見ながらコーヒーの濃さを確認する事ができます。透明の状態からだんだんと茶色くなってくるのを確認しながらコーヒーの味を調整できます。
バスケット
コーヒー豆を入れておくバスケットの底部には細かい穴があいていて、中心を細いパイプが上下に貫いています。そしてパイプの下部にはお湯を吸い上げる小さい穴が、上部にはそのパイプから吸い上げたお湯をシャワー状に噴出する構造がついています。コーヒー豆全体がまんべんなくお湯に触れるようにこだわった作りです。
バスケットの蓋
このバスケットの蓋は、コーヒー豆の吹きこぼれを防ぐ為に使われます。それぞれ製品の構造によっては、このバスケットの蓋(フィルター)が無いものあります。蓋もメッシュ構造になっており、これもお湯がしっかりとコーヒー豆全体に触れるようにと考えられた作りです。
パーコレーターの仕組みの説明
このような様々なパーツによって沸騰したお湯をパイプでバスケット上部へ組み上げ、バスケット蓋のメッシュ穴からシャワーのようにバスケット内のコーヒー豆に降り注ぎます。コーヒー豆を通ったお湯はバスケットのそこから再度組み上げられ、コーヒー豆に降り注がれる事を繰り返し、どっしりとしたコーヒーを抽出する事ができます。
パーコレーターの使い方
それでは実際にどのようにこのパーコレーターを使うのでしょうか?アウトドアで使う際は特に火から下ろすタイミングなどで味が大きく作用されてしまいます。自分がどのような風味のコーヒーを抽出したいのかを考えながら、ベストな使い方で活用できるようにしましょう。
①バスケットにコーヒー豆を入れる
まずは中のパーツを取り出し、本体だけでお湯を沸かします。お湯の分量はバスケットよりも少なめにします。お湯を沸かしている間にバスケット部分に粗めに挽いたコーヒー豆をバスケットの半分ほど入れておきます。お湯にたくさん触れるような抽出方法の場合はコーヒー豆は粗めに挽くのがおすすめです。
②火からおろしてバスケットをセット
お湯が沸騰したら蓋を開け、コーヒー豆を入れたバスケットをセットし、すぐに蓋を閉めます。火傷してまうので、一旦本体を火からおろして作業するのがいいでしょう。セットが完了したらそのまま火に掛けずに1〜2分蒸らしましょう。ポットの容量にもよりますが、1人分のコーヒー豆は12g〜15gで、お湯は160cc程度が適量です。
③コーヒーを抽出する
約3〜4分程ポットを火にかけながら、上部の透明ノブを見ていると徐々に中のお湯の色が濃い茶色に変わっていくのが確認できます。透明ノブごしに色合いを見て、自分の好みの濃さになるところで火を止めましょう。コーヒーを注ぐときは、豆が一緒に注がれないように少し時間を置き、ゆっくりと優しく注ぎましょう。
コーヒーを美味しく淹れるためのポイント
どんなシチュエーションでも楽しむ事ができるパーコレーターですが、適切なコーヒー豆の挽き具合や分量、そして火にかける時間が美味しく淹れるための重要なポイントです。もちろんパーコレーターの種類が変われば、メッシュの穴の大きさも変わります。まずは試してみて、自分に合った淹れ方を探しましょう。
豆の種類
パーコレーターはどっしりとした味わいになるので深煎り焙煎のフルシティ・ロースト以上がおすすめです。粗挽きで、コーヒーの断面にしっかりお湯が触れるようにしましょう。挽き具合が細かすぎる場合は、ろ過しきれず抽出液に混ざってしまうので気をつけましょう。軽めに仕上げたい場合は焙煎を軽めにしてみるのもおすすめです。
分量
一般的なコーヒーを淹れる際の分量は、一杯分の目安としてコーヒー粉12g程度に対して、お湯は160cc程度です。必要な杯数分のコーヒー豆をバスケットに淹れて抽出してください。パーコレーターによって容量が違う事があるので、事前に抽出できる杯数を確認しておきます。
火にかける時間
一度火からおろしたバスケットをセットした後、少しの間蒸らすのを忘れないようにしましょう。その後は、弱火にかけ透明ノブから徐々にお湯の色が濃い茶色に変わっていく様子を確認します。気温や火力によって日々変わりますが、抽出までの時間の目安は約3~4分ですが、まずは短めから試してみましょう。
パーコレーターのコーヒーの味はまずい?
コーヒーをよく飲む人の中でも、パーコレーターで抽出したコーヒーは美味しくないという話をよく聞きます。本当にパーコレーターで淹れたコーヒーはすべてまずいのでしょうか?中にはパーコレーターで淹れたコーヒーが一番美味しいという意見もあります。どのような違いから意見の違いが出てくるのでしょうか?
コーヒーの好みのタイプによる
酸味が強くフルーティなコーヒーが好きな人もいれば、どっしりとした深みと苦味が強いコーヒーが好きな人もいます。酸味が強い味が好きな人はペーパーフィルターなどでコーヒーオイルを取り除いたすっきりした味を、苦味が強いどっしりした味が好きな人はコーヒーオイルをそのまま味わうパーコレーターがおすすめです。
まずく感じる理由とは
まずく感じてしまう理由としては、味の好みが違うか正しい抽出方法をしていない可能性があります。豆の分量が正しくても火に掛けている時間が長すぎたりすると、何度もコーヒーをお湯が通り抜ける事で煮つまってしまい、苦味やえぐみが増してしまうので要注意です。
再加熱するため
ドリップコーヒーとは違って、何度も同じ抽出液を再加熱して攪拌させるので、コーヒー特有の香ばしい香りが飛んでいってしまいやすいのが欠点です。もちろん加熱を続けていれば、香りの他にもコーヒー豆の産地によって違う酸味や甘みも消えてしまい、苦味が強く残ります。
コーヒーで抽出するため
ドリップの際には毎回新しいお湯をそそぎ込むのですが、パーコレーターでは一度コーヒーの粉を通った抽出液が再度パイプを通って吸い上げられ、コーヒーの豆に注がれる事を繰り返す仕組みになっているので時間が経てば経つほど抽出液の味が強くなっていきます。
同じ豆で何度も排出するため
また、パーコレーターでは一度抽出し終わった豆がバスケットの中に残っている状態で、同じコーヒーの粉に抽出液を注ぐ事でしっかりと抽出していくので他の抽出方法よりも、よりコーヒー豆のえぐみや苦味が強く出てしまいます。
パーコレーターの選び方
パーコレーターを購入するときは、容量や素材に加えて使用するガスバーナーやコンロのサイズに適応しているかも確認しましょう。特に、アウトドア以外で自宅でもパーコレーターを楽しみたい人は必ず確認しておきましょう。
使用する人数にあった容量
販売されている際に「カップ数」と「容量」を表示しています。「カップ数」は基本的には何杯抽出できるかの目安となります。「容量」とはポットの満水の際の容量となります。カップ数が記載されて無い場合は、一杯で160ccを目安として計算するのがおすすめです。適した容量のものを使うようにしましょう。
耐久性に優れた素材
パーコレーターの素材には代表的なものでは軽くて丈夫なステンレス製の製品で強度もあり扱いやすいのが特徴です。他にはホーローやガラスなどの製品があります。どのようなシーンで使用するのか、求めている強度はどのくらいかも考えながら選ぶと、より自分に合ったパーコレーターを選ぶ事ができます。
コーヒー以外にも使えるパーコレーター
コーヒーを抽出する器具であるパーコレーターですが、じつはそれ以外の使い方もできるんです。特にアウトドアのキャンプなどでは極力道具類は必要最低限で荷物を少なくしたいものですね。そんな時に活躍してくれるのがパーコレーターです。一個で様々な使い方ができるのでおすすめです。
温かいスープを楽しむ
パーコレーターは中のバスケットを取り外す事で、普通のポットと同じようにお湯だけを沸かす事ができます。キャンプなどの寒い朝には温かいスープを朝食に食べたくなる人も多いです。お手軽なインスタントのスープを持ち歩いていれば、お湯を多めに沸かしスープ用に、残りでコーヒーを抽出する事もできます。
インスタントラーメン用に
BBQを楽しむようなキャンプではなく、釣りやツーリングなど食事に時間をかける必要がない場合などはお湯を沸かして利用するのもおすすめです。パーコレーターひとつあれば、温かいコーヒーを楽しむこともでき、食事も済ませる事ができる一石二鳥の製品です。
そのまま調理用に
サイズによっては、そのまま調理用の鍋代わりに使っている人も実は多いようです。特徴としてはポットのような形状のものではなく、円柱状の形のものだと少人数での調理用には活躍してくれます。
パーコレーターのおすすめ13選|ステンレス製
パーコレーターの中でも多く見かけるのが耐食性や強度に優れたステンレス製です。ビギナーの方には、手入れが簡単で扱いやすいステンレス製のパーコレーターから初めてみるのをおすすめします。また、製品によっては光沢のあるステンレスと傷が目立ちにくマット仕上げステンレスがあるので好みのものを見つけましょう。
1.コールマン ステンレスパーコレーターⅢ 170-8028
安定感のあるフォルムが人気のコールマンの大容量パーコレーターです。縦長のポットが多い中、どっしりとしたフォルムなので倒心配もありません。持ち手は熱伝導率の低い天然木を使用している安心設計です。ファミリーや大人数でのキャンプに使える安定の品質です。
スペック
- サイズ:約12cm X 23cm 17cm
- 容量:約1.3L(約5カップ分)
- 重量:約630g
- 材質:ステンレス・天然木
2.スノーピーク(Snow Peak) ステンパーコレーター 6カップ
様々な抽出器具を揃えているスノーピークのパーコレーターは、ハンドルをたたんでコンパクトに収納できるのが特徴の一つです。最大6カップ分のコーヒーを抽出できる大容量サイズなので、自宅で家族とみんなで楽しむ事もできます。荷物が多いアウトドアでは活躍してくれる製品です。
スペック
- サイズ:11.5cm X 10cm
- 容量:900ml
- 重量:820g
- 材質:ステンレス
3.チヌーク ティンバーライン コーヒーパーコレーター 3カップ 41110
登山やキャンプ向けの製品を開発・製造している「チヌーク(Chinook)」のステンレスパーコレーターです。全体的につなぎ目が少ないデザインになっているので汚れがたまりにくく、お手入れも簡単です。ハンドルは熱が伝わりにくい素材で、蓋の部分には付属のドローコードをつなげるフックがついています。
スペック
- 容量:約710ml(約3カップ分)
- 重量:約370g
- 材質:18/8ポリッシュステンレス
4.チヌーク ティンバーライン コーヒーパーコレーター 9カップ 41120
同じく「チヌーク(Chinook)」より、同アイテムの大容量サイズです。すっきりとした縦長のシルエットで、約9カップ分のコーヒーを淹れる事ができます。大人数でのアウトドアキャンプや、自宅でのパーティなどの際で活躍してくれる製品です。
スペック
- 容量:約2124ml(約9カップ分)
- 重量:約750g
- 材質:18/8ポリッシュステンレス