釣り糸を知るための着眼点
「種類が多すぎてわからない」という人のために
釣り糸の扱い方を調べたいと思っても、「何から調べればよいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。そこでまずは、釣り糸のことを知るための「着眼点」について説明していきます。何に注目すれば釣り糸のことが分かるようになるのか、詳しく見ていきましょう。
着眼点① 素材ごとのメリット・デメリットに注目する
釣り糸の種類は、素材によって分かれます。大きく分けると「ナイロン・フロロカーボン・PE」の3種類があります。素材ごとに様々な特徴があるので、そのメリット・デメリットを押さえることがまず必要です。釣り糸の素材ごとにどんなメリット・デメリットがあるのか理解すれば、釣り方に応じて釣り糸を使い分けられるようになります。
着眼点② まずは素材の硬さ・柔らかさに注目しよう
まず「素材の硬さ・柔らかさ」に注目しましょう。釣り糸の素材は、ナイロン→フロロカーボン→PEの順に硬くなっていきます。硬くなるほど強度も上がります。また硬さ・柔らかさからは、「使いやすさ」「アタリのとりやすさ」もわかります。ちなみにアタリとは、魚が食いついたときの感触のことです。
「使いやすさ」では柔らかい素材の勝利です。柔らかいほど結びやすく、また絡みにくくなるからです。逆に「アタリのとりやすさ」では硬い素材の勝利です。素材が硬いほうが、魚が食いついた衝撃が伝わりやすいからです。柔らかい素材は「使いやすいがアタリをとりにくい」、硬い素材は「アタリをとりやすいが使いにくい」というわけです。
着眼点③ 釣り糸の太さにも注目しよう
素材の硬さ・柔らかさを把握したら、次は釣り糸の太さにも注目しましょう。釣りでは「いかに魚を騙すか」が大切なので、釣り糸は「いかに魚からバレないか」が大切になります。そのため「なるべく細い釣り糸を使う」というのが基本的な戦略になるのです。
ただ、細すぎる糸は切れやすくもあります。「強度を失わない限り」で細い糸を選ぶ必要があります。「釣りたい魚の重さや力」「釣り糸の素材の強度」とのバランスを考えながら、できる限り細い糸を選ぶのです。ちなみにPE素材はもっとも硬いので、ナイロン・フロロカーボンと同じ強度を保ちながら、より細い糸にすることができます。
釣り糸の基本用語
釣り糸の「強度」と「太さ」を示す用語を知ろう
ここまで説明したことから、釣り糸の素材・強度と太さの関係について、具体的なイメージをお持ちいただけたことと思います。そこで今度は、釣り糸の強度と太さを表す用語について学んでいきましょう。
基本用語① ポンド(lb)
釣り糸のパッケージには、「lb」という単位の数値が記載されています。これは釣り糸の強度を表す単位で、読み方は「ポンド」です。ポンドは本来、重さを表す単位です。1ポンドは約450gです。ポンドを釣り糸の強度として使うときは、「その重さ以上の負荷がかかると糸が切れてしまいますよ」という意味になります。
たとえば、釣り糸の強度が「6lb(6ポンド)」という場合を考えてみましょう。この場合は「6ポンド=2.7kg(450g×6)」の重さがかかると切れてしまいますよ、という意味になります。
基本用語② 号数
一方、釣り糸の太さを表すのは「号数」です。釣り糸のパッケージ書いてある「3号」「3.5号」といった数値のことです。号数が大きいほど、釣り糸の太さも大きくなります。また、太くなるほど強度も上がりますので、号数が大きくなれば「lb(ポンド)」も大きくなる関係にあります。
号数がわかると、lb(ポンド)をおおまかに割り出すことができます。ナイロン・フロロカーボン製の釣り糸の場合は、号数を4倍するとlb(ポンド)になります。PE製の場合は、号数を20倍したものがlb(ポンド)です。ナイロン・フロロカーボンに比べて、PEの強度がいかに大きいかわかります。
釣り糸の種類・特徴
種類・特徴① ナイロン製の釣り糸
ナイロン素材の釣り糸は、主要3種類の中でもっとも柔らかい素材です。そのため「使いやすいがアタリをとりにくい」という特徴があります。また水を吸いやすく、塩分や紫外線にも弱いため、劣化が早いというデメリットもあります。ただ値段は主要3種類の中でもっとも安価なため、リーズナブルで使いやすい釣り糸として、初心者におすすめです。
種類・特徴② フロロカーボン製の釣り糸
フロロカーボンは、ナイロンよりも硬い素材です。そのためナイロンに比べて「アタリをとりやすいが使いにくい」ということになります。耐久性についてはナイロンより優れています。また、重い素材なので「飛距離を出しにくい」「沈みやすい」という特徴もあります。「沈みやすい」ことは、深い場所の魚を狙う際にはメリットになります。
種類・特徴③ PE製の釣り糸
PE素材は、主要3種類の中でもっとも硬い素材です。アタリのとりやすさは抜群ですが、一方で釣り糸が絡むトラブルが起きやすく、使いこなすには慣れが必要です。また硬いと同時にとても軽い素材でもあるため、「遠くまで飛ばせる」「浮きやすい」という特徴もあります。「浮きやすい」ことは、水面付近の魚を狙う際にはメリットとなります。