まず、素材ごとの強度を改めて整理しましょう。ナイロンは柔らかい素材なので劣化が早い一方、摩擦にはある程度耐えられます。フロロカーボンはナイロンより硬く耐久性があり、耐摩擦性も非常に高いです。
PEは極めて硬い素材ですが、特殊な製法で作られています。1本の糸ではなく、複数の細い糸を編み込むようにして作られているのです。そのため耐久性が高く荷重にも強いのですが、編み込まれた1本1本がとても細いので摩擦には弱く、切れやすい性質を持っています。
選び方① 釣り糸の用途で選ぶ
釣り糸は、用途によって呼び方が変わります。釣り竿にセットする糸は「道糸」と言います。道糸に釣り針を直接結ぶ場合もありますが、道糸と針の間に「ハリス」と呼ばれる別の糸をつなぐこともあります。
ハリスは魚や障害物に直接触れるので、耐久性が求められます。そのため、ハリスにはフロロカーボン製の釣り糸が向いています。一方で、道糸には釣り方に応じてナイロン・フロロカーボン・PEのいずれも使います。
選び方② 釣り方で選ぶ
釣り方としては、狙う場所の違いがあります。浅い場所を狙うには、軽く沈みにくいPE素材の釣り糸を道糸にします。一方深い場所を狙うには、重くて沈みやすいフロロカーボン素材の釣り糸を道糸にします。
また、狙う魚の種類によっても釣り糸の選び方が変わります。通常の海釣りであれば、ナイロン製の釣り糸で対応できます。一方バス釣りだと魚を探る必要があるので、アタリをとりやすいPE素材の釣り糸を中心に考えることになります。
釣り糸のリールへの巻き方
巻き方① ナイロン・フロロカーボンの場合
ここからは、リールに釣り糸を巻き付ける方法を説明します。ナイロン・フロロカーボンの釣り糸の場合から見ていきましょう。まず、リールを釣り竿に装着します。次に、釣り竿のガイド(釣り竿に並んでいる糸を通す輪っか)に通した釣り糸を、リールに結びつけて固定します。そのあとは、リールのハンドルを回して釣り糸を巻き付けていきます。
巻き方② PE素材の場合
では、PE素材の釣り糸の場合についても見ていきましょう。基本的な手順はナイロン・フロロカーボンの場合と同じです。ただPE素材の特性上、注意すべきことがあります。まず、PE素材は滑りやすいので、リールに固定するときは注意して結びましょう。また、PE素材は摩擦に弱いので、ハンドルを回転させるスピードに注意しましょう。
釣り糸の結び方
結び方① 金具に結ぶ
釣り糸の結び方については、まず金具への結び付け方を押さえておきましょう。仕掛けを作るときなど、釣り糸を金具に結ぶ場面はたくさんあります。応用範囲の広い結び方として、クリンチノットが代表的です。滑りやすいPE素材の場合は、巻く回数を増やして対応しましょう。
結び方② 針に結ぶ
釣り糸を針に結び付けるやり方も押さえておきましょう。簡単かつ外れにくい結び方として、パロマーノットが有名です。結び目を大きくすることで、強度を保つことができます。なお、PE素材は切れやすいので針に結ぶのには向いていません。PE素材の釣り糸を使う場合は、針との間にナイロン・フロロカーボンの糸をつなぎます。
結び方③ 釣り糸同士を結ぶ
PEラインと針の間に別素材の糸をつなぐ場合のように、釣り糸同士をつなぐための結び方も必要です。ポピュラーな結び方としては、電車結びが挙げられます。一方の糸を他方の糸に巻き付けながら結んでいきます。道糸とハリスを結ぶときにも使えます。
釣り糸の交換・メンテナンス
釣り糸の交換時期
釣り糸は消耗品なので、定期的に交換しなければなりません。交換時期については、素材の強度に応じて考えましょう。ナイロン・フロロカーボンの場合は、ハードな使い方をすると一日だけでも交換が必要になります。糸がヨレたり、クセが付いているようなら、ためらわずに交換しましょう。
これに対してPE素材の場合は、非常に硬いので耐久性があります。1年間使い続けられることもあります。ただ耐久性がある反面、摩擦に弱いという面もあります。摩擦によって傷ついてしまった部分は、マメに切り取るようにしましょう。
釣り糸のメンテナンス
釣り糸の劣化は、水分・塩分・紫外線によって起こります。そのため釣り糸の使用後には、まずしっかり塩分を除去する必要があります。ぬるま湯に5分ほどつけておきましょう。その後は水分をしっかりふき取り、日陰で乾燥させます。乾燥の際、直射日光に当てると紫外線で劣化するので注意しましょう。
まとめ
今回は、釣り糸の種類や特徴について詳しく見てきました。素材によって様々な特徴があるとご理解いただけたことと思います。初心者のうちは、まずナイロン製の釣り糸に慣れることから始めましょう。経験を積んで釣り方の幅を広げる際には、今回説明したことを参考にして様々な釣り糸にチャレンジしてみてください。