ボラは臭くてまずい?綺麗な水で育ったボラは絶品だったとは

ボラと聞いてどんなイメージを持ちますか?釣り人たちには、臭くてまずいイメージから外道と言われてしまい、狙ってまで釣られることの少ないボラです。そんなイメージを持つと損をしてしまうかも、綺麗な環境で育ったボラは、鯛にも勝るなどと言われる程絶品なんです。ボラはどんな魚なのか、釣り方や美味しく食べる工夫までご紹介します。

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ボラの生態を知ろう

ボラとはどうな魚?

ボラは水の汚染に強く、ヘドロを食べてでさえ生きられるほどに生命力の強い魚です。汚れた水域の沿岸近くでは海底の汚泥を食べているので、どうしても臭いがついてしまい、臭くなってしまいます。ボラが臭くてまずいというイメージなのはこんな理由からなんですね。いっぽう、水質の綺麗な所で獲れるものは、とっても美味しいのです。

経済成長により水質が悪化してしまった昨今では、ボラは不本意にも臭くてまずいことで有名になってしまいました。水の綺麗だったその昔は、ボラは高級魚で縁起のいい魚として扱われていたんだそうです。

ボラの生息地・分布

暖かな海域が好きなボラは熱帯・温帯の海に分布。日本では北海道より南に見られ、河口や内湾の汽水域に多く生息し、幼魚は淡水の河川内へも入ってきます。水質の汚れにも強いので、都市部の港湾や川にも姿をみせます。

ボラが釣れる場所

堤防、磯、海釣り公園などの場所で一年を通してボラの釣りは楽しめます。ボラは群れて移動することの多い魚なので、1匹見つけたらその周辺には他のボラも沢山いますよ。是非見つけてみて下さいね。

ボラの釣れやすい旬・時間帯は?

ボラ釣りのおすすめは寒い時期

ボラは基本的に通年釣れる魚なのですが、4月から11月の比較的暖かい頃は浅場への回遊や居着きが多く特に釣れやすい季節です。冬場の寒い季節はボラを見つけるのが多少難しくなるのですが、前述のように、この時期(10月から1月頃)のボラは脂がのっていて非常に美味しく、綺麗な水域でこの時期に獲れるボラは寒ボラと呼ばれます。その味は鯛にも勝るとも言われるほどのもの。寒い季節は鮮度の維持も容易なので、ボラ釣りに出かけるには特におすすめな季節です。また、比較的釣りやすい時間帯は夜です。

ボラの釣り方は?

前述のとおり、狙って釣られることの少ない魚なのでこれと決まった釣りの型は余りないのですが、ウキフカセ釣り、カットウ釣り、フライ釣りなど様々な方法で釣ることができます。いろいろと試してみましょう。

ウキフカセ釣り

ウキフカセ釣りは、リールとリール竿を使います。ボラは小さい口でエサを少しずつ食べるため、アタリが弱くはっきりしません。そのためウキは感度の良い立ちウキを使います。エサはオキアミの小さい物を使用しましょう。まき餌のコマセはクロダイ用を流用することも可能です。

ボラのカットウ釣り(ひっかけ釣り)

カットウバリ(擬餌バリ)でおびき寄せ、引っ掛ける釣り法で、強い竿が必要です。オモリの下のハリにエサを付け、その下のカットウバリに引っ掛け釣り上げます。専用の竿は手に入れるのが難しいため、コイ竿やアユ用コロガシ竿を流用するとよいでしょう。穂先のリリアンは切れることがあるので、ケブラーなどの太いイトに交換しておきましょう。ミチイトは、ハリが外れた時に仕掛けが激突することがあるため、体にぶつからないよう短めにしておきましょう。

ボラのフライ釣り

フライ釣りの隠れた人気魚であるボラ。フライは、藻類やアミエビの形をしたものを釣る場所や方法により使い分けをします。群れているボラを藻の形のフライで釣ったり、アミコマセを撒いてアミの形をしたフライに食いつかせたりします。

ボラ釣りのエサや仕掛け

エサは小さなアミエビやオキアミ

雑食性のボラですが、主に水底の有機沈殿物や石についた藻を食べています。ボラ釣りでよく使われるのはオキアミやアミエビなど。ボラの口は小さいので、エサは小さな物を選びましょう。ウキ釣り等の撒きエサはアミコマセがよいです。ダンゴエサも底ダナのボラには向いています。

ボラ釣りのウキは赤が良い

赤は水の中でも良く見えるので、好奇心の強い魚が寄ってきます。赤いウキを是非試してみて下さい。また、ボラは冬になると目の周りに脂肪がつき(脂瞼と呼ばれます)視力が落ちます。目が見えにくいので餌釣りだと釣りにくくなるのですが、赤の物を見ると餌と錯覚するので冬は特に赤のウキをおすすめします。

ボラ掛け針を使う

ボラ釣りを目的とする時には、ボラ釣り専用のボラ掛け針あります。大手釣具店やインターネット販売で入手することが可能です。ボラ掛け針のような引っ掛け針を使った釣りのことをギャング釣りともいいます。

ボラ釣りに向きのタックルは?

ボラは50センチ以上になることも多く、大きいと80センチを越えることもあって、ヒキがかなり強くなったりします。ですので、ボラをキチンと釣り上げるためには、パワーのあるタックルを準備しておく必要があります。

おすすめのタックル

ルアー釣りでは、MLもしくはMパワーの2.7m位のシーバスロッドがおすすめ。メインラインはPE1~2号、ショックリーダーはフロロカーボンか3号前後を1m位使います。タックルは強めのものにしておきましょう。

ボラの寄生虫の心配は?

ボラに寄生する虫はいますが、深刻な影響を及ぼすものはありません。ただ、汚い水域のボラは刺身では食べないほうが良いかもしれません。ボラがジャンプをするのは寄生虫を振り落とすためというのも一説ですが、詳しくは分かっていないようです。

有害異形吸虫

腸管に寄生する吸虫です。刺身には、幼虫が寄生して、人が食べると小腸の上部や中部に寄生しますが、多くは便として排出されてしまいます。沢山食べると腹痛・下痢などを起こしますが幸いに深刻な症状はありません。この吸虫は河口や港湾内の堤防など汚い水が流れる場所にしか存在しないので、そういう場所のボラの刺身は食べないでおきましょう。

ミクソボルス

ミクソボルスは粘液胞子虫の1つで、稀にですがボラのウロコに寄生します。見た感じでわかりやすいのと、人体には寄生しないのでそれほど気にしなくていいかもしれません。寄生している場合、ウロコに赤っぽい色で点々と付いていますが、身を食べても人体への影響はありません。

ボラは出世魚

ボラはブリやスズキなどと同じく縁起のいい出世魚で、成長するにつれ呼び方が変わります。呼び方は地方によって変わってくるのですが、代表的なところでいうと、オボコ → イナ → ボラ → トドと3回名前が変わります。

「トドのつまり」はボラが由来

トドのつまりという言葉のトドとは、この出世魚であるボラを指すと一般的に言われています。ボラは成長につれて3回名前を変えますが、最後にトドという名前になるので最終到達点、結局といった意味で使われています。

ボラの美味しい料理法は?

ボラを美味しく食べるのに重要なコツ

ボラをおいしく食べるコツは、なんといっても釣れたらすぐにその場で締めて内臓をとり、臭みの元となる腹の内側の黒い膜も綺麗にそぎ落としてしまうこと。こうしてクーラーボックスに入れて持ち帰ればおいしく食べることができます。新鮮なうちはボラの身は弾力が強いので、冷蔵庫で1~2日冷蔵庫で寝かせて熟成させてから調理するのも良い方法です。綺麗な水域で獲れたものは臭みもありません。

寒い時期に綺麗な場所で獲れたなら刺身で食べたい

真鯛より美味しいと評判のある寒ボラ。10月から1月頃綺麗な水域でボラを釣り上げたなら、まずはやっぱり刺身で味わいたいですね。ボラの刺身はきれいなピンク色をしており、上品な脂がのっていて絶品です。

臭みが気になるなら濃い味付けにしたりフライに

暖かい時期(寒い時期に比べるとやや臭みが強い)や特段綺麗とはいえない場所で獲れた時には、味噌やコチュジャンなどで濃いめに味付けると臭みが気にならなくなります。フライにしてもとても美味しいです。タルタルソースをかけて食べれば絶品です。

ボラの味噌漬けもおすすめです。味噌、砂糖、みりん、酒を混ぜ、ダシで伸ばしたものに漬け込み冷蔵庫に半日ほど入れておきます。漬けあがったものを焼けば、お弁当にもぴったりの一品になります。

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