キュウセンはどんな魚?生態や旬などと共に、おすすめの食べ方6選も!なぜキュウセンは関西では高級魚?

関東ではあまり馴染みがない魚「キュウセン(ベラ)」。外道として捨てられてしまうこともある魚です。ところが一転、関西では好まれ高級料理として食されることも。この記事では、キュウセンの特徴・生態、関西で好まれる理由、おいしい食べ方・レシピをまとめてあります!

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釣りにキャンプや登山までアウトドア大好きライターです。 最近狩猟免許を取得しました。

キュウセン?ベラ?魚の名前の由来は?

ベラ科に属する魚であり、ベラの中でもっとも代表的な種類になります。メスに見られる体表面の線模様からこの名前がつけられ、漢字だと「九線」になります。もともと神奈川県三浦半島でついた呼称で、後に全国的に使われるようになりました。ただし関東ではあまり食べられず、関西圏では高値で取引さる高級魚です。

キュウセンとはどんな魚?

ベラと言われれば馴染みがありますが、食べる機会の少ない関東圏の人にとっては聞きなれない名前ではないでしょうか。ここでは見た目などの特徴や、生態などの基本的なことや、さらには釣り方を解説します。またこちらの記事にはベラのことが詳しく紹介されているので一緒に読んでみてはいかがでしょう。

キュウセンの特徴

オスとメスとでは見た目や大きさに違いのある魚です。オスは体が黄緑色で胸びれに斑点が1つあります。メスは黄褐色をしており体表面にはっきりとした帯線が見えるのが特徴です。雌雄の色の違いからオスを「アオベラ」メスを「アカベラ」とも呼んでいます。大きさはオスが30cm前後、メスは20cm前後とやや小ぶりです。

キュウセンの生態

出典:PhotoAC

夜や冬の間は砂に潜り休眠するユニークな特徴を持ち、さらに干潮時も潜っていることがあるため潮干狩りで遭遇することも珍しくありません。昼間は海藻の間や海底付近を泳ぎ、多毛類や甲殻類、貝類を捕食します。より効率的にかつ安全に子孫を残すためメスの一部が大きくなるにつれてオスに性転換を図る雌性先熟をする魚でもあります。

キュウセンの生息域

出典:PhotoAC

とても広域に分布しており、北海道南部から南は九州までほぼ国内全域で目撃されています。適正水温の幅が広いのが特徴ですが低温に強いという点ではベラ科の中でも特異な性質といえます。岩礁帯で砂礫底や砂底の場所を好んで生活しています。

キュウセンの釣り方

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堤防などから気軽にチョイ投げで狙えます。ロッドは2.7m前後ラインはナイロンで2〜3号がベストです。オモリは状況にもよりますが5号前後が使いやすいです。天秤仕掛けで針はキス針8号あたりを、ハリスは1.5号前後がおすすめです。またセットになった投げ釣りの仕掛けでも十分です。西日本ではベラ専用の仕掛けも販売されています。

なぜキュウセンは関西では高級魚?

出典:PhotoAC

関東の方だと外道扱いを受けるのに対して西日本では高級魚として出回るほど、地域によってその扱いが大きく変わる興味深い特徴がある魚です。西日本の中でも瀬戸内海で獲れるものはもっともおいしいと珍重されています。ここではこの地域差について解説します。

主な水揚げは瀬戸内海

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西日本では夏場にキス釣りに並ぶほどの人気で専用の船も出るほどです。高級魚として卸され、瀬戸内海では時としてマダイの卸値を上回ることさえあります。その瀬戸内地方ではギザミとも呼ばれ郷土料理も存在します。このことから古くから愛されていた食材であることがよくわかります。

関東のキュウセンはまずい?

潮の速さや、海水の塩分濃度、餌場など環境で魚のおいしさは変化します。例えば瀬戸内海は潮の流れも速ので結果的に締まった身を味わえます。一方で関東もそこそこ食すに値するものは獲れるのですが。それでも不味いとされているのは個体そのものの磯臭さや、餌の大食いとして釣り人から嫌われてきた背景、食文化などが影響しているといえます。

キュウセンの旬はいつ?

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