メタルジグとは?
メタルジグとは小魚を模して造られた金属製のルアーです。釣り人の間では略して「ジグ」と呼ばれています。
海でルアーフィッシングをする釣り人にとっては定番のアイテムで、もはや無くてはならないといっても過言ではありません。作りが非常にシンプルで、他のルアーと比べると特別なアクションを見せるわけでもありません。ではなぜそんなメタルジグが釣り人から人気なのかについて解説していきます。
メタルジグの特徴と使い方
メタルジグの最大の特徴はとにかく遠投できるという点です。ルアーがコンパクトかつ重いため、風の抵抗を受けずに一直線で沖まで飛ばすことができます。そのため広範囲を探ることができ、沖を泳いでいる魚から海岸周辺に生息している魚まで、様々な魚種がターゲットとなります。しかしより沖側まで飛ばすためには適切な重さのメタルジグを使うことが非常に重要です。
ショアジギング用とオフショアジギング用の違い
メタルジグは小さいものだと3g~5g、オフショアジギング用の大きいものだと800gを超えるものもあります。堤防や砂浜から狙う場合は重くても60グラム、青物狙いのショアジギングでは30g~40g程度のものを使います。ロッドに合わない重さのメタルジグを投げると投げる際に負荷がかかりすぎて折れてしまうこともあるので、ロッドの適正ルアーウェイトと相談しながら使うメタルジグを決めましょう。
メタルジグはどのくらいの飛距離?
一般的には50m~70m飛ばすことができれば十分です。特別腕力がなくても、投げる際にうまく体重を乗せることだできれば遠くまで飛ばすことは可能です。さらに飛距離を伸ばしたい場合にはロッドの性能やリールの大きさ、ラインの細さなど様々なことに気を配る必要があります。中には100m以上投げることができる方もいますが、まずは50m地点まで飛ばすことを意識して投げるとよいでしょう。
メタルジグのアシストフック
アシストフックとはメタルジグにつける針のことです。大きく分けて1本針のシングルフックと2本針のダブルフックに分かれます。シングルフックは貫通しやすいため一度かかると魚が逃げ出すことが難しいといったメリットがあります。青物狙いではシングルフックが採用されることが多い傾向にあります。ダブルフックは2本バリのためフッキングしやすいものの、掛かりが甘く逃げられてしまうこともあります。どちらを使うといった決まりはなく完全に個人の好みの問題なので使い心地によって使い分けてみてください。
またアシストフックは道具を揃えれば自作することができます。毎回完成されたものを買うのは少々高いと感じる方は、アシストフックの自作にチャレンジしてみてください。
メタルジグの形によるフォール姿勢やアクションの違い
メタルジグには様々な形のものが存在しますが、その中でも代表的な3つの形を紹介します。形が違うだけで全く異なった動きを見せてくれるので、ぜひ参考にしてみてください。
ストレートタイプ
その名の通り真っ直ぐな形をしたメタルジグです。飛距離が出やすいため、初心者には一番おすすめのタイプです。全体的に細長いため風や水流の抵抗を受けにくく、潮の流れが速い場所でも流れに負けることなく海底に向かって真っ直ぐにフォールしてくれます。また動きがシンプルな分自分が狙ったように動かすことができるという点も大きな強みです。とりあえず最初はストレートタイプで様子を見てから、状況を見ながら他のメタルジグに変えてみるといった使い方がおすすめです。
左右非対称タイプ
メタルジグを正面から見た時に片方に重心が偏っており、重い面と軽い面とで左右が非対称になっているメタルジグです。このメタルジグの最大の特徴は不規則な動き方です。上記で紹介したストレートタイプは素直に動いてくれるのに比べ、左右非対称だと右と左で水の抵抗の受け方が変わってくるため、釣り人としてはコントロールがしにくい動きになります。しかしこの人間には真似できない不規則な動き方が魚を誘います。やや上級者向きなメタルジグですが、ストレートタイプの扱いに慣れてきたらこちらを試してみるのも良いでしょう。
フラットタイプ
全体的に平べったく、楕円形に近いメタルジグです。このメタルジグはストレートタイプとは真逆で、あえて水の抵抗を受けやすいように作られています。理由は平べったい形状にすることで、フォール中に真っ直ぐ落ちず、水の抵抗を受けながらヒラヒラと落ちる動きにすることができるからです。ヒラヒラと落とすことで太陽の光が反射し、下で待ち構えている魚に存在をアピールすることができます。砂地で獲物を狙っているヒラメやマゴチには非常に効果的なです。デメリットは飛距離が出にくいという点です。そのため青物を狙って大遠投するよりも、サーフ釣りで砂地に生息する魚を狙うことに長けています。
メタルジグのアクション1:タダ巻き
タダ巻きは文字通りただメタルジグを巻いて泳がせる基本の動きです。しかしこのタダ巻き、釣り方によっては非常に絶大な力を発揮してくれます。タダ巻きで重要なのはリトリーブスピード(メタルジグを巻く速さ)です。例えば青物を狙う場合は、比較的早く巻き上げるのが効果的です。逃げるベイトを演習できるため、後を追って魚が追いかけてきます。たまにリトリーブスピードを落とすことで魚に食わせる隙を与えたり、海底付近の魚狙いに切り替えることもできます。非常にシンプルかつ奥が深い釣り方です。
メタルジグのアクション2:ワンピッチジャーク
ワンピッチジャークとは一定の間隔でロッドをしゃくることで、水中でメタルジグを跳ね上げるようなアクションです。このロッドをしゃくる動作のことをジャークといい、水面付近まで数回ジャークしたら再度海底に沈めるというのが一連の動きになります。小魚が急に動き出すような動きを再現できるため、青物に対して強力なアピールをすることができるため、メタルジグを使う上で是非覚えておくべきアクションです。ただロッドをしゃくるとラインがたるんでしまうため、リズムよく巻きながらしゃくるといった動きが必要になります。初めの内は慣れませんが、何度も繰り返し練習してコツをつかみましょう。
メタルジグのアクション3:ジャカジャカ巻き
ワンピッチジャークよりもさらに細かく、テンポなどは気にせずひたすらじゃかじゃか動かすアクションです。動き自体はワンピッチジャークと似ていますが、縦の動きだけでなく横にも動かしてあげることで効果的にアピールすることができます。頻繁にアクションを重ねるため、先ほど紹介した左右非対称タイプのメタルジグを使うと、このメタルジグならではの動きを最大限に引き出すことができます。またアクションの間にしっかりフォールを挟んであげることで魚に食わせる隙を与えるとなお効果的です。魚の活性が悪い時はジャカジャカ巻きで派手にアピールしてあげましょう。
メタルジグのアクション4:リフト&フォール
青物のほかにヒラメなど海底に生息する魚にも効果的な釣り方です。ロッドを水平の状態から垂直の状態まで大きく持ち上げ、その後ゆっくり余ったラインを巻き取る釣り方です。フォール中に食いつくパターンが多いため、海底までメタルジグが沈むのを慌てずに待ちましょう。アクション自体は非常に単純なためワンピッチジャークなどに比べると初心者でも試しやすい動かし方です。フォール中がメインの釣り方なのでフラットタイプのメタルジグとは相性が抜群です。
メタルジグで狙うターゲットとそれに合わせた使い方
メタルジグは使い方によっては幅広い種類の魚を釣ることができます。ターゲットに合わせた動かし方やメタルジグの重さについて知っておくとメタルジグ一つで様々な釣り方を楽しむことができるようになります。
青物
ライトショアジギングのターゲットと聞いて真っ先に思い浮かぶのが、ブリやヒラマサ、ソウダガツオなどの青物です。彼らは回遊魚であるため群れでやってきたところにメタルジグが通りかかるとかなりの高確率で食いついてきます。サイズも大きいため強烈な引きを楽しむことができる非常に人気の釣り物です。大きな魚が小魚を追いかけて群れでやってくる際には、小魚の群れが逃げ回り水面が騒がしくなります。このような状態をナブラが沸いたといいます。もしナブラが沸いているのを見かけたらすかさずメタルジグを投げてあげましょう。ピンポイントで群れの上に落とすとせっかく集まった魚がびっくりして散ってしまう可能性があるため、少し奥に投げて群れの中を通過させるのがベストです。
フラットフィッシュ
フラットフィッシュはヒラメやマゴチなど、主に砂地に住み着いている魚です。比較的浅瀬に生息しているため海岸から遠投して狙うことをおすすめします。彼らは落ちてくるメタルジグを海底から見ているためフォール中に食いつくことが多い魚です。リフト&フォールで誘ってあげるのが効果的ですが、ワンピッチジャークで海底付近を狙っても十分釣れます。釣果が上がらないときは動かし方を変えながら釣ってみるとよいでしょう。またフラットフィッシュは歯が非常に鋭いため、釣れた際には間違えて噛まれることのないように気を付けましょう。
根魚
メバルやキジハタ、カサゴなどの岩場やテトラポットに住み着く魚です。普段は小さなワームで釣っている根魚も、3g~10gの小さなメタルジグを使うことで釣りあげることができます。こちらは遠投するというよりも手前に投げて細かくあたりを探るといった釣り方です。メタルジグ自体が軽いため専用のメバリングロッドやアジングロッドを使うことでうまく操作することができます。このように使い方によっては繊細な動かし方もできるのでメバリングに行く際にはワームと一緒に持っていくと意外な釣果が期待できます。
メタルジグで大物を狙おう!
知れば知るほど奥が深いルアー「メタルジグ」。釣れる魚種も豊富で様々な可能性を秘めた非常に魅力的なルアーです。これまで使ったことがないという方もこの機会に是非チャレンジしてみてはいかかでしょうか。自分のお気に入りのメタルジグを見つけてみましょう。