「ウィジャボード」とは?アメリカ版こっくりさん?
あなたは『ヴィジャボード』をご存じですか?これはオカルトに詳しくなければあまり耳なじみのない名前でしょう。ですが外国では非常にポピュラーであり、古くは19世紀に起源を持つ由緒正しき降霊術の一種です。
今回はそんなヴィジャボードに関する詳しい情報をまとめてみました。まずは基礎的な知識の解説からはじめましょう。
ウィジャボードは降霊術に使われる文字盤のこと!
この画像のように、アルファベットや数字が描かれた板を『ヴィジャボード』と呼びます。
ヴィジャ(Ouija)とはフランス語とドイツ語で「はい」を意味する単語の造語であり、ボードが心霊世界への呼びかけ・質問のために使われることを意味しています。英語でいえば『YESボード』というところでしょうか。
アメリカ版のこっくりさんともいわれているウィジャボード
これは日本で有名な降霊ゲーム・こっくりさんにとてもよく似ています。
「板上(紙)に文字を並べる」「複数人がツール(日本であれば10円玉)に指を重ねて質問する」「この世のものではない存在がそれに答える」という特徴が一致するのは、どちらも西洋のテーブル・ターニングという降霊会が基礎になっているからです。
ウィジャボードは娯楽目的で発売された
大きく異なるのは、こっくりさんが日本では自然に流行していったのに対し、こちらは1892年、おもちゃメーカーによって売り出された娯楽(ゲーム)用品であったという点です。発売当初は本格的なオカルトグッズという認識はなく、仲間と盛り上がるためのパーティグッズに近い役割でした。
ウィジャボードのやり方について紹介!やり方は超簡単?
では次に、使用方法です。「こっくりさんに似ている」と先ほど触れたように、基本的な使用方法は同じと考えてよいでしょう。むしろゲームとして発案されただけあって、降霊術といってもはるかに簡略化された手順になっています。あまり本格的な儀式にしてしまうと、保護者達に気味悪がられて売れなくなる…という商業的な面もあったのでしょう。
ウィジャボードのプランシェットに手を添えるだけ!
ボードを購入すると、この画像のような形のプランシェットと呼ばれるツールが付属してきます。
基本的に2人以上がプランシェットに指をそえ、心霊の存在に呼びかけるという、非常にシンプルな使用方法です。
質問すればプランシェットが答えを指し示してくれる
まずは「あなたは誰ですか?」などの簡単な呼びかけから始めてみましょう。慣れてきた頃に本当に知りたかったことを、一人ずつ順に問いかけてみます。ふざけた質問をしたり、霊に対し無礼な口調で語りかけるのは危険ですのでやめておきましょう。
プランシェットの穴から覗くと霊が見える?
ほぼすべてのプランシェットには、このように円形の穴が開いています。その穴から覗き込むと、霊体が目視できるようになる…という言い伝えがあります。
「穴を覗き込むことによって正体を見抜く」という考えは世界中に存在し、日本にも次の記事のようなまじないが昔から存在しています。
ウィジャボードを終えるときには「グッドバイ」と言う
以上のように、特別難しいルールはありませんが、ただひとつ注意すべきことがあります。
全ての質問が終わった際には、必ず霊に対し「さよなら(Good-bye)」と別れの挨拶を告げましょう。さもないと降霊が終了しても霊がその場にとどまり続けることになってしまいます。
「ウィジャボード」と「こっくりさん」の違いとは
この項目では、私たちが一度は聞いたことがあるこっくりさんの手順と、ボードでの遊び方の違いに着目していきましょう。こっくりさんは紙に鳥居を描くことが多く、まさに日本固有の特徴ですね。アルファベットでなくひらがな、はい・いいえの項はあるけれどHelloやGood-byeにあたるものはありません。
ウィジャボードでは「プランシェット(木の板)」を動かす
最も目立つ特徴としては、プランシェットと10円玉の違いです。こっくりさんは基本的に自分たちで一から準備をするため、紙と硬貨という入手の安易なツールが選ばれました。
一方ヴィジャはプレイヤーによって作ることはほとんどなく、ボードとプランシェットは基本的にセットで購入されるものです。
ウィジャボードは何人でも参加ができる!
こっくりさんを行える人数は多くてもせいぜい4人(それでもぎゅうぎゅう)ですが、ボードには人数制限がありません。
指をのせていない人間も参加しているとみなされるので、ボードを囲んでいる全員がメンバーとなりえるのです。まさにパーティグッズらしい使い方ができますね。
呼びかけ不要?ウィジャボードはいきなり質問からスタート
また、降霊術に儀式性を見出し「おいでください」と丁寧に呼びかけるのがこっくりさんですが、ヴィジャの場合はすぐに質問を始めて問題ありません。
ただし終了する際に「お帰りください」や「さようなら」など、必ず別れの言葉を告げなければいけない(そうしなくては霊に憑りつかれる)とされている点は共通しています。
ウィジャボードが動く理由を徹底解説!なぜ勝手に動くのか
なぜプランシェットが勝手に動くのか?やはり心霊世界の存在はいるのか?その理由は長年解明されていませんでしたが、近年、とある欧州の研究者たちが本格的な調査に乗り出しました。
そして出された結論は「これは人間が作り上げた動作であり、幽霊は関係ない」というものでした。
デンマークの研究チームによって明かされた秘密とは
その結論は「プランシェットを操作している人のいんちきである!」…というものではありません。
40人以上の被験者とセッションを重ねた結果、表面的にそのような意図を持たずとも、人は無意識のうちに予想している回答に導かれてしまうという結果に至ったのです。
ウィジャボードは脳の予測と連動していた?
人間の脳は経験から法則を見出す性質があります。経験の構築には当然個人差がありますが、国や環境が近い人々が集まると、自然と共通点も多くなります。
たとえばプランシェットが(日本語であれば)「と」「う」「き」「ょ」…と順に指し示していけば、次に「う」と連想する人は多いのではないでしょうか?
参加者が次に進む文字を目で追っており指先が無意識に反応していた
意味のある単語が示される時、被験者は予想されるアルファベットを順に目で追い、次いで指先が追いかけるように動いていた、ということが実験で判明しました。
これらはほとんど無意識で行われており、後に被験者たちは「目に見えない力に指先が動かされた」と回答したそうです。
ウィジャボードとオートマティスムの関係
これはオートマティスムと呼ばれる身体の反射的な機能であり、誰にでも備わっているものである。つまり「勝手に動いている」という感覚は単なる錯覚あり、心霊現象は関係ない、というのが研究チームの最終結論でした。
仕組みが解明されてみれば、なんてことはない話でしたね。こっくりさんに起きているのも同様の作用なのでしょう。
ウィジャボードで実際に起こった恐怖体験とは?
ですが世の中には、理屈だけでは収まらない現象が数多く発生しています。かつての日本でもこっくりさんによって多くの児童が異常状態に陥り、ひどい時は自殺者が出る事態にまでなって、ついに大人たちが「こっくりさん禁止令」を発令したこともありました。
ここからはヴィジャによって引き起こされた怪奇現象を紹介していきましょう。
ウィジャボードの恐怖体験①他人の声で話し始めたペルー人男性
ペルーの若者たちがボードを使って悪魔を呼び出そうと遊んでいたところ、うなり声を出したり痙攣したりとだんだん様子がおかしくなり、ついには家族や周囲の人々を脅し始めるようになりました。
最終的に司祭による悪魔祓いが執り行われたといいます。この話は地元メディアにも取り上げられ大騒動になりました。
ウィジャボードの恐怖体験②病院送りとなったアメリカ人女性
メキシコのとある村では、降霊ゲームで遊んでいた女性が、呼び出した悪霊に憑依され、病院に搬送される事件が発生しました。
この動画が実際の映像になりますが、女性とは思えない獣のような唸り声で、暴れて手がつけられないためこのように拘束されています。また他のメンバーにも目が見えなくなるなど異常な症状が起きていました。
ウィジャボードの恐怖体験③アプリから憑依されたペルー人女性
また、中にはアプリから悪魔に憑りつかれてしまったというペルー人の女性も。
ほんの遊びのつもりで友人とヴィジャ・アプリを使い降霊ゲームを行っていましたが、しだいに顔色が悪くなり、泡を吹きはじめ、やがて見たけだもののように暴れ始めました。彼女はそのまま精神病院に入院し、原因を探りながら治療している最中だといいます。
ウィジャボードをする時の注意点!憑依されないようにするには
このように、事実異界の存在と交流してしまい、取り返しのつかない事態になった例も実在します。充分に注意を払って降霊術を行いましょう。
具体的に何を気を付けるべきか、以下に代表的な例を挙げていきますので、深く胸にとどめておくようにしてください。
墓地など霊が現れそうなところではウィジャボードをやらないこと
墓地・霊場・心霊スポットのような、不特定多数の霊がいると思われる場所では行わないようにしましょう。生きた人間にも同じことが言えますが、有象無象にいる誰かが、必ずしも良い影響をもたらしてくれるとは限らないからです。
特に死亡事故・事件現場などは無念の霊が漂っていることが多いので要注意です。
入手経路不明のウィジャボードでは遊ばないこと
それが新品であるなら何の問題ないでしょう。ですが中古の品は危険です。
もしかしたら悪い因縁を持ったアイテムかもしれませんし、最悪ボードそのものに霊が憑りついていることもあります。入手経路や由来が不明瞭なものは決して触らないようにしてください。
ウィジャボードには遊び半分で手を出さないこと
おもちゃとはいえ、これは古き降霊会のルーツを持ったオカルトグッズの一種です。遊びや好奇心など中途半端な気持ちで霊に呼びかけようとすると、最悪怒らせてしまうことになります。
ボードはいわゆる異界とのコミュニケーションツール。たとえ死者であっても、対話相手には礼節をもって接するようにしましょう。
ウィジャボードが判決に影響を与えた?驚愕の裁判とは
科学的な見地からは単なる反射機能と断じられましたが、実はボードが導き出した結果が裁判結果を決めてしまったという信じられない実例があります。