世界の絶滅危惧種は2万6,197種!
地球温暖化や大気汚染などの急速な環境変化から密猟などの捕獲をはじめとする様々な要因によって、絶滅危惧種として指定された生物は実に2万6197種に上っています。こちらでは絶滅危惧種の中にある段階分けから絶滅の危機に陥った原因について紹介しますので、たくさんの生命の危機について触れて欲しいと思います。
“絶滅危惧種”は8段階に分類される
国際自然保護連合(IUCN)によって絶滅危惧種のアセスメントが行われ、絶滅危惧種の野生生物をまとめたレッドリストが作成されます。絶滅の評価基準は8段階に分類され、危険度の高い順に「絶滅」「野生絶滅」「絶滅寸前」「絶滅危機」「危急」「保全対策依存」「準絶滅危惧」「軽度懸念」でまとめられています。
国際自然保護連合(IUCN)とは
生物の多様性保存を国家レベルで目指すために設立されたのが、国際自然保護連合(IUCN)です。「自然を尊び、保全する公正な世界」をビジョンとして生物の保護から管理、自然を保護していくための協議を世界規模で世界規模で行い、取り組んでいます。日本国内にはIUCN日本委員会という正式な国内委員会が設立されています。
日本におけるアセスメント
絶滅危惧種の選定は地球規模と国ごとで行われ、前者はIUCNにおいてアセスメントが行われます。後者は日本では環境省が主にアセスメントを実施し、評価結果を元にレッドリストを作成しています。一方でクジラ類や一部の海棲の軟体動物などは環境省ではなく水産庁が実施しています。
調査した生物の約3割が絶滅危惧種に!
IUCNが2018年に発表した絶滅危惧種に関するレッドリストによると、調査対象となった9万3577種の生物のうち、3割の2万6,197種もの生物が絶滅危惧種に分類されることになりました。特にオーストラリアの固有種については深刻で、外来種の害獣被害によって年間6億匹もの爬虫類が被害にあったと報告されています。
絶滅危機から脱却した個体もいる
IUCNや国をあげた保全活動を推進したことによって、絶滅寸前から脱却することに成功した動物も存在します。例えば日本ではかつて佐渡島が有名なトキが長らく環境省によって「野生絶滅」に指定されていましたが、野生保護活動の推進が功を奏し、今年評価段階がワンランク下がることが決定しました。
生物の絶滅は年々ペースが上がっている
約2億年前は1000年に1種類が絶滅するペースでした。時は経ち江戸時代頃の200年前には4年に1種類、100年前には1年に1種類、日本の高度経済成長期の1975年頃には1年に1000種類とペースが急速化しました。そして今や1年に4万種もの生物が絶滅していると言われており、しかも年々そのペースは上がっているのです。
紀元前時代に起きた大量絶滅
いわゆる地質時代と呼ばれている、かつて恐竜が生きていた紀元前の時代ではある世界的な天変地異によってその時代に生きていた生物たちが大量に絶滅するというイベントがありました。大規模な火山の噴火活動や急激な環境変化が当てはまりますが、これによって生態系が崩れ、また新たな生態系が形作られていったのです。
絶滅の危機に陥る主な原因とは……
これほどまでに多くの生物たちを絶滅の危機に追いやる原因は、主に人的要因によるものがほとんどです。特に昨今は発展途上国の経済開発が進んでおり、開発による大気汚染や森林伐採によって生息域を追いやられる生物は数多く存在します。また、固有種以外の外来種の移入による捕食被害も原因の一端となっています。
「環境危機時計」の針は9時47分に進んだ
核戦争による地球破滅を午前0時とし、地球規模での環境問題の危険度を時計の針で表した「環境危機時計」は2018年、14分進み9時47分となりました。9時〜0時の間が最も深刻な時刻を指しているので、現代の地球環境問題がいかに重篤な状態であるかがわかります。その被害を直に受けているのがまさしく野生生物たちなのです。
そもそも動物を絶滅から守る必要はあるのか
数多くの絶滅間近な動物たちが存在し、世界規模で環境問題に対して向き合う姿勢が取られている昨今ではありますが、日々の生活において動物たちとの接点はそれほどないのではと思われます。しかし、薬の成分や食料供給の手段として生物は欠かせない存在でもあります。生き物を救うことは人間の命を救うことでもあるのです。