マンボウの生態や死因の真実を紹介!実は食べても美味しい?

マンボウの体の色は個体のよってさまざまです。白っぽいものから銀色、黒ぽいもの、茶色の褐色のものなどいろいろ変化に富んでいおり、なかには水玉や縞模様のようなものを持った個体もいます。

魚なのに尾びれがない!?

マンボウは各ひれが独特の形に進化しました。もともとフグの仲間なのでフグと同じように腹びれはありません。そして背びれと尻びれが体の上下に大きく発達し、尾びれは退化してなくなってしまいました。そのかわり背びれと尻びれの一部が後方に変化してできた舵びれという特殊なひれが尾びれの位置についています。

マンボウは、この上下の背びれと尻びれを振って推進力を得て、尾びれの位置にある舵びれで方向を変えながら泳いでいます。その姿から泳ぎは下手で海中をただ漂っているだけのようにも思えますが、エサを取る時などは、意外と素早く海中を移動できることが観察からわかっています。

マンボウの生態②生息地・分布

世界中の海に分布

マンボウは世界中の温帯・熱帯域の海に分布しており、比較的水深の浅いところから、最大で水深800mほどの深さまでを行き来しながら生息しています。日本でも主に北海道以南で見られ、漁の定置網にかかってきたり、マンボウの不思議な習性の一つでもある、海に体を横たえてぷかぷか浮かんでいる姿を目撃されたりします。

カツオ漁やサンマ漁のようにマンボウ漁として漁獲される魚ではなく、身も痛みやすいので、これまで一般の市場にはあまり流通せず、主に宮城県から千葉県にかけての地域と、静岡県、三重県といった一部の限られた地域で食用とする習慣がありました。

実は絶滅の危険性あり?

日本も加盟している自然保護の国際団体である国際自然保護連合(IUCN)は「はえ縄漁やトロール漁などで混獲される例が多く、世界的に個体数が減っている可能性が高い」として、2015年にマンボウをレッドリスト(絶滅のおそれのある野生生物のリスト)の絶滅危惧II類「絶滅の危険が増大している種」に指定しました。

レッドリストは日本の環境省も1991年から独自のものを作成し随時見直しを行っていますが、海洋生物については、陸と陸水域の生物に遅れて2012年より作成が進められたという経緯があり、いまのところ日本の基準ではマンボウはレッドリストの対象外になっていませんが、今後の見直し次第では指定されることがあるかもしれません。

マンボウの生態③食性

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