マンボウの生態や死因の真実を紹介!実は食べても美味しい?

マンボウの死因にまつわる逸話はほかにもたくさんあります。もはや冗談としか思えないようなものもありますが、それらはただの誇張された都市伝説で、やはり事実ではありません。

  (誤)まっすぐしか泳げないために死ぬ
      ⇒(正)小回りはきかないが舵びれで方向調節可能
  (誤)深海に深くもぐりすぎて凍死する
      ⇒(正)水深800mくらいまでの深海はじゅうぶん生息域
  (誤)仲間が死ぬと悲しみのストレスでショック死する
      ⇒(正)近くに仲間がいる方が縄張り意識でストレスが増える
  (誤)皮膚が弱すぎて人間が触っただけで皮膚病で死ぬ
      ⇒(正)鱗がない魚で皮膚が弱いのは事実だが、そこまで弱くない
  (誤)直射日光が強すぎて死ぬ
      ⇒(正)ありえない

マンボウの都市伝説②三億個の卵を一度に産む?

確認された事実ではない

「マンボウは一度に3億個もの卵を産むが、生き残るのは2~3匹」というのもよく言われますが、これも正確な話ではありません。海という過酷な環境で無事に成長する個体が少ないというのは事実でしょうが、2~3匹というのは統計があるわけでもなく、何となくのイメージで、専門家でも正確なところはわからないというのが本当のところです。

そして「3億個の卵」というのも、実はかなり古い1921年のマンボウについての論文にある記述が、いまだに通説として使われているだけなのです。また卵も何回かに分けて産むらしいということがわかってきており、卵の数も個体の大きさで変わるので「3億個の卵を一度に産む」ということも、現在ではあまり根拠のある説ではなくなっています。

マンボウに旬はあるの?

産地では夏が旬

一般の市場への流通量が少なく、なかなか旬のイメージがつかみにくいマンボウですが、産地では夏が旬と言われているそうです。ただ、現在は冷凍保存技術も発達しているので、マンボウの料理を名物としている地域では、一年を通してマンボウ料理を味わうことができます。

美味しいマンボウ①お刺身・肝あえ

鮮度の良いものはお刺身でも

マンボウの身は鮮度の良いものはお刺身で食べることもできます。ただ、水分が多くあまり脂のない淡白な味わいの身で、普通のお刺身のようにわさび醤油だと、ちょっと物足りなさを感じることもあるので、さっと湯がいて締めた身をマンボウの肝を和えた酢味噌で食べると、肝の風味が加わってとても美味しくいただけるそうです。

肝和えでもっとおいしく

肝の風味をより生かすため、さっと湯がいた身に、マンボウの肝を醤油、味噌、お酒などに溶かし込んだたれにからめてしまう肝和えも、とても美味しいそうです。ちょっと強めの味付けが、お酒のお供やごはんのおかずにぴったりの一品になります。

美味しいマンボウ②珍味の肝・腸・皮

マンボウのレバ刺し

身と和えて食べる肝も美味しいですが、肝単体でも食べることができます。ただし、マンボウは比較的寄生虫が多いお魚です。肝でも身でも料理店で提供されるものや、生食用とパック詰めされた市販品は比較的安全と言えますが、完全な生の状態のものを食べる場合にはある程度自己責任が伴いますので注意してください。

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