シマアジとはどんな魚?
シマアジはその希少性、美食家を唸らせる品のある味わい、さらに釣り人を飽きさせない釣りごたえを備え合わせているなんとも魅力的な魚です。口切れしやすいことから獲物としての難易度は高いので、準備を万全にしてタイミングをしっかり見極めていくことが大切です。
大きさは最大1m22㎝にも!
平均的なシマアジの大きさは1m前後で最大1m22cm、重さ18kgにもなる大きな個体が確認されています。流通している天然ものだと70cm、養殖のものだと40cm程度。しかし1mを超える天然ものは流通量が少ないため、とても釣りがいのある魅力的な魚です。
1000匹を超える群れ
シマアジは大きな群れを作って生活している回遊魚です。沿岸から沖合の水深200m付近の領域を早いスピードで群れをなして泳いでいます。通常は100~200匹の群れを作りますが1000匹以上の大群になることも珍しくありません。海中では鏡のような青白い体表をキラキラと光らせダイバーを魅了します。
釣って楽しい食べておいしい魚
大きな体もさることながら魅力はなんといってもその美味しさにあります。養殖もされていますがそれでも高価でスーパーや市場に出回ることが少ないのです。釣って楽しく食べて美味しい、天然のシマアジはまさしく釣り人をワクワクさせてくれる海の幸です!
最近では養殖産業が盛んに進められているためシマアジ自体の供給は安定していますが、天然のものは数が少ないためとても貴重な魚として扱われています。大きければ大きいほどその単価は上がり、一尾1万~2万、上等なものだとそれ以上の値打ちがつけられます。これはぜひとも手に入れていただきたい魚です。
シマアジのおいしい食べ方
どんな味の魚?
シマアジはアジ類の中で最高級の食材として扱われています。白っぽい身なので白身魚のように見えますが実は赤身魚で、旨みのもとであるグルタミン酸をたっぷり含んでいます。微かに甘く上品な味わいとクセのない脂のバランスが絶妙でたまりません!
調理する時のポイント
シマアジは体のわりに頭が小さく、食べられる身が多い歩留まりのいい魚です。身は薄ピンクから乳白色で、上物だと琥珀のような色合いになります。天然と養殖でそれぞれ違いはありますが、程よく乗った脂と身の締まりを堪能するならやはり天然ものに限ります。
おすすめの食べ方
煮つけや塩焼き、ムニエルやカルパッチョなどレシピは数多くあります。しかし新鮮なシマアジはぜひ刺身やお寿司で食べてみてください。捌いたあとのアラを潮汁にしていただいても良いダシが効いていて美味しくいただけます。
魚は鮮度が命!釣れたてのものが一番美味!という決まりはありません。むしろシマアジの場合はあまりに鮮度が良すぎると身が硬すぎて食べづらい…なんてこともあります。寝かせる場合は好みや保存環境にもよりますが、1~3日ほど熟成させるように冷蔵庫に置いておくと身が柔らかくなり旨みがより引き出されるでしょう。
シマアジの基礎知識
普通のアジとは似て非なるシマアジ。大きな個体が釣ることに成功すれば自慢になることは間違いないでしょう!しかしシマアジは場所や時期に関係なく気軽に取れるような魚ではありません。釣りの道具をご紹介する前にまずは基本的な情報から抑えていきましょう。
シマアジの分類
シマアジはスズキ目アジ科に分類される海水魚の一種です。名前の由来は体に一直線のラインがあることから「縞鯵」、あるいは伊豆諸島や大小さまざまな島々での漁獲量が多いことから「島鯵」の名前がついたなど諸説あります。伊豆諸島では大型個体はオオカミ、小笠原諸島ではヌクモメなど地域ごとに違う名前で呼ばれることも多々ある魚です。
シマアジの生息地
東部太平洋、赤道付近の熱帯地域を除く世界中の亜熱帯と温帯海域に広く分布しています。日本では伊豆〜伊豆諸島、青森県〜九州南岸の太平洋沿岸に多く生息しており、日本海側では新潟県〜九州北部の沿岸、その他は九州西岸、屋久島、沖縄島以南の琉球列島に分布しています。沿岸から沖合いあたりの水深200m付近までの浅い海にいます。
シマアジの生態と習性
肉食性で主にイソメ類とエビ、カニなどの甲殻類です。大きな個体は小魚類をエサにしており、海水ごと小魚の群れを吸い込むように捕食します。鳴く魚でもありギュウギュウと変わった鳴き声を発します。繁殖期は冬で、生まれた稚魚は3年かけて親魚の姿に近づいていきます。
シマアジの特徴
シマアジの見た目は私たちには馴染み深いアジとはまったく別の分類の魚にも見えます。ですがそんなシマアジにもちゃんとアジの仲間であることが分かる特徴があります。もちろんシマアジにしかない特徴もここで説明していきたいと思います。
体の特徴について
最大の特徴は体の中央にある黄色もしくは黄金色に輝く一直線のラインです。その大きな体と重さから本当にアジの仲間?と疑ってしまいそうですが、尾柄にはゼイゴと呼ばれるギザギザのウロコを持っているためアジの親戚であることが分かります。
シマアジのガラスの口
シマアジ釣りの難易度が高い理由はその口切れのしやすさにあります。柔らかい唇は釣り針に引っかけることが難しく、さらにシマアジの重い体に引っ張られると針が外れてバレてしまうことが多いのです。そのことから釣り人たちから「ガラスの口」と呼ばれています。
群れを作って大きく回遊
シマアジは18~24℃の比較的温かい水温を好むため群れを作って快適な環境を探し求めています。普段は100~200匹程度の群れを作って浅場を回遊していますが最大で1000匹を超える大群もそう珍しくはありません。この群れを作る習性は若い魚に多く、歳を取るにつれ老いた魚はほとんどが単独で行動するようになります。
シマアジの釣りについて
シマアジ釣りの魅力、それは引きの強さにあります。大きな体は重ければ重いほど引っ張られるような程よい手ごたえがあり、慣れてくるとまるでゲームをしているような感覚で楽しく釣りをすることができます。場所や時期のタイミングが分かればより楽しくシマアジ釣りに没頭できるでしょう。
シマアジの釣りの魅力
釣り人たちの間では大きな個体のシマアジはオオカミと呼ばれています。天然のシマアジは希少で、その独特の引きの強さは釣りの醍醐味を存分に味わえるうえ、調理すれば上品な味わいが大変美味なのです。人気が集まるのも納得でしょう。
シマアジが釣れる場所
どこでも釣れる魚ではないので場所は限られていますが、有名な場所だと伊豆諸島の銭洲が好漁場で大物釣りにも最適です。シマアジは個体数の少ない、貴重な水産資源のため場所によっては禁漁期間が設けられています。産卵期に入る冬の間は禁漁をする釣り場もあります。
シマアジが釣れる時期
年間を通して釣れますが、おすすめの時期は特に天候のいい6月~8月です。この時期は秋冬の産卵期に備えて栄養を蓄えようとするため、食いつきが大変よくなります。夏から秋にかけては岸釣り、大物を狙うなら冬から春の船釣りが良いでしょう。
シマアジの釣りの種類
釣り方はさまざまで、そのなかでもコマセ釣りが初心者からベテランまで広く知られています。コマセとは魚を集める為に撒いたり、仕掛けのカゴに詰めたりする餌の事で寄せ餌(よせえ)や撒き餌(まきえ)などとも呼ばれています。次の項目ではそのコマセ釣りを応用した釣りのテクニックを紹介していきたいと思います。
シマアジ釣り仕掛け①:カゴ釣り
シマアジの釣り方はいくつもあるので、釣りをしたい場所、狙いたい獲物の大きさに合わせて手法を変えていくことが成功のカギを握ります。カゴ釣りは力づくで大物を引き上げることが出来る、他とは一味違う大胆な釣り方です。
カゴ釣りの仕掛けを紹介
名前の通り、コマセカゴにオキアミなどのエサを詰め込んで遠投に投げると水中でカゴがパカっと開く仕組みです。中のエサを放出させて魚をおびき寄せます。遠くを狙えるため、釣り場は堤防の先端など、水の澄んだ場所を選ぶといいでしょう。
カゴ釣りのコツを紹介
カゴ釣りはまっすぐきれいに竿を投げないと上手く遠投に届かず、左右に流れてしまいます。そして引きの強さに耐えられる腕力も必要です。豪快に思えますが、1m以上の大物釣りに適していて実は合理的な仕組みになっています。
竿をまっすぐ遠くへ飛ばすコツは実際に練習を重ねるか、上手い人のフォームを動画を見て覚えていくことしかありません。初めは難しいかもしれませんが、基本のフォームを研究しながら自分に合ったアレンジを加えていきましょう。
カゴ釣りを動画でチェック
シマアジは綺麗で流れのいい海水を好む性質から、水質の綺麗な堤防や岬の海中を回遊しています。潮溜まりといわれる泡やゴミの浮いているような場所にはまずいないと考えてください。他の回遊魚も狙えるため、場所によってはサバやマダイなど、様々な魚を狙える楽しい釣りになるでしょう。
シマアジ釣り仕掛け②:ウキフカセ釣り
ウキフカセ釣りはその名の通りウキを使った釣り方で、フカセ釣りの派生ともいえます。撒き餌を海に撒いてから魚をおびき寄せる、そのシンプルな手順は数ある釣りの中でも非常に効率のいい方法です。道具さえあれば軽快に釣れるでしょう。
ウキフカセの仕掛けを紹介
この釣りの最大の特徴は円錐ウキにあります。棒ウキでも出来ないことはなのですが円錐のほうが有利であるため効果は劣ります。なぜなら円錐のほうが道糸がウキの頭に出るため非常に使いやすく、挙動もとても素直なのです。
ウキフカセ釣りのコツを紹介
もととなったフカセ釣りはウキを使用しないのですが、ウキフカセ釣りでは誘導式のウキを使うことによってフカセ釣りよりも広い範囲の魚を狙うことが出来ます。海中の上層から下層まで全ての深さに対応しているため、全層釣りとも呼ばれています。