マグロの血合いってどの部分?
マグロといえば生の赤身やトロをお刺身や寿司でいただいたり、過熱して煮つけやソテーに、加工すると便利なツナ缶など、その食べ方は様々ですよね。今回はあまり注目されない、しかし魅力がいっぱいのマグロの「血合い」についてご紹介していきたいと思います。
マグロの血合いはこの部分!
赤身の部分に多くあり、色が最大の特徴でひと目見ればすぐ分かる黒っぽい色をしています。背の身と腹の身部分に集中しており赤身と白身の両方に存在しますが、マグロ、サバなどの赤身魚だと赤身のほうに多く偏っています。
マグロの血合いはあまり売られていないため食卓に並ぶことも少ないです。そのためピンと来ない方はブリの照り焼きや焼き鮭などを見てみると分かりやすいでしょう。皮の側に斜めについている黒い身が血合いにあたる部位です。
マグロの血合いは安い!
血合いの良さの一つ、それはリーズナブルでお財布に優しいお値段です。独特の臭みや見た目から敬遠されがちで栄養満点にもかかわらず格安で手に入ります。しかし調理次第でちゃんとおいしくいただけるので、スーパーや鮮魚店で見かけたらぜひ探してみてください。
マグロの部位の違いは?
マグロの血合いは他の部位と同じように見えてその味や健康への効果はちょっとずつ違うのです。ここではマグロの代表的な部位であるトロと赤身、そして血合いのそれぞれ何がどう違うのかを比較しながら解説していきたいと思います。
脂たっぷりのトロ
言わずと知れたマグロの希少部位です。マグロは全体的に高タンパクですが、トロはカロリーが高く、赤身は100gあたり多くても130kcalですが、トロだと100gで344kcalにもなります。寿司ネタとしても大人気の部位ですが、食べすぎには要注意です。
定番のマグロ
定番のマグロです。あっさりしていて食べやすく、一般家庭でもよく見かけられます。赤身にはタンパク質とセレンが含まれています。セレンには抗酸化作用があり、脂肪の酸化を抑えたりアンチエイジングに効果を発揮します。
栄養満点の血合い
血合いの魅力は手ごろな値段と豊富な栄養にあります。大きなパック入りのものが500円しないなんてことも珍しくありません。鉄分とタンパク質が凝縮されており、カロリー面ではヘルシーフードとしてもてはやされるササミに匹敵します。
マグロの血合いの下処理方法!
血抜きをしなければならない理由
なぜ血抜きを行うのか?それは血合いの最大の難点である臭みを取るためです。血合いには独特の生臭さと鉄の臭いがあります。しかし正しい血抜きを行えば、臭みを取り除いてマグロの風味もしっかり残すことが出来るのです。
しっかりと水洗いして血抜き
鍋かボウルに水を張り血合いを入れ、流水で身が崩れない程度にもみ洗いします。ボウルの水が血で滲まなくなったらキッチンペーパーを何枚も重ねて一晩冷蔵庫に置きます。その後はペーパーを取って塩を振り、水分を拭き取れば完成です。
水に漬け込んで血抜き
水を張った鍋やボウルに血合いを入れ、15分おきに水を変えながら1時間漬けておきます。臭みが程よく抜けてマグロの風味も維持できます。あまり長時間漬けているとマグロの風味まで抜けやすくなってしまうので注意してください。
下茹でも有効
臭みをしっかり取り除きたい場合は、血合いを茹でて酒を入れ弱火で5分程度煮込みます。生姜、青ネギなどの臭み消しを入れるとさらに効果的でしょう。茹で上がったら酒と塩を振り、出てきた水分を拭き取ればOKです。
他にも色々、下処理の方法!
濃い味付けならタレ漬け
水で洗ってもどうしても臭いが気になってしまう場合は、調味料に漬けてしまってもOKです。洗った後に酒、醤油、生姜などを混ぜた漬け汁に浸します。竜田揚げや煮つけなど味付けの濃い料理にぴったりの方法です。
キッチンペーパーで血抜き
臭みはあまり気にならないけど味を落としたくない…といった方に、軽く酒と塩を振りキッチンペーパーを重ねて一晩冷蔵庫に置く方法があります。しかし風味が残るといっても臭みが取れなければ意味がありません。これは血合いの臭みが強くない場合が適しています。
このようにマグロの血合いの下処理はさまざまなので、用途や臭みの度合いに合わせて上手く処理していきましょう。美味しく調理する準備が出来たら、次は血合いを使ったおすすめのレシピを見ていきましょう。
マグロの血合いおすすめレシピ①:ステーキ
材料(2~3人分)
- まぐろ(血合い肉)200~300g
- おろししょうが1片
- おろしにんにく1片
- 醤油大さじ2
- 酒大さじ1
- オリーブオイル大さじ1
- 塩適量
- コショウ適量
- 小麦粉適量
- お好みでポン酢やステーキソース
料理のレシピ
調理のポイント
マグロの血合いおすすめレシピ②:煮付け
材料(2~3人分)
- マグロ血合い肉300g
- 水1/2カップ
- だしの素小さじ1
- 砂糖大さじ2
- 醤油大さじ3
- 酒大さじ2
- みりん大さじ2
- しょうが適量
- 青ネギ1本
料理のレシピ
-
大きめのボウルに水を張り血合いを洗います。血が滲み出てこなくなったら取り出して水を拭き、キッチンペーパーに包み冷蔵庫へ。臭みが消えたら一口大に切って軽く下茹でしましょう。煮汁を火にかけ、薄切りのしょうがと青ネギを入れます。その後血合いを入れ、落とし蓋をして20分煮たら完成です。
調理のポイント
水を当てながら血合いの部分を軽く押すと臭みがよく抜け、軽く湯通しすることでアクを減らすことが出来ます。煮汁に臭みが移ってしまわないように、しょうがや青ネギなどの臭み消しを活用しましょう。出来上がった煮つけに小ねぎを散らすと彩りがいいです。
マグロの血合いおすすめレシピ③:ツナ
材料
- 血合い300~400g
- オリーブオイル100cc
- ブラックペッパー適量
- 塩適量
- ローリエ1~2枚
- にんにく1片
料理のレシピ
血合いに塩を振り、10分ほど置いたら臭みがなくなるまで水洗いします。一口大に切ったら水気を拭いて鍋に敷き詰め、ブラックペッパー、塩、ローリエ、薄切りのにんにくを入れます。オリーブオイルをたっぷり入れ10分ほど弱火でコトコト煮込んだら完成です。
調理のポイント
アヒージョのようにオリーブオイルで具材を煮込むだけなので簡単です。使ったオイルは捨てずにツナと一緒に冷蔵庫で保存しましょう。スパイスの香りと魚の旨みが移っているので様々な料理に使えます。下記に血合いツナとオイルを活用したレシピがあるのでご紹介したいと思います。
血合いツナのアレンジ方法
血合いツナアレンジレシピ①ツナとトマトのパスタ
材料(1人分)
- 市販のロングパスタ100g
- 血合いツナ50g
- トマト(缶詰でもOK)1個
- ニンニク1片
- 唐辛子1本
- ローズマリー2本
- 塩適量
- コショウ適量
- ツナオイル大さじ2~3
料理のレシピ
水と塩を大さじ1杯入れた鍋でパスタを茹でます。その間にオリーブオイルでにんにくと唐辛子を中火で炒め、香りがしてきたらツナとトマトを炒めます。ローズマリーを入れてひと煮立ちしたら、茹でたパスタを入れて味をなじませます。唐辛子を取り出し仕上げに塩コショウで味を調えて仕上げます。
調理のポイント
パスタの茹で時間は袋に記載されている通りに茹でてください。トマトの水気があるソースなので乳化は必要ありません。ローズマリーがなければバジルを召し上がる直前に入れてもOKですが、トマトとツナだけでも充分美味しくいただけます。
血合いツナアレンジレシピ②ツナたまサンド
材料(1個分)
- お好きなパン1個
- 血合いツナ30g
- 目玉焼き1枚
- スライスチーズ1枚
- レタス1枚
- パプリカ(赤・黄)それぞれ1/4程度
- ブラックペッパー少々
- バターもしくはマーガリン適量
調理のレシピ
軽くトーストしたパンにバターを塗ります。ツナは軽くオイルを切ってよくほぐします。パンの上に薄切りのパプリカ、レタス、スライスチーズ、ツナ、ブラックペッパー、目玉焼き、レタス、パプリカの順番で挟んでいきます。最後にパンがつぶれない程度に鍋のおもしを乗せると綺麗に仕上がります。
調理のポイント
挟むパンはバゲットでも食パンでもなんでも大丈夫です。春から夏にかけてのピクニックにピッタリです!もうひと手間加えたい方は、塩揉みした玉ねぎのみじん切りとマヨネーズ、塩コショウで味を整えたツナマヨを挟むとタルタル風味になります。
血合いツナアレンジレシピ③ニース風サラダ
材料(2人分)
- 血合いツナ70g
- じゃがいも中1個
- ゆで卵1個
- レタス2枚
- いんげん5本
- ミニトマト4個
- ベビーリーフ適量
- ブラックオリーブ6個
- ツナオイル大さじ3
- 白ワインビネガー大さじ1
- アンチョビペースト小さじ1
- おろしにんにく1/2片
- 塩少々
- ブラックペッパー少々
料理のレシピ
じゃがいもは一口大に切って10分ほど茹でます。レタスはベビーリーフと洗って水をよく切ります。いんげんは2分ほど茹でて冷水にさらしてスジを取ります。1~8の具材を食べやすい大きさに切ったらお皿に盛り付け、9~14を混ぜたドレッシングを加えて完成です。
調理のポイント
おもてなしにぜひ作ってほしい豪華なサラダです。ニース風サラダは横にバゲットを添えていただくサラダですが、ツナとじゃがいもとゆで卵を増やせば主役にもなります。いんげんは斜め切り、トマト、オリーブは縦半分に切ると彩りがよくおしゃれに見えます。
マグロの血合いおすすめレシピ④:竜田揚げ
材料(2人分)
- マグロの血合い300g
- 濃口醤油大さじ1
- 酒大さじ1
- みりん大さじ1
- おろしにんにく小さじ1
- おろししょうが小さじ1
- 片栗粉大さじ5
- 塩少々
- コショウ少々
料理のレシピ
マグロの血合いを臭みがなくなるまでよく洗って水気を切り、一口大に切っておきます。にんにくとしょうがをすりおろし、2~4を混ぜ合わせた調味液に15分程度漬けます。漬けたら軽く塩コショウで味を引き締め、片栗粉と混ぜ合わせ、180℃の油で揚げたら完成です。
調理のポイント
揚げたあとに3分ほど寝かせて2度揚げするとサクサクになります。味がぼやけないように塩コショウで味を引き締めることがポイントです。血合いはクセが強いので通常のマグロより濃いめの味付けでも大丈夫です。ビールによく合う一品です。
マグロの血合いおすすめレシピ⑤血合いのオーブン焼き
材料(3人分)
- マグロの血合い300g
- サツマイモ1個
- レンコン1個
- じゃがいも2個
- 玉ねぎ1個
- そら豆15個
- ブロッコリー6個
- 梅ペースト大さじ2
- みりん大さじ2
- 醤油大さじ2
- はちみつ小さじ1
- 塩少々
- ブラックペッパー少々
料理のレシピ
まずは梅ペーストを作ります。鰹節1袋、昆布茶小さじ1、、種を取った梅干しをミキサーでペースト状にします。血合いは下処理をして一口大に切って、8~11を混ぜ合わせた液に漬けます。サツマイモとレンコンは一口大に切って5分、ブロッコリーは1分、そら豆は皮の黒い部分に切り目を入れて2分茹でます。
レンコンは乱切りにして水にさらし、玉ねぎは串切りにします。食べやすい大きさに切った1~7の具材を天板に敷き詰め、血合いの液を回しかけます。塩コショウを振って160~180℃のオーブンで20分焼きます。焼けたら底の煮汁をフライパンで煮詰め、もう一度かけて完成です。
調理のポイント
そら豆は茹ですぎるとゴワゴワした歯ごたえになってしまうので注意してください。煮汁は具材の水分で薄くなりやすいので、フライパンで煮詰めなおすと味のはっきりしたソースになります。薄味に感じたら具材と液ごとフライパンで煮詰めてしまってもかまいません。