からすみとは?
からすみとは、魚の卵巣を塩漬けにして天日干ししたものです。塩辛いチーズのような濃厚な味わいが特徴で、薄く切ったものをお酒のおつまみに出したり、料理の隠し味や風味付けに使うことが一般的です。家庭に出回るのは完成品がほとんどで、珍しさも相まって高級食材として扱われています。
からすみの原料は?
ボラという大型魚の卵巣が原料で、味付けと防腐のために塩漬けと塩抜きの工程を繰り返して作られています。長崎県のボラのからすみが最高級品とされています。他にはサワラ、マグロ、タラ、サバの卵など、さまざまな魚から作ることもできます。
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からすみの名前の由来とは?
からすみという名前の由来は諸説ありますが、中国に古くから伝わる墨「唐墨」が有名です。からすみが中国から長崎へ伝来した安土桃山時代では、保存状態が悪く黒っぽい棒状の形が墨によく似ていたことから、からすみと呼ばれていました。現在は保存技術の進化により、オレンジ色のものが主流です。
からすみは日本3大珍味の一つ
からすみはウニの塩辛、ナマコを塩漬けにしたコノワタとともに日本の3大珍味といわれています。原料のボラは世界各地に生息する個体数の多い魚ですが、卵の流通量は少なく、カラスミの製造工程はとても手間がかかるため、高級品として扱われています。
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自家製からすみを作ってみよう!
からすみは完成品は高価なのでなかなか口にする機会がありませんが、自分で作ることは難しくはありません。必要な材料を手に入れて手順さえ理解すればお手軽に自家製のからすみを作ることが出来ます。まずは必要な道具を準備していきましょう。
準備するもの
必要なものは真子と呼ばれるボラの卵巣、真子の血抜きのためのマチ針、上質な粗塩、漬け込むためのお酒の4つだけです。真子の流通量は少ないので、自力で釣りあげるか、通販などで探すか、お近くの大きな鮮魚店や市場へ足を運んでみましょう。
真子
様々な種類の魚の卵巣が使えますが、主にボラの卵巣を使います。産卵期は10月から1月なので、その時期のものは色艶が良く身が詰まっており、形も大きい高級品として扱われています。産卵期を過ぎてしまうと、排卵のために身が小さくなってしまうので注意してください。
塩
基本的にはどんな塩でも構いませんが、余計な加工がされていない、雑味のある粗塩がおすすめです。加工された味塩などを使うと、からすみの味わいが損なわれてしまいます。特にボラの真子は高級品なので、美味しく仕上げるためになるべく上質な塩を使いましょう。
焼酎
薄い塩水で塩抜きをした後に、焼酎に漬け込みます。焼酎に漬け込むことで、ほどよく全体の塩が抜けて、香りづけもできます。焼酎の味や香りが苦手な方は日本酒で代用してもかまいません。ワインなどの洋酒でも香りづけできるので、お好みのお酒を使うといいでしょう。
マチ針
真子の中にある血管を取り除くために使います。見た目を綺麗にして味を良くするための大事な工程です。マチ針がなければ竹串などでも出来ないことはないですが、表面が破れないようになるべく細い針を使うことをおすすめします。
からすみの作り方①血抜き
生の真子は血管が目立っていて見た目が悪いです。そこで血抜きをすることによって、完成後の見た目がきれいになり、臭みも防止をすることができます。最も手間のかかる工程で、表面の皮を破ってしまうと後の工程が大変になってしまうので注意してください。
針で血抜き
血抜きをしないと臭みが残ってしまうので、まずは針で丁寧に血抜きをしていきます。表面の皮を破らないように、チクチクと垂直に小さく刺していくことがコツです。地道な作業ですが仕上がりに影響するので、細い血管まできちんと刺しておきましょう。
氷水に入れる
血抜きした真子を氷水に入れます。水の温度で血管が収縮することによって、血管に残っていた血が排出されて、浮き上がっていた血管がきれいに消えます。血が残っていたら、スプーンなどで優しく押し出すといいでしょう。
からすみの作り方②塩漬け
からすみの防腐と味を決めるとても大事な工程です。上下に大量の塩をまぶすことから「べた塩」とも呼ばれています。かなりの量の塩を使いますが、真子のサイズに合った容器を使うと塩の節約になります。
塩は惜しみなく使う
加工されていない上質な粗塩を使いましょう。精製塩や味塩でも出来ないことはないですが、せっかくの真子がもったいないです。また、塩の量が少ないと殺菌と抗菌効果が発揮されず、腐りやすくなってしまいます。惜しまず全体にまぶしてしまいましょう。
水分を処理
塩漬けから数時間経つと真子から水分が出てきます。1日1回は入れている容器ごと交換しておきましょう。その際は真子の塩もさっと洗い水気をよく切って、新しい塩をまぶしておくといいでしょう。面倒かもしれませんが、途中で腐ってしまうこともあるので、手間をかけるに越したことはありません。
からすみの作り方③塩出し
塩漬けの塩を水道水で取り除いたら、次は塩出しです。水1リットルあたり塩10gの薄い塩水の中に真子を丸1日漬けましょう。塩抜きの過程でカチカチに固まった真子が、水を含んでふっくらと柔らかくなります。