チヌについて知りたい!
そもそも「チヌ」という魚を知っていますか?チヌ=クロダイです。チヌという呼び名は主に関西地方で呼ばれており、東北では「クロ」、東京では「ケイズ」、北陸では「カワダイ」、山陰では「チンダイ」九州では「チン」と、地方によって呼び方が変わるのも特徴です。
チヌの生態を知ろう!
体長20~50cm、大きいもので70cm前後になる個体もいます。1年を通して泳いでおり、脂が乗った旬の頃は夏場ですが、春と秋が釣りやすいです。そしてチヌの特徴として、生まれた時はオスでも4~5歳に成長するとほとんどの個体は卵巣が発達し、メスになってしまう「雄性先熟」という性転換してしまう魚なのです。
チヌの身の特徴を知ろう!
身は歯ごたえがあり淡白な白身のため、様々な味付けが楽しめます。夏場の旬の頃になると、マダイよりも脂が乗っていて身がしまり非常に美味しいと言われている人気の魚なんです。ただ、生息環境によっては磯臭くなってしまう個体もいます。
一押しのチヌ料理をご紹介!
それでは、早速厳選したチヌ料理を9品ご紹介したいと思います。手の込んだ料理から簡単に出来る料理まで、来客があった時に使えるもの、自分ひとりでささっと食べたいもの、そしてお弁当のおかずまで。その時のシーンに合わせて是非調理してみてください!
一押しのチヌ料理①チヌの塩焼き
まずご紹介したいのは定番の「チヌの塩焼き」です。非常にシンプルな料理ですが、一番魚の素材そのままのおいしさが味わえる一品です。ポイントを押さえることで簡単に出来ますので、是非試してみてください。
チヌの塩焼きの特徴は?
強火で一気に焼くことで、皮がパリッとして香ばしい食感になります。1尾丸ごと焼く場合は、ウロコ、腹わたやエラなどを取ったあと、腹を開いて丁寧に血合いを取り除く下準備をしておくことがポイントです。血合いを取ることで生臭さが消え、身が美味しくなります。
チヌの塩焼きの材料は?
- 【チヌの塩焼き 2人分】
- チヌ 2尾(または切り身)
- 塩 適量
- レモン 少々
- 醤油 適量
- 酒 適量
- サラダ油 少々
- 大根おろし 適量(無くても可)
- 大葉 適量(無くても可)
チヌの塩焼きの実際の作り方は?
それでは早速作り方を見ていきましょう。素材そのものの味を楽しむため、臭みをしっかり取り除くことを忘れないように気を付けましょう。下準備をしっかりすればマダイにも負けない美味しさが味わえます。
実際の作り方:手順①
- 1尾丸ごとの場合は、ウロコ、腹ワタ、エラを取り、血合いを取り除く
- チヌに切れ目を入れ、酒で洗う
- 塩を振りかけ、30分~1時間置く(または、塩水に漬けておく)
実際の作り方:手順②
- キッチンペーパーで水分をふき取る
- 1尾の場合は、ヒレや尾に化粧塩をしておく
- 温めておいたグリルの金網にサラダ油を塗り、盛りつける側を上にして強火で約10分焼く
実際の作り方:手順③
- チヌをひっくり返し、更に5~6分焼く
- 皿に盛りつけ、大根おろし、大葉を添えて出来上がり。お好みで醤油をかけます
一押しのチヌ料理②チヌの竜田揚げ
大人から子供まで大好き、「チヌの竜田揚げ」です。鶏肉の唐揚げよりも油っぽくなくあっさりしているので、とてもヘルシーです。また冷めても十分美味しいので、お弁当のおかずにも使える一品です。
チヌの竜田揚げの特徴は?
から揚げは通常小麦粉で揚げるのに対し、竜田揚げは片栗粉をまぶして揚げるので、小麦粉で揚げるよりサクッとした食感の衣に仕上がります。また、十分に味を染み込ませて揚げるので臭みもありません。
チヌの竜田揚げの材料は?
- 【チヌの竜田揚げ 3~4人分】
- チヌ 1尾
- ショウガすりおろし 1カケ(チューブでも可)
- にんにくすりおろし 1カケ(チューブでも可)
- 醤油 250cc
- 酒 50cc
- みりん 50cc
- 片栗粉 適量
- 油(揚げる用)
- レモン(無くても可)
- 大葉(無くても可)
- ネギ(無くても可)
チヌの竜田揚げの実際の作り方は?
それでは早速作り方を見ていきましょう。つけダレの分量はおおよその目安ですので、チヌの量に応じて多めにしたり少なくしたりと、調整を。動画は一般的な作り方の一例ですので参考にしてみてください!
実際の作り方:手順①
- チヌは一口大に切り、骨を取り除く(既に切り身のものを買ってくると時短に!)
- ショウガ、にんにく、醤油、酒、みりんを混ぜ、漬けダレを作る
実際の作り方:手順②
- 漬けダレにチヌを浸し軽く混ぜ、15~20分置く
- 揚げ油を180℃くらいになるよう準備する
実際の作り方:手順③
- 漬けダレに漬けたチヌはキッチンペーパーで軽く水気を切り、片栗粉をまぶす
- 揚げ油でキツネ色になるまで揚げる(5分程度目安)
- 揚がったら、お好みでレモンを振り、大葉、ネギを添えて出来上がり。
一押しのチヌ料理③チヌの煮つけ
白飯に合う「チヌの煮つけ」です。煮物の味付けが苦手な方でも意外と簡単に作ることが出来ますし、一緒に豆腐や野菜などを煮込めばチヌからいい出汁が出ますので、具材に染み込んでとても美味しくなります。
チヌの煮つけの特徴は?
チヌの煮つけは、コトコトじっくり煮ることで臭みも無くなり、身も柔らかくなるのでお年寄りから子供まで安心して食べることが出来る料理です。また、数日であれば保存がきくのも嬉しいポイントです。
チヌの煮つけの材料は?
- 【チヌの煮つけ 3~4人分】
- チヌの切り身 3~4切れ
- 水 200cc
- 醤油 100cc
- 酒 50cc
- みりん 50cc
- 砂糖 大さじ2
- 豆腐 1/2丁(無くても可)
- 青ネギ 3~4本(無くても可)
- ししとう 3~4本(無くても可)
- ショウガ 2片(無くても可)
チヌの煮つけの実際の作り方は?
それでは早速作り方を見ていきましょう。ポイントは、煮汁を沸騰させてからチヌを投入するのではなく、鍋にチヌを入れ煮汁の調味料を入れてから沸騰させることです。そのことによって、アルコール成分がチヌの臭みを一緒に飛ばしてくれます。
実際の作り方:手順①
- チヌの切り身の厚い部分に切れ目を入れる
- 青ネギは4~5cm幅に切り、豆腐も3~4cm大に切る
- ショウガは薄切りにし、ししとうはさっと水洗いしておきましょう
実際の作り方:手順②
- 鍋に調味料、チヌ、ショウガを入れる
- アルミホイルなどで落とし蓋をし、強火にする
- 煮立ってきたら中火にし、15分ほど煮詰めましょう
実際の作り方:手順③
- チヌを皿に出してから、鍋に豆腐やネギなどの野菜を入れて煮る
- 煮えた野菜を鍋から取り出し、チヌに添えてから煮汁を上からかけて出来上がり。
一押しのチヌ料理④チヌのカルパッチョ
見た目は豪華なのに意外と簡単に作れる「チヌのカルパッチョ」。新鮮なチヌなら刺身で食べても十分美味しいですが、カルパッチョにするだけで、とても華やかな印象になります。ちょっと食卓に彩りを添えたい時、またはホームパーティーなどでも活躍してくれそうな一品です。
チヌのカルパッチョの特徴は?
レモンやオリーブオイルで味付けすることで臭みも消え、あっさりとした舌ざわりになるため軽く食べることが出来ますので、前菜などにオススメです。そしてお酒(特に白ワイン)によく合います。
チヌのカルパッチョの材料は?
- 【チヌのカルパッチョ 3~4人分】
- チヌの刺身 1皿
- スライス玉ねぎ 1個
- トマト(ミニトマト適量でも可) 1個
- サラダ菜、レタス、水菜、きゅうり、かいわれ大根など(無くても可)
- オリーブオイル 適量
- 黒こしょう 少々
- 塩 少々
- レモン 適量
- バルサミコ酢(普通の酢でも可)
- にんにく、ショウガ 少々(無くても可)
チヌのカルパッチョの実際の作り方は?
それでは早速作り方を見ていきましょう。火を使わずに調理できますので洗い物が少なくて済むのが嬉しいです。また添える野菜もお好みでにんじんの薄切り、クレソン、バジル、小ねぎ、パプリカなどを使っても彩りが良くなります。
実際の作り方:手順①
- 玉ねぎを薄くスライスし、水に漬けておく
- トマト、水菜、きゅうり、かいわれ大根などの野菜を切っておく
実際の作り方:手順②
- 皿にサラダ菜やレタスなどを敷き、スライスした玉ねぎを乗せ、バルサミコ酢をふりかける
- 野菜の上にチヌの刺身を並べ、レモンを振りかける
- オリーブオイルとにんにく、ショウガ、塩を混ぜておく
実際の作り方:手順③
- チヌの上にトマトなどを盛りつけ、先ほど混ぜたオリーブオイルを回しかける
- 上から黒こしょうを適量振りかけたら出来上がり。
一押しのチヌ料理⑤チヌのムニエル
続いては「チヌのムニエル」です。ムニエルと言えば、鮭のムニエルを想像する人が多いかもしれません。ですが、チヌのような白身でもムニエルにすると大変美味しくなります。メインディッシュにオススメです。
チヌのムニエルの特徴は?
小麦粉をまぶして焼くことで、外はカリッと中はジューシーな身を楽しむことが出来ます。ポイントは、小麦粉は焼く直前にまぶすこと、またあまり厚くならないよう均等に薄く付けましょう。そうすることでべちゃっとならず、軽い仕上がりになります。
チヌのムニエルの材料は?
- 【チヌのムニエル 4人分】
- チヌ 4切れ
- 玉ねぎ 1個
- パプリカ 1個
- トマト 1個
- パセリ 適量
- にんにく(すりおろし) 適量
- オリーブオイル 大さじ4
- 塩 適量
- こしょう 少々
- 小麦粉 適量
- 白ワイン 大さじ4(酒でも可)
- レモン 適量
- バター 適量
チヌのムニエルの実際の作り方は?
それでは早速作り方を見ていきましょう。ムニエルに添える野菜は別の野菜に変えたり、マッシュポテトを添えてもいいでしょう。色とりどりの季節の野菜をたくさん加えることで栄養価も高くなりますし、見栄えも良くなります。
実際の作り方:手順①
- チヌに塩・コショウを振り、皮に切れ目を入れる
- 玉ねぎ、パセリをみじん切りにし、トマト、パプリカを1cm角に切る
- 切った野菜に、塩・コショウし、にんにく、オリーブオイルを混ぜてソースを作る
実際の作り方:手順②
- フライパンでバターを熱しておき、チヌに小麦粉をまぶす
- 一旦フライパンの火を止めてから、チヌの皮の方を下にして弱火で焼く
- 身が半分くらい焼けたところでひっくり返し、更に焼く
- 全体に火が通ったら更に皮の方を下にし、強火で皮をパリッとさせる
実際の作り方:手順③
- 皮がパリッとしたところで、白ワインを投入する
- 白ワインの水気が飛んだら、チヌを皿に盛りつけて最初に作ったソースをかけて出来上がり
一押しのチヌ料理⑥チヌのアクアパッツァ
続いて「チヌのアクアパッツァ」です。本格的なイタリア料理で、見た目も華やかな一品です。調理が難しそうなイメージがありますが、意外と簡単に作れるのでちょっと豪華な食事にしたい時にオススメです。
チヌのアクアパッツァの特徴は?
チヌとあさりを一緒に蒸していく料理なので、あさりやチヌから出汁が染み出て一緒に煮込む野菜などがとても美味しくなります。また、コンソメなどの調味料は使用しないため、あっさりとした味になります。
チヌのアクアパッツァの材料は?
- 【チヌのアクアパッツァ 3~4人分】
- チヌ 1尾
- オリーブオイル 大さじ4
- にんにく 2片
- イタリアンパセリ 2~3本
- パプリカ 1個(無くても可)
- オリーブ 数個(無くても可)
- ブロッコリー 1/2株(無くても可)
- 白ワイン 200cc
- 塩 適量
- アサリ 1パック
- プチトマト 適量
- バター 大さじ1
- 塩・コショウ 適量
チヌのアクアパッツァの実際の作り方は?
それでは早速作り方を見ていきましょう。チヌには腹の中まで塩をまぶして揉んでおき、出た水分をキッチンペーパーでしっかりふき取る下処理を忘れずに。アサリは塩水に漬けて砂抜きをしておきましょう。
実際の作り方:手順①
- チヌに、みじん切りにしたイタリアンパセリ、すりおろしにんにく(チューブでも可)、オリーブオイルを混ぜ30分程度置く
- フライパンにチヌを投入し、中火で盛りつける方を下にして焼き、表面が焼けたらひっくり返す
実際の作り方:手順②
- 再びひっくり返し、白ワイン、塩、アサリ、プチトマト、その他野菜を投入し、蓋をして煮込む
- アサリが開いたら、弱火にしてからバターを入れる
- バターを溶かしながら、アサリやチヌにスプーンで汁をこまめにかけていく
実際の作り方:手順③
- トマトが崩れ汁気が減ってきたら味見をして、塩で味を整えます
- 皿に盛りコショウを振る。パセリを散らして出来上がり