ヤヌスの鏡ってどんな鏡?鏡のことではない?
「ヤヌスの鏡」というワードを聞いて、そもそも何なのか全くピンと来ない方もいらっしゃるかもしれません。「ヤヌスの鏡」とは1980年代に放送されたテレビドラマのタイトルです。放送終了して30年以上経った今も語り継がれる傑作ドラマなのです。
ヤヌスの鏡は大人気のドラマ名!
「ヤヌスの鏡」とは、フジテレビ系列で1985年12月から1986年4月まで全18話放送された連続ドラマです。原作は同名の漫画「ヤヌスの鏡」(作:宮脇明子)。大映テレビが手がけた作品の一つであり、平均視聴率16.5%の高視聴率人気ドラマでした。
ヤヌスの鏡のストーリーについて
普段は真面目で大人しい優等生「裕美」は、幼い頃に母を自殺で失い祖母に育てられました。幼い頃、その祖母から母親を非難する言葉の暴力、せっかんなどにより心を強く閉ざすように。しかしある時、当時のせっかんされていた時のガラスが割れる音などを聞き、突如粗悪な不良少女の「ユミ」になってしまいます。
大人しい裕美と夜の街を暴れまわるユミが交互に入れ替わり、めまぐるしく進んでいくストーリー。終盤、母の死の真相や祖母の末期ガンにより大きく物語は動きます。そして次第にユミが自ら一つの人格に戻りたいと願うようになり、最終的に一つの人格に戻ってハッピーエンドを迎えます。
ヤヌスの鏡の出演者は?
- 主人公:小沢 裕美(ひろみ)/ 大沼 ユミ・・・杉浦幸
- 大沼ユミの声・・・野口早苗
- 裕美の担任:堤 邦彦・・・山下真司
- 教職員:遠藤 浩一・・・石橋正次
- 体育教師:須長 義男・・・長谷川恒之
- 英語教師:栗田 圭子・・・賀来千香子
- 化学教師:磯村 治美・・・小出綾女
- 教頭:中山 充郎・・・大石吾朗
- 校長:森村 誠路・・・中条静夫
- 生徒:進東 哲也・・・宮川一朗太
- 生徒:阿部 純子・・・河合その子
- 生徒:竹中 明夫・・・竹内力
- 生徒:長田 直美・・・長山洋子
- 生徒:菅沼 正明・・・大山大介
- 生徒:戸塚 京子・・・荒井玉青
- 生徒:秋野 理江・・・百瀬まなみ
- 生徒:後藤 亮子・・・橋本薫子
- 生徒:征木 良介・・・小林栄次
- 生徒:中田 良子・・・玉岡加奈子
- 野獣会会長:東 涼子・・・大沢逸美
- 野獣会:麻倉 澄夫・・・佐藤健太
- 野獣会:斉藤 かおる・・・渡辺祐子
- 野獣会:西川 ルイ・・・河上幸恵
- 野獣会:山口 珠代・・・松尾久美子
- 野獣会:石川 ゆかり・・・川崎葉子
- 野獣会:石原 ヨシエ・・・石崎文也
- 野獣会:渡辺 美樹・・・井上香
- 野獣会幹部:南田 アオイ・・・柴田時江
- 六本木南署警部・哲也の父:進東 修一・・・蟹江敬三
- 六本木南署刑事:水沼 晋三・・・春日淳郎
- 河本家:河本 達郎・・・風見慎吾
- 河本家父:河本 達之・・・高橋悦史
- 河本家母:河本 美穂子・・・吉行和子
- 小沢家母:小沢 由紀子・・・杉浦幸
- 小沢家養父:小沢 一樹・・・前田吟
- 小沢家養母:小沢 みどり・・・小林哲子
- 小沢家祖母:小沢 初江・・・初井言榮
- 野獣会初代会長:杏子・・・中村晃子
- 小さな自動車修理工場の社長:高木・・・河原さぶ
- 純子の姉:阿部 美和・・・黒木優美
- 堤の亡くなった妻:堤 七七子・・・小林かおり
- 屋台のおやじ・・・坂口芳貞
- ラーメン屋店主の妻・元野獣会・・・梅沢昌代
- 裕美の担当医:水野・・・中島久之
ヤヌスの鏡の見どころはココ!
主人公の裕美とユミは杉浦幸さんが演じていますが、ユミの人格になった時に声だけは別の声優、野口早苗さんが演じています。それによってより別人感が強くなり物語に入り込めます。また、別人格になるきっかけを作った、冷酷無比で怖い祖母役の初井言榮さんの鬼気迫る迫真の演技は見ものです。
ヤヌスの鏡の主人公がかわいい!
ヤヌスの鏡の主人公、杉浦幸さん。雑誌『Momoco』に登場後、かわいい!と注目を浴び、このヤヌスの鏡で芸能界デビューを果たします。ドラマ内ではおとなしい裕美は可憐な花のように可愛く、不良少女のユミはナイフのような鋭さを持つ美人に変身。どちらの顔もとても魅力的なんです。
ヤヌスの鏡の主人公
杉浦幸さんは1969年4月5日生まれ、東京都出身、AB型。ヤヌスの鏡出演時はホリプロに所属しており、アイドルとしてドラマや映画などに出演、歌手としても活躍。その後ファイブシーズン・プロダクションに移籍、パチンコアイドルとして露出後、現在はフリーでバラエティやテレビショッピングなどに出演しています。
ヤヌスの鏡の主人公の魅力は?
相反する「裕美」と「ユミ」。杉浦幸さんはこのドラマが演技初経験だったこともあり、上手な演技とは言えなかったのですが、「裕美」は大人しく弱々しい性格だったことから逆にその控えめな演技がドハマリしました。ですので、裕美にきつく当たっていた祖母役の初井言榮さんに、いじめないで!と手紙が殺到したほどです。
魅力①顔
杉浦幸さんは全く違う2人のキャラクターを一人で演じなくてはいけない難しい役どころでした。ですが、裕美の時は守ってあげたくなるような頼りない表情をし、ユミの時は見事な一匹狼の不良の顔に変身と、杉浦幸さんのミステリアスな顔立ちが、まさにこの役どころにうってつけでした。
魅力②スタイル
ヤヌスの鏡出演時、杉浦幸さんは16歳。役も高校生でしたので肌を露出した服装などはほぼありませんでした。しかし18歳の頃、アイドルではイメージ的にタブーとされていた黒のビキニを着こなしアイドルの殻を破ると、その後もヌードグラビアなどをこなし、現在でもスレンダーなスタイルの妖艶な大人の女優として活躍されています。
魅力③:声
主人公の「裕美」と「ユミ」全く真逆のキャラクターなので、当然声を使い分けなくてはません。「裕美」の方は、杉浦幸さん本来のか細く控えめな優しい声がとてもマッチしていました。ですので「ユミ」の方のキツイ声色を出し切れず、ドラマ内では野口早苗さんという声優さんが「ユミ」の声を務めています。
魅力④:雰囲気
主人公の杉浦幸さんの魅力は、可憐で清純なアイドルの雰囲気そのものでしたが、裕美を演じている時、気の弱いキャラクターながら何か内に秘めているようなエネルギーを感じます。そのエネルギーが「ユミ」に繋がっていたのではないでしょうか。
ヤヌスの鏡主人公・杉浦幸さんについて
ここでは、ヤヌスの鏡主人公、杉浦幸さんの他のドラマ出演作品や現在の活動などを見てきましょう。ヤヌスの鏡での強烈な印象で一躍全国区となった彼女はその後も活動の幅を多岐に広げ、現在もなお一線で活躍中です。
杉浦幸さんの出演ドラマ作品
1986年10月期には、同じ大映テレビ制作、大映ドラマの一つである「このこ誰の子?」に主演。高校生でレイプされ妊娠という難しい役どころを熱演しました。その後は、はぐれ刑事純情派、世にも奇妙な物語、火曜サスペンス劇場など多数のドラマに出演しています。
杉浦幸さんの現在の活動
歌手としてはシングル8枚、アルバム9枚をリリースしています。趣味のパチンコがきっかけで、パチプロアイドルとしても活動、また麻雀の腕前も一級品で雀士の資格も有しています。現在ではバラエティ番組にも多く出演、2018年1月11日には、犬用の洋服ショップをオープンさせました。
- 杉浦幸オフィシャルブログ https://ameblo.jp/miyuki-sugiura/
- mauMina~マウミーナ~ https://maumina.com/
ヤヌスの鏡の主題歌について
ドラマ「ヤヌスの鏡」は、衝撃的なストーリーと展開もさることながら、主題歌の「今夜はANGEL」も大きな話題となりました。ドラマ冒頭でも入りますが、毎回ラストシーンのいい場面でこの曲が入り、あ~もう終わりか!と次回の話が楽しみで待ちきれなくなるのです!
ヤヌスの鏡の主題歌は?誰が歌っている?
1986年1月にリリースされた「今夜はANGEL」。椎名恵さんのデビューシングルです。1984年のダイアン・レイン主演映画『ストリート・オブ・ファイヤー』の挿入曲「今夜は青春(Tonight Is What It Means to Be Young)」のカバーであることから、英語の詞も多く含まれています。
ヤヌスの鏡の主題歌もヒットした?
「今夜はANGEL」オリコンでの最高順位は7位。26.4万枚の大ヒットとなりました。ドラマにぴったりの壮大なメロディーと歌詞。そして当初は椎名恵さんがテレビで曲を初披露するまではベールに包まれた謎のシンガーとして話題だったこともあり、メディア露出後は更にリリースを伸ばしました。
ヤヌスの鏡の主題歌アーティストについて
「今夜はANGEL」を歌う椎名恵さんは、1959年8月3日生まれ、北海道出身。高音と低音の幅が広く、のびやかで力強い歌声の実力派シンガーです。元々バックコーラスの仕事をしていましたが、実力が認められ27歳の時、この曲でソロデビューしました。
椎名恵さんのその他のヒット曲
「愛は眠らない」「LOVE IS ALL ~愛を聴かせて~」「悲しみは続かない」は、いずれもドラマ主題歌として大ヒットしました。また「風に抱かれて」はアニメ「超時空ロマネスク SAMY MISSING・99」の主題歌として起用、「ハート・オン・ファイアー」は三菱石油のCMソングと、多方面にてヒット作を飛ばしています。
椎名恵さんのその他の活動
たくさんのヒット曲をもつ椎名恵さんですが、自らの楽曲だけにとどまらず、岡田奈々さん、丸山みゆきさん、森口博子さんらに詞を提供しています。また近年ではボイストレーナーなども務め、後進の指導にあたっています。
ヤヌスの鏡と言えば、大映ドラマ!
ヤヌスの鏡は、大映テレビの制作、いわゆる大映ドラマの一つです。1980年代一世を風靡した大映ドラマは、過激なストーリーと描写、子供には見せられないようなシーンも多くありましたが、当時の子供達はこぞって毎週テレビをチェックし翌日学校で話題にしていたものです。その大映ドラマヒット作の一部をご紹介します。
ポニーテールはふり向かない
- 放送:1985年10月12日~1986年3月29日
- 出演:伊藤かずえ、松村雄基、鶴見辰吾、坂上忍、片平なぎさ、野々村真、ほか
- 主題歌:「Never Say Good-Bye」小比類巻かほる
- あらすじ:少年院上がりの少女(伊藤かずえ)が、様々な困難を乗り越え仲間を集めバンドを結成していく物語。
スチュワーデス物語
- 放送:1983年10月18日~1984年3月27日
- 出演:堀ちえみ、風間杜夫、片平なぎさ、高樹澪、山咲千里、長門裕之、ほか
- 主題歌:「Flashdance… What a Feeling」麻倉未稀
- あらすじ:スチュワーデス訓練生の松本千秋(堀ちえみ)が教官(風間杜夫)との恋愛や、訓練生仲間達との友情や対立を経て、一人前のスチュワーデスになる物語。
スクール☆ウォーズ 〜泣き虫先生の7年戦争〜
- 放送:1984年10月6日~1985年4月6日
- 出演:山下真司、岡田奈々、松村雄基、岩崎良美、小沢仁志、坂上二郎、和田アキ子、梅宮辰夫、伊藤かずえ、ほか
- 主題歌:「ヒーロー HOLDING OUT FOR A HERO」麻倉未稀
- あらすじ:ラグビー日本代表だった滝沢賢治(山下真司)が教師となり、荒廃しきった高校ラグビー部を全国優勝にまで導く物語。
少女に何が起ったか
- 放送:1985年1月8日~3月26日
- 出演:小泉今日子、辰巳琢郎、賀来千香子、柳沢慎吾、石立鉄男、宇津井健、ほか
- 主題歌:「摩天楼ブルース」東京JAP
- あらすじ:母の死後、野川雪(小泉今日子)は実父と知らされた東家に使用人として上京。東音楽大学に特待生として入学後、幾多の困難を乗り越えピアノの腕を上達させていく物語。
ヤヌスの鏡ってコミックもある?
漫画「ヤヌスの鏡」(作者:宮脇明子)は、週刊セブンティーンで1981年~82年にかけて連載されました。その後集英社文庫よりコミックが発売されており、また電子書籍版でも発売されています。
ヤヌスの鏡のコミック版について
集英社文庫(コミックス版)から全4巻発売されていますが、内容はヤヌスの鏡本編のほか、秘伝(10年後という設定のサブストーリー)、原説(祖母に関するサブストーリー)が収録されています。更にヤヌスの鏡の20年後の物語を描いた「ヤヌスの鏡 メタモルフォセス」は別巻にて発売されています。