コノシロ ってどんな魚?
コノシロはいわゆる「光り物」と言われる魚で、好き嫌いが分かれると思いますが、淡白な白身ゆえ色々な味付けが楽しめて、様々な料理にすることが出来る魚なのです。まずはコノシロがどんな魚なのかを紹介していきたいと思います。
コノシロの名前の由来
コノシロの名前の由来には、実に様々な言い伝えが残されています。戦国時代前までは「ツナシ」と呼ばれていましたが、現在では「コノシロ」または「コハダ」と呼ばれるようになりました。その由来を見ていきましょう。
コノシロの焼いたにおい
下野に住んだ長者のひとり娘が美人だったので、常陸の国司がこの娘を召すことになったが、有馬王子と忍び逢いをして妊娠してしまったので、娘の親が“娘は病死した”といい、「つなし」を棺桶に入れて焼いた、すなわち“娘の代わりにした”=“子の代”にした。(引用:ぼうずコンニャクの市場魚介類図鑑)
つまり、娘には恋人がいたため国司とは結婚したくなかったため、娘を思った両親が娘は死んだと国司に見せかけるため、焼くと人体が焦げたようなにおいのするツナシを焼いて誤魔化したということから、を子の(コノ)代(シロ)わりにした、という説です。
その他の説
大量に獲れることから「飯の代わりにする魚」という意味でのコノシロ(飯代魚)や、書物『慈元抄』『物類称呼』によると、子供の健康を祈り地中に埋めたことからコノシロ(児代)と呼ばれたとあります。また、コノシロ=「この城」であり、傷むと腹が切れるため「腹切魚」とされ、武士には忌み魚とされていました。
色々な地方名
現在でも、関西地方では「ツナシ」と呼ばれており、佐賀県では「ハビロ」、高知県では「ドロクイ」「ジャコ」と呼ばれています。コノシロを漢字で書くと「鰶」または「鮗」など。また韓国では「ジョノ」と呼ばれ、よく食されている人気の魚なのです。
コノシロ の生態・特徴
成魚は25~30cm。体は左右に平たく口先は丸いです。背中は青緑色で黒い斑点が並んでおり、腹側は銀白色で小骨が多いのが特徴です。日本では、東北地方南部より南の西太平洋などに広く生息しており、プランクトンや小型の甲殻類を食べます。産卵期は初春から初夏で、直径1.5mm程の浮遊卵を産卵します。寿命は約3年です。
コノシロ の釣り方
釣り期は秋~冬にかけて。初心者であればサビキ釣りをオススメします。サビキ釣りとは糸に針を複数付け、一番下にアミカゴをつける釣り仕掛けの事で、アミエビを撒いておびき寄せる釣り方です。また、大きいコノシロを釣りたい場合はルアー釣りになりますが、ソフトルアーではなくハードルアーの方が大物が釣れます。
コノシロ は出世魚
コノシロは出世魚のため、4、5cmくらいの幼魚時代には「シンコ」、7~10cmの大きさを「コハダ」、13cmくらいになると「ナカズミ」、15cm以上になった大きな成魚を「コノシロ」と呼びます。一般的にはコノシロかコハダと呼ばれることが多いですね。
コノシロ の捌き方
ここでは、コノシロのさばき方を見ていきましょう。コノシロは小骨が多いので下処理にはひと手間必要になります。このさばき方を覚えておけば、どのコノシロ料理にも応用できますので試してみてください。
コノシロ の捌き方:手順①ウロコ取り
コノシロを流水で洗い流したあと、包丁でウロコを取っていきます(またはウロコ取りや金たわしで)。ポイントは氷水にコノシロを漬けておくことです。その方が簡単にウロコを取ることが出来ます。
コノシロ の捌き方:手順②内臓取り
まず頭を切り落とし、腹の下の方からアゴ部分まで包丁を入れ、内臓を取り出します。取り出したら流水で綺麗に洗い流しましょう。血合いが残っていると臭みの原因になります。さらに臭みを抑える方法として、4%程度の塩水でゆすぐか、酢水でゆすぐとより効果的です。
コノシロ の捌き方:手順③三枚おろし
腹の方から背びれに沿って薄く包丁を入れ、尾の方までおろします。そしてもう一度包丁を入れ、中骨の上の方に沿うような感じで尾までおろします。尾の付け根から身が外れたら、外れた身を持って中骨に沿って身を骨から丁寧に外します。反対側も同じように身を骨から外しましょう。
コノシロ の捌き方:手順④腹骨と小骨の処理
腹側を左側に、尻尾を手前にして置き、骨の背中側に包丁を入れて腹骨をそぎ落とします。この時に身を取り過ぎないよう気を付けます。もう1枚も同様に取りましょう。あとは手で取れそうな小骨はピンセットなどで抜いておきます。刺身にする場合は身に切れ込みを入れておきます。
コノシロ の捌き方:手順⑤皮はぎ、酢〆
皮が厚く気になる場合は、手でゆっくりとはぎます。特に頭に近い部分は皮が厚くなっています。酢〆は、7(酢):1(水)の割り酢に漬け、上からキッチンペーパーをかけ冷蔵庫で15分ほど置きます。酢〆の料理にしない場合でも、一度酢にくぐらせることで臭みを取ることが出来ます。
コノシロ の捌き方を動画で見てみよう!
初心者では魚をさばくのはなかなか難しいものです。動画では初心者でも簡単に出来るよう説明されていますので参考にしてみてください。まずは大きいコノシロではなく、小さめのコノシロで試してみると良いかもしれません。
コノシロ 料理のレシピを見てみよう!
それでは早速コノシロ料理の色々なレシピを見てみましょう。コノシロ料理を作ったことがない方でもポイントを押さえれば意外と簡単にできますので、たくさん釣れた時や安く手に入った時など、是非挑戦してみてください!
コノシロ 料理レシピ7選①:「大根葉とこのしろのお刺身丼」の作り方
コノシロと言えば、まず思い浮かぶのが刺身だと思います。こちらのレシピは、定番の刺身をどんぶりにした画期的で美味しく、これだけでお腹いっぱいになるレシピです。時間が無くても、こちらは短時間で出来てしまうのでオススメです!
材料とワンポイントアドバイス
材料は、コノシロ刺身、ご飯、大根葉、わさび、刺身醤油、白ごまです。大根葉が無い場合は、大葉やカイワレ大根などの他の野菜に変えても美味しくいただけます。わさびもチューブのものでOKです。
おいしい作り方
1尾をさばいてから作る場合は、しっかりと酢で洗って臭みをとり、骨切りをし、残った小骨も丁寧に取ってから使いましょう。スーパーなどで刺身になっているコノシロを買ってくれば、調理の時短になります。
コノシロ 料理レシピ7選②:「コノシロの酢締め 」の作り方
続いてはこちらも簡単に出来る「コノシロの酢締め」。夕食のメニューにあともう一品欲しい時、お酒のおつまみになど、メインの料理ではありませんが、一度作れば数日日持ちするスーパーサブ的な一品です。
材料とワンポイントアドバイス
材料は、コノシロ、塩、酢のみです。砂糖や昆布を加えても美味しいです。酢締めは材料も少なく、味付けも簡単なのですが、冷蔵庫で寝かせたり酢に漬けて時間を置く料理なので少し余裕を持って調理すると良いでしょう。
おいしい作り方
酢に漬けている時はただ漬けっぱなしにするのではなく、たまに容器を揺らしたり表裏をひっくり返したりしてまんべんなく全体に酢が染み込むようにすると酢が身に行き渡り、より美味しくなります。
コノシロ 料理レシピ7選③「コノシロの唐揚げ」の作り方
続いては「コノシロの唐揚げ」。コノシロ料理は酢を使うものが多いですが、唐揚げにしてもとても美味しいのです。油で揚げるので特有の臭みや小さい骨も気にならず、ご飯のおかずに最適な一品です。
材料とワンポイントアドバイス
材料は、コノシロ、塩コショウ、ショウガ、にんにく、酒、醤油、片栗粉、揚げ油です。コノシロは3枚におろしたあと、骨切りをしておき、低温からじっくり揚げ、最後は高温で揚げることで衣がサクッとした食感になり、身はフワフワになりますのでやってみてください。
おいしい作り方
片栗粉が無い場合は小麦粉で揚げても可ですが、片栗粉の方がカラッと揚がるためオススメです。片栗粉をまぶす際もコノシロの水気をキッチンペーパーで押さえて十分に取り、また厚くまぶし過ぎないよう気を付けましょう。
コノシロ 料理レシピ7選④「スパイシーコノシロフライ」の作り方
続いては「スパイシーコノシロフライ」です。フライと言うと難しそう・・・と思うかもしれませんが、ポイントを押さえれば意外と簡単に作れるのでオススメです。エビフライにも負けず劣らず美味しいですよ。
材料とワンポイントアドバイス
材料は、コノシロ、卵、小麦粉、パン粉、クミン、チリパウダー、塩(シチリア産岩塩)、黒コショウ、白コショウ、イタリアンパセリ、サラダ油(揚げる用)です。塩は普通の塩でも可ですが、シチリア産岩塩の方が素材に良く馴染むのでオススメです。
おいしい作り方
揚げる時のパン粉にスパイスを混ぜておくと魚の臭みが無くなります。また辛いのが好きな方はチリパウダーを多めに、小さいお子さんが食べる場合は少なめにしましょう。出来上がりの際、レモンを多めに絞るのもポイントです。
コノシロ 料理レシピ7選⑤「コノシロ(こはだ)の南蛮漬け」の作り方
続いては「コノシロ(こはだ)の南蛮漬け」です。南蛮漬けにすると野菜もたくさん摂れるため、栄養価も非常に高い一品です。普通の酢漬けのコノシロ料理に飽きたら、一手間加えて南蛮漬けを作ってみてはいかがでしょうか。