かつおの旬はいつ?
今やかつおは食卓に欠かせない食べ物、スーパーでは1年中出回っていてお値段も手頃なものがあります。しかしそんなかつおにも旬があるのは当然のこと。『戻り鰹』『初鰹』そんな言葉を聞いたことがある人も多いはず、でも実際かつおについてどれほど知っていますか?かつおという魚について詳しく見ていきましょう。
かつおの生態・特徴
濃い藍色のかつおですが、その見た目の最大の特徴は頭から尾にかけての縦縞模様でしょう。しかしこれは死んだ時にでる模様で、生きている興奮時には横縞が浮き出ています。カツオは暖かい海を求めて回遊する魚なので、黒潮にのって春には北上、秋には南下して日本近海の太平洋側に現れます。
かつおの旬は年2回
春と秋に旬を迎えるかつおですが、春に北上してきたもので、その年初めて水揚げされたものを初鰹と呼びます。食品業界では一般的に漁獲量の多い高知県で獲れたものを言います。そして秋頃には北上していたかつおがUターンをして南下してくるので、この時期のものが戻り鰹と呼ばれるようになりました。
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かつおの旬「初鰹」と「戻り鰹」の違い
一括りに同じ旬と言えども、獲れる時期が違えばかつおの味にも違いがでてくるのは当然です。その味わいの違いが分かれば、それぞれのおすすめの食べ方や調理方法も見えてくるはず。ここでは初鰹と戻り鰹の特徴について説明していきます。
「初鰹」と「戻り鰹」味の違い
4月~6月に旬を迎える初鰹は、ほとんど脂ものっていないのでさっぱりとした味が特徴です。特に初夏にかけてはさっぱりと食べられる初鰹は人気が高いです。逆に南下してきた戻り鰹は回遊して栄養を豊富に蓄えたもの、脂の乗りが良く口の中でとろけるような触感が魅力的です。
たたきには初鰹、刺身には戻り鰹
さっぱりとした初鰹はたたきに向いています。ネギやしょうが、ニンニク等の薬味をたっぷりのせて食べる初鰹は格別です。栄養を豊富に蓄えている戻り鰹は鰹としての味も濃いので刺身で味わうのが良いでしょう。ただしこれには好みも分かれるので、魚特有の味が苦手という人には、薬味をたっぷりつけてのたたきの方がおすすめです。
かつおのたたきとは?
全国的にスーパーで並んでいるものの多くはかつおのたたきです。鯖と同様にかつおは生では傷みが早い魚なので、どうしても表面を炙ったたたきの方が多く出回ります。そんなかつおのたたきについて説明していきます。
かつおのたたきといえば高知
かつおのたたきの由来は諸説あります。その一つが土佐藩主が生食を禁止したことに由来するもの。当時刺身で食べられていたかつおでしたが、食中毒を危惧した土佐藩主が生食を禁止し、考えた庶民たちは表面だけ焼いたものを焼き魚と称して食べたといいます。これが思いのほか美味しく、今でも続くようになったというわけです。
かつおのたたきは寄生虫予防の側面も
かつおにつく寄生虫は3種類、そのほとんどが内臓や筋肉に潜んでいます。テンタクラリアという寄生虫は白色の細長い寄生虫、見た目の気持ち悪さから嫌われていますが人体には無害とされています。気を付けたいのはアニサキス、こちらは胃に穴をあけたりするので注意しましょう。表面を炙るたたきはこういった寄生虫の予防する側面もあります。
かつおのたたきの本場高知の旬はいつ?
かつおのたたきの由来が土佐に関係することもあってか、高知県はかつおのたたきの本場とされています。かつおは回遊魚なので、漁業場によって旬といわれるものが多少ずれますが、かつおのたたきの本場高知では一体何月が旬とされているのでしょう。
3月〜4月が高知の初鰹の旬
食品業界では高知で水揚げされたものを初鰹と呼んでいますが、その初鰹の旬が高知では3月~4月となります。さっぱりとした初鰹は脂質が少ない上に栄養価が特に高く、昔から寿命の延びる食べ物、初物として重宝されてきました。
10月〜11月が高知の戻り鰹の旬
脂ののった戻り鰹は高知では10月~11月に旬を迎えます。『土佐の一本釣り』として名前を聞いたことがある人も多い、伝統的な漁法が高知では行われています。一本釣りではかつおに余計な傷がつかず、また冷凍直前まで生かしておくことができるので鮮度の良いものが漁港に並びます。これが美味しさの秘訣でもあります。
高知の旬のかつおの食べ方
かつおのたたきというとポン酢が一般的ですが、本場の土佐では塩で食べる『塩たたき』が主流なのをご存知でしょうか?鮮度の良いかつおだからこそ、塩で食べることで本来の美味しさを味わうことが出来るというものです。また、薬味と一緒にお酢を加えることも高知ならではの食べ方ですね。
日本人とかつお
日本人にとってかつおはなじみ深い魚、昔から食べられてきました。特にダシ文化のある日本において、かつお節の存在はとても重要な位置付けとなっています。ここまでご紹介してきたように長い歴史の中で食べられてきたかつおですが、実際にはどれほど昔から日本人はかつおを食べてきたのでしょうか?
かつお節の原型は3世紀からあった?
実は3世紀中ごろの弥生~古墳時代には、かつおを干して堅くしたものを調味料として使っていたことがわかっています。鰹という漢字は干して堅くしたものを食べていたことが由来であるとも言われているのです。その後室町時代に焙煎という技術ができ、今のかつお節が完成されました。
高知県の訪れたい市場2選
かつおで有名な高知県、太平洋と隣接しているので海の幸に恵まれています。高知県を訪れた際はかつおをはじめ、新鮮な海産物をたくさん味わいたいものです。ここではぜひ訪れたい市場を2つご紹介していきます。
久礼大正町市場
高知道中土佐ICから5分のところにある食べ歩きにぴったりな市場、久礼大正町市場。ここでは鮮魚店が多く並び、中には店で買った魚をその場で刺身にしたり焼いたりして、併設している食堂で食べれるお店もあります。市場外にもお店がたくさんあるので、土佐の美味しいものを食べながらお散歩するのもいいですね。
ひろめ市場
JR高知駅から車で5分ほどにあるひろめ市場、ここでぜひ訪れたいのはかつおのたたきで有名な『明神丸』です。店頭で焼き上げるかつおのたたきを目当てに、観光客を中心に人だかりが出来ています。他にも飲食店をはじめ、お店が60店舗ほど並んでいるので行く価値ありです。
おいしい旬のかつおの選び方
旬が2回あるかつおですが、自分で買うならできるだけ美味しいかつおを選びたいと思うのが普通です。スーパーで売っているようなものから1本丸ごとまで、どこを見れば鮮度の良い美味しいかつおを見分けられるかをご紹介します。
かつお1本丸ごとの選び方
なかなか1本丸ごと買うことは一般の人には難しいかもしれませんが、そもそもどういったかつおが鮮度の良いものかを知っておくことで、ほかの魚にも応用することが出来ますし、お店や漁港に行った時に役立つこともでてくるでしょう。