クリスタルスカルとは?
古代文明の謎をさらに深める水晶でできた髑髏とは、一体どんなものなのでしょうか。見た目の特徴から構造、古代文明から伝わる言い伝えなど、色々と奥深いその特徴について具体的に説明していきます。
水晶で作られた人間の頭蓋骨
水晶髑髏とはその名の通り水晶で制作された髑髏です。つまり人間の頭蓋骨の形をしており、その材料には水晶が用いられていました。髑髏と聞くとつい不気味だとかマイナスなイメージを持ってしまいがちですが、透明感のある水晶で作られていてとても綺麗なものでした。
一番最初に発見された髑髏の重さは5キロほどで、高さ17センチ、長さは前から後ろまでが17.5センチ、幅は12.5センチ。さらに驚くほど透明感があり、その作りはとても精巧なものでした。
1927年にヘッジスによって発見
水晶でできた髑髏は1927年に最初に発見されました。探検家のヘッジスという人物がその存在を公表しました。ベリーズ南部にあるマヤの遺跡ルバアントゥンを探検中に、太陽の光を浴びて輝く透明な髑髏と出会ったと言います。発見者は正確には彼の養女であるアンナだったそうです。偶然なのかその日はアンナの17歳の誕生日でした。
ヘッジス氏はその大発見があった後、探検を中断して髑髏を私蔵します。それほどまでに髑髏の美しさと魅力にとりつかれてしまったのでしょう。後の分析で、発見された髑髏を人間の顔にすると、マヤ人であるモンゴロイド系の女性の顔付きになることが分かりました。
クリスタルスカルにまつわる噂
髑髏にはいくつかの不思議な噂があります。中には世界や人類にかかわる内容のものも多く、マヤの文明に伝わる伝説と関連性があるのではとの見方もあります。諸説ある中の一部の噂をここでご紹介します。
クリスタルスカルは予言の能力を持っている?
水晶の髑髏には、「人類の未来を予言する力が秘められている」という説があります。マヤ歴の最終日、2012年12月21日に世界が破滅するという伝説がありましたが、その真相も髑髏はあらかじめ予言していたかもしれません。
クリスタルスカルは全部で13個?
水晶で作られた髑髏はこの世に13個存在していると言われています。アンナ氏が発見した髑髏を中心に置いてからその周りを取り囲むように12個を並べたとき、大いなる力が生まれるとされ、世界が破滅から守られる、宇宙に秘められた謎が暴かれるなど、さまざまな言い伝えがあります。
水晶で作られた髑髏たちは現在世界中のあちらこちらに点在しているため全てを集結させるのは容易ではありませんが、一つ一つが神秘的なパワーを秘めているのだと考えると、伝説を信じていつか全ての髑髏が集結しその力が発揮される日を待ち望んでいる人は少なくないでしょう。
クリスタルスカルの特殊効果
アンナ氏が遺跡で出会った水晶の髑髏にはさらに特殊な効果がありました。その効果を発揮させるのは髑髏に「光を照射する」という方法です。それはただ表面的に見ただけでは分からない、髑髏の不思議な構造に秘められていました。
髑髏に光を下部分から照射すると、催眠効果が生まれると言われています。眼孔が独特のプリズム構造を持っていて下から射した光が眼窩に集中するようになっており、そこから出た光を凝視しているとその人はものの一分あれば催眠状態に陥るのです。それはまるで超能力のようで、髑髏が持つ力が伝わってくるようです。
太陽光で虹色に光る
太陽の光でも不思議なことが起きます。陽を髑髏に照射すると全体が虹色に光ります。それは見た者が思わずため息を漏らしてしまうほど美しく、神秘を感じさせます。なぜこのような特殊な仕組みになっているのか、どのような意図があるのかは、未だに分かっていません。
クリスタルスカルの原料の水晶とは?
水晶の髑髏は名前の通り一個の水晶を原料にして作られていました。水晶は現在でもアクセサリーや指輪などに使われることが多く、名前自体は聞く機会が多く身近な存在だと思いますが、水晶がどのような素材なのか具体的に知っている人は多くはないと思います。
硬度が高く割れやすい
水晶は硬度が高く非常に割れやすい素材です。そのため、工具などを使って加工をしようとすると衝撃を加えたときに簡単に割れてしまいます。そのため水晶を加工するのならば、手作業での地道な加工を余儀なくされるでしょう。
加工に時間がかかる
水晶が割れないよう工具を一切使わず手作業で加工をするならば完成させるまでは途方もない時間がかかります。推定300年以上かかると言われています。実際に300年以上かけて髑髏を複数制作したと考えるのはあまりにも非現実的であり、さらに謎は深まるばかりです。
クリスタルスカルの精巧さ
1970年代の後半、アンナ氏はHP(ヒューレット・パッカード)社を訪れ髑髏の分析を依頼しました。髑髏を受け取って分析をし、出た結果を見た同社が驚いたこと。それは、前代未聞とも言っていい髑髏のあまりの精巧さだったのです。
作成は科学的に不可能?
HP社の分析ではアンナ氏が持ち込んだ水晶の髑髏に工具などが使われた形跡も見つかりませんでした。さらに彼女の髑髏は水晶の自然軸に反した加工が施されたものだということも分かりました。硬度の高い水晶は本来自然軸に沿って加工をしないと簡単に割れてしまうため、このような作りは極めて珍しく、不自然でした。
工具を使わず手作業で眼窩に光を集中させたり全体を虹色に光らせる構造まで計算され、これほどまでに精巧に作り上げるのは、現代の技術を持ってしても不可能なのではないかと言う科学者もいます。HP社の技師が思わず「こんなものが存在するわけがない」と驚嘆の声をあげるほどでした。
下あごが取り外せる
さらに水晶の髑髏は下あご部分が取り外せる作りになっていました。なぜこのような仕組みになっているのかは謎ですが、人々の間では髑髏が言葉を話す、パズルのピースのように他の髑髏と下顎を交換すると何かが起こるなど憶測が生まれています。もしかするとさらなる特殊効果などを秘めたままの可能性もあります。
クリスタルスカルはオーパーツか
不可解な点がいくつも存在している水晶の髑髏。しかも髑髏は一つだけではなく複数作られています。古代に作られたのであればその技術力の高さには驚きですが、果たして水晶の髑髏は古代文明が遺したオーパーツなのでしょうか。
精巧にできすぎている
現代でも不思議だと声があがるほど精巧にできている水晶の髑髏を工具を一切使わずに作るには途方もない時間がかかることは前述の通りです。人間が作るのは現実的ではないと結論付けた人々はやがて、もしかすると人間以外が作ったのではないかという説を囁くようになりました。地球外生命体が制作したのではないか、と。
宇宙人の技術?
水晶で髑髏を精巧に作ったのが人間以外と考えたとき、まず人々の頭に浮かんだのは宇宙人でした。宇宙人の技術は未知数ではあるが地球人よりもさらに優れた技術を持っているに違いない、その技術を用いて宇宙人が精巧な水晶の髑髏を複数作り地球に置いていったのだ、という見解が生まれました。
水晶の髑髏を13個集めて一箇所に置くと宇宙に秘められた謎が暴かれるという伝説があったため、なおさら宇宙人による髑髏制作説は人々の間で信憑性を持って広まることとなりました。地球外生命体について気になる方はぜひ以下の記事もご覧下さい。
実はクリスタルスカルはたくさん作られていた?
アンナ氏の髑髏が話題に上った後、水晶で作られた別の髑髏をさらに新しく発見したという声がぽつりぽつりと出はじめました。その数は少しずつ増えていき、現在では何と20種類以上にのぼります。
マヤの文明に伝わる伝説に関わる13個の他にもたくさんの水晶で作られた髑髏がこの世に存在しているという驚きの事実が明らかになりました。大いなる力を秘める13個とは、これらのうちのどれなのでしょうか。