エドゲインは異常な連続殺人鬼!サイコパスを作った母の洗脳と歪んだ生い立ち

全米史上最も倒錯した殺人鬼エドゲイン。エドゲインを犯行へと追いやった母親オーガスタの影響と性的倒錯への道。エドゲインは一体何人殺害し解体してきたのか、そして性的倒錯のトリガーとなった生い立ちと異常な母との関係を解説します。

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異常な連続殺人鬼・エドゲイン

1950年代、アメリカ全土を揺るがす大事件が発覚しました。犯人の名はエド・ゲイン。彼は20世紀における稀代の猟奇殺人犯と呼ばれています。

女性2人を殺害しましたが、世間を震撼させたのは殺人そのものより、彼の死体に対する常軌を逸した執着です。そこには彼の特殊な生い立ち、特に実母との異常な依存関係が関係していました。

1957年11月エドゲイン逮捕!

1957年、ウィスコンシン州。近隣女性の行方不明事件に関連しているとして警察の家宅捜索が入り、エド・ゲインは逮捕されました。

直前までは単なる強盗殺人事件と思われていましたが、立ち入った家の中で警察は、具現化した妄執と狂気を目撃することになります。犯行に巻き込まれた被害者は、近隣に暮らす2人の女性でした。

第1の犯行「酒場の女主人マリー・ホーガン」

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最初の殺人は1957年、地元でバーを経営していたマリー(メアリー)という女性でした。その年の冬、店に血痕を残したまま行方知れずになっていましたが、当初はエドが殺害に関与していることは気づかれていませんでした。

厳密にいえば「発覚した限り最も古い被害者」であって、他にも犠牲者がいた可能性もあるといいます。

第2の犯行「雑貨店経営バーニス・ウォーデン」

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1957年の秋、金物屋の主人バーニスの行方が知れない、店に血痕があると通報がありました。警察は店内で銃殺されたと判断。前日一緒にいたというエドの家に家宅捜索に入ります。

これにより彼の殺人と、作り上げてきた悪夢の世界が世間に露呈することになりました。次からお伝えするのはその詳細な内容です。

エドゲインの家を家宅捜索!そこには人の体を加工した「作品」が


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エドの邸宅に押し入った警官は、そこに広がる地獄さながらの光景を目にしました。

そこには死体、死体、死体。まるで狩猟の成果を誇るように、家じゅうが加工された死体で飾り付けられていました。あまりの事態に警官がソファに崩れ落ちると、そこにあったクッションの中から捜索対象でバーニスの生首が出てきたのです。

1957年11月16日エドゲイン屋敷家宅捜索

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あまりに現実離れした状況に、警官は恐怖のあまり笑いが込み上げてきて狂いそうだったと言います。またこの場にはエドの邸宅にはバーニスの息子も同行していました。行方が分からなくなった母親を案じ、エドが怪しいと疑っていた人物です。

一刻も早く家族の安否を確認したかった彼は、さらに凄まじい光景を目にすることになります。

警察が目にした戦慄の「吊るされた死体」

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何よりも目立っていたのは、首なしの逆さづりの死体でした。狩猟後の獣を処理するように人間を切り開き、内臓を処理し、そのまま飾るように吊るしてあったのです。

この亡骸こそが、警察が探していたバーニスでした。彼女の息子は変わり果てた母の姿に、狂ったように泣き叫び続けたといいます。

人骨と人肉が散らばる床


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家の中はすさまじい散らかりようで、人の血肉や骨があちこちに散乱し、ゴミと汚物にまみれ、ここで人間が生活しているとは思えないような惨状でした。

台所がもっともひどく、鍋の中からは心臓が発見されたことから、死体を食すこともあったようです。また食器として人骨を加工した形跡も発見されました。

人の皮を張った家具

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ランプシェード、ブラインド、インテリア、バッグ…。邸宅のあらゆる場所から、皮膚や骨など人間を素材とした家具・アイテムが発見されました。寝室の枕元まで頭蓋骨で飾り付けられていたといいます。

これらを確認した警察は、さらなる異常事態に怖気立つことになりました。「家じゅうの死体を合わせると、明らかに2人分では済まない…」と。

エドゲインは母を求めて墓荒らしを行い、死体を掘り起こす

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殺害人数は2人でしたが、エドは墓場を荒らし、亡骸を掘り起こして素材に利用していたのです。つまり、殺人は手段のひとつでしかなく、エドの目的は死者の肉体を入手することでした。

彼が好んで選ぶのは、恰幅が良く、中年を過ぎた女性の遺体です。では、なぜエドは狂気的なまでに執着をつのらせたのでしょうか?

満月の夜に墓荒らしをするエドゲイン

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エドは人気のない真夜中を見計らい、夜な夜な墓地に赴いては、決まって女性の墓だけを暴きました。その中からまだ朽ち切ってはいない、比較的状態の良い遺体を選んで自宅に持ち帰ったのです。

当人の申告によると1947年から5年の間、40体以上も盗み出し、持ち帰っては解体したり食べたといいます。

エドゲインの目的は母親に似た死体

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彼は特に、自分の母親と容姿の似た女性に執心していました。常人には理解の及ばない発想ですが、母によく似た亡骸を切り刻み家具や衣類に加工、家じゅうに飾り付けていたということです。

警察が暴いたエドの邸宅は、彼が死体から剥ぎ取った、彼の母親の面影で充満していたのです。

エドゲイン「母に似た死体」への性的倒錯

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エドは実母の姿に似た遺体に性的な興奮すら覚えて、人道を逸した倒錯を追及し続けました。逮捕時、すでに彼の精神は均衡を崩していたため、殺害した人数すらおぼろげでしたが、殺人事件として立証されたのは上記2件のみ。他はすべて死体損壊でした。

一体彼はなぜ、そこまで「母」という存在を追い求めるようになったのでしょうか?

エドゲインの異常な生い立ちと母からの洗脳

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エドがこのような猟奇的な嗜好を抱くようになったのは、その生い立ち、何よりも母親との関係が大きいとされています。

彼の生みの母であり、支配者であり、聖母であり、教師であり、倫理であり、すべての女であった人、オーガスタ・ゲイン。彼女の歪んだ価値観がこの凶行の種子となり、息子・エドワードを生涯縛り続けたのです。

母オーガスタ・ゲインの異常な男性嫌悪

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エドはオーガスタ家の次男であり、兄と共に厳しくも深く母に愛され育ちます。ですが父は酒に溺れ仕事も続かず、暴力もあり家庭は荒んでいました。

厳格なキリスト教徒である母に離婚という選択肢はなく、しかし段々と夫を憎むようになり、元来持ち合わせていた男性嫌悪を肥大させ、いつしか男性そのものが「悪」だと考えるようになりました。

母の考えにより外の世界から隔離されて育つ

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母の思想は徐々に独善的な方向を向き始めます。まず財産を売り払って農地を買い取り、町から離れた場所に家を建てました。そこで隣人との交流を絶ち、家族ごと世界から隔離します。

外界は汚れ、悪に満ちていると息子たち説き、聖書の教えだけを信じるよう厳命しました。全ては息子を彼女の理想通り育てるため、父親のようにしないためでした。

男性としての自分に対する嫌悪感の刷り込み

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「夫がだらしなく暴力的なのは、男だから」。そう考えた彼女にとって、男性や性にまつわる存在は悪魔そのものでした。本当は娘が欲しかったと言い放ち、ペニスに唾をかけるよう命令し、我が子の特徴すら悪の象徴として徹底的に否定したのです。

この価値観はエドの人格形成に深く影響し、彼は自分の性を受け入れられず生涯苦しむことになります。

母を否定する兄ヘンリーとエドゲインの確執

こうしてエドは抑圧された環境に押し込められ、母の態度も年々悪化してゆきましたが、彼は一人苦しんだわけではありませんでした。同じ立場である兄がいたからです。

ですが成長するにつれて、兄弟の思想はだんだんと相違を見せるようになります。法的には確定していませんが、これはおそらくエドにとって最初の殺人の物語です。

隔絶された環境下で唯一の話し相手「兄ヘンリー」

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極端な教育方針のもと育ったエドは、同年代の友達をうまく作ることができませんでした。母が説くのは偏った聖書の教えばかり。

そんな中で唯一の話し相手であり、友人でもあったのは兄・ヘンリーだけでした。母も兄弟が仲良くすることには肯定的であったため、二人は助け合いながら成長してゆきます。

母オーガスタの呪縛から解かれた兄ヘンリー

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父の死後、ヘンリーは農場で働くようになり、町の人とも交流するようになりました。そこで世間の価値観を学んだ彼は、徐々に母の思想に疑問を抱きはじめます。

弟・エドは母を盲信しひたすら愛していましたが、それも否定されるようになりました。母からの支配を肯定し、苦難の受容を選択したエドにとって、これは何より許しがたい裏切りでした。

兄ヘンリーの死とエドゲイン

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1944年、農場の近くで原野火災が発生し、消火活動に赴いたヘンリーが行方不明。後に遺体となって発見されました。頭部に外傷があり、死因は窒息死だったものの、結局火災にまつわる事故として処理されます。

消火には弟・エドも一緒に向っていたはず。人気のない場所で火事を起こし、兄を誘い出して殺害した犯人は、おそらく…。

エドゲインの性的倒錯

母は神の教えを息子に説いていましたが、エドにとっては母こそが神でした。そんな彼女に生まれついた「男」という性を徹底して拒まれてきたのです。

エドは従順な教徒になろうと、成長のあかしである「性」の欲求を必死に押し殺し続けました。やがて母の死後、それはいびつな形で芽吹くことになります。

性行為を罪だとする母と生き場を失う欲求

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母は性交渉を強く憎み、大罪であると息子に厳しく言い聞かせました。彼女の愛する信仰は本来、誕生や性を祝福するものでしたが、男性への憎悪がその矛盾を隠していました。

この誤った教育により、エドは性行為に生涯嫌悪と罪悪を抱き続けることになります。それは後の事件でも徹底しており、死体への凌辱を疑われた際も明確に否定しています。

男性である自己の否定と女性への変身願望

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やがてエドは「男」をやめること、女性への性転換を強く望むようになります。これは一般的に言う性同一性障害とは異なり、変身願望の一種です。ただ愛する母に望まれる存在になりたいという、幼子のように健気な心からくるものでした。

1950年代にはすでに性転換手術が始まっており、その影響を受けて性器の切除も考えたといいます。

解消できない欲求と死体解体からの快楽

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行き場を失ったエドの欲求は、生きた女性でなく死体へと向かうことになります。

死んだ人間であれば、性交渉という前提なしに思うがままに扱うことができる。性衝動は感じていたものの、本来の目的は女性の肉体を観察するため、その構造を自分に取り入れるために墓を暴いたのだと言います。

神聖化する母オーガスタ

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父と兄を亡くし、母子2人きりで過ごす日々の中、エドの中ではますます母の存在が肥大し、神に等しい崇拝の対象として神格化されてゆきました。

町の人とは相変わらず深くかかわることはなかったものの、母さえいれば彼は満足でした。しかし敬虔で平穏な日々も、いつしか終わりを告げることになります。

エドゲインが崇拝する母オーガスタの死

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1944年、オーガスタは病に伏し、翌年には亡くなっています。葬儀の際、エドは子供のように大声で泣きじゃくりました。他の誰も気づきませんでしたが、神が死に、真の孤独がやってきたからです。

彼はそれからも至って真面目に過ごし、町でも「物静かで丁寧な善人」として信頼されていましたが、ついに社会に溶け込むことはありませんでした。

遺体荒らしのターゲットは母親の面影を持つ女性

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母の死後ほどなくして、エドの墓荒らしが始まりました。母のように恰幅のよい女性ばかりを狙いました。エドがなるべき理想の女性像はオーガスタ・ゲインその人だったからです。

解体し、構造を観察した後は、食べ、飾り、身に着けることで同化を目指しました。彼の人生を再び母への愛で満たすために。

エドゲインのゴミ屋敷と母の綺麗な部屋

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警察に暴かれた時、エドの邸宅は悪鬼の巣のように人肉と汚物にまみれていましたが、母が使っていた部屋だけは封じられ、生前と変わらぬ状態が保たれていました。他の箇所と違いここだけは丁寧に修繕してあったといいます。

そこは絶対汚してはならぬ聖域であり、彼の中で母親の存在がいかに大きかったかを表しています。

逮捕後のエドゲインのその後とは

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エドの事件が報道された後、そのあまりの猟奇性にアメリカ中が大騒ぎになる中、1958年、エドワード・オセドア・ゲインはバーニス・メアリー両女性殺害容疑で告訴されます。

世間はエドを「悪魔、早く極刑に処すべき」という論調でしたが、弁護士はすぐに精神障害を主張、専門家立ち合いのもと鑑定が行われることになりました。

統合失調症と診断され精神病院へ

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精神鑑定の結果、エドは統合失調症を患っており、責任能力がないと認められました。その後は収監を逃れ、州立病院に身柄を移されています。

10年後、再び災難が行われ、第一級殺人罪が適応、精神病院への無期限の入院が命令されました。刑務所に入ることはなかったものの、エドが社会に出ることは二度とありませんでした。

1984年エドゲイン呼吸不全で死去

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それから数十年、エドは心乱すことなく穏やかに年月を過ごしました。患者や職員からも好かれる、事件の残虐性などまるで感じさせない温厚な人柄だったといいます。

そして1984年、がんからくる呼吸不全により77歳で生涯を閉じました。母の呪縛に囚われ続けた日々がようやく終わりを告げたのです。

死後エドゲインの墓があらされる

出典:Wikipedia

死後、エドの墓はニュージャージー州の共同墓地に埋葬されましたが、いたずらなどの目的で墓石はたびたび破壊されました。

また冒険がてら石を削って盗む者も出没したため、現在は作り直した墓を移転、群保安局の敷地で管理されるようになりました。もとの墓石は博物館に展示されています。

エドゲインの車が見世物小屋へ

エドの資産はすべて競売にかけられることになりました。

犯行時使用されていた車も興行主に買い取られ、稀代のサイコキラーが使った「人食い車」として全米で見世物にされましたが、ゆく先々で地元民からの抗議や警察からの中止命令が頻発したため、自然と車は行方知れずになりました。

サイコパス「エドゲイン」の倒錯コレクション

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ここからは、エドが収集した死体を使ってどんなものを制作していたのか、詳細にお伝えしたいと思います。

画像もレプリカ品ではありますがかなり生々しく、相当にショッキングな内容になりますので、心臓の弱い方はどうぞこの項目を避けるようにしてください。

「エドゲイン」の倒錯コレクション①ランプシェード

室内用ランプのかさの部分に、人の顔の皮膚を張り付けた作品です。目、鼻、口と生前の容姿をはっきり残す気味悪さでしたが、皮をはぐのが難しい部分を巧みに加工しており、警察もその技術力の高さに舌を巻いたといいます。

エドの邸宅には電気が通っていなかったため、ろうそくを使用していたと推定されます。

「エドゲイン」の倒錯コレクション②スープボール

頭蓋骨の頭部を横一文字にカットスープボウルです。下あごを外し前後逆につけ直して、高さを調節する衣装も凝らしていますが、頭部の骨にスープを入れたら隙間だらけでこぼれてしまいます。

普通の食器を置く台座にしていたり、ただの飾りであったという説もあります。

「エドゲイン」の倒錯コレクション③ベルト

胴体の乳首部分だけを連ねて飾りにした、世にも悪趣味なベルトです。強度を考えると決して実用性はありませんが、こうして女性の肉体を加工し、装飾することはエドにとって重要な意味を持っていました。

身につけている間は彼もまた女性に近づき、汚らわしい男の性から逃れながらも、性の高揚を得ることができるのです。

「エドゲイン」の倒錯コレクション④太鼓とバチ

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またエドは楽器のようなものも作り上げていました。人間の皮膚で太鼓を作り、骨でばちを作って叩き鳴らしながら墓荒らしに出向いていました。夜の墓地は無人のため人に気づかれることはなかったといいます。

もはや遺体の収集は彼にとってひとつの儀式になっていました。

「エドゲイン」の倒錯コレクション⑤マスク

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エドは遺体からはぎとった皮膚を繋ぎ直し、マスク状にしてかぶることもしていました。こちらも太鼓と同じように、墓地に赴く際の衣装に用いられています。エドの気分を高揚させる効果がありました。

加工は非常に丁寧であり、腐臭腐敗を防ぐ手順がきちんと取られていたといいます。

「エドゲイン」の倒錯コレクション⑥胴着

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胴体からはがされた皮膚はエドのための胴着にされました。きちんと男性の身体にあうサイズにつなぎ足され、しかし女性の乳房の形を残したままであったといいます。

これは彼が女性の肉体を得るための手段であり、いわば手術を伴わない性転換の技法でもありました。

問題作!エドゲインの死体アートがレプリカ販売!?

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エドの「作品」にインスパイアを受けたアーティストは数多く存在します。

中には伝え聞いた人皮作品を模し、レプリカを作り上げてしまったハンドクラフト作家も。どれも画像だけ見せられたら、オリジナル作品と間違ってしまいそうなハイクオリティ作品ばかりです。

エドゲインの死体アートがレプリカで復活

乾燥させた肌の粗さや、体毛の細やかさまで信じがたいほど生々しい出来栄えです。かつてのエドが見たら絶賛するやもしれません。

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