ハリスとは?
ハリスとは、釣りで使う仕掛けの糸のことで、道糸という糸の先に1m~3mくらいの長さで釣り針や錘などを付けて使います。糸は繊維で編んだものやポリエステルやナイロンなどがあり、釣る魚の大きさや種類によって、糸の太さや錘の重さを変えます。
ハリスは道糸を支えるライン
道糸は、海釣りはリールに巻かれていて長さも10数メートルになり、渓流だと5~8mくらいになります。その先に、ハリスを繋ぐのですが、ハリスの糸は道糸より細いのが一般的で、釣りにはこのハリスが重要な働きをし、魚をいかに糸を切らないでうまく釣り上げるかが大事です。
ハリスと道糸の違い
ハリスは魚に対して見えにくい構造になっていて、水を吸収しなくて、伸びも少なく、岩などの障害物にも擦れや結束強度が強くなっています。道糸は、一般に100m位からの長さの物を使用し、魚がかかった時糸が切れないように伸びる構造になっています。
ハリスの種類
ハリスには、大きく分けて3種類の材質の物があります。フロロカーボン・ナイロン・ポリエステルがあり、基本的にどの素材の物でも釣りはできますが、魚の種類や大きさによって、より釣りやすく、いかに釣り糸が切れないで釣り上げられか研究されています。
ハリスの種類①フロロカーボン
フロロカーボンは比重が高く早く沈み、根ずれや擦れなどの衝撃や摩擦にも強く、絶えず水中に入っていても劣化が少ないため長持ちします。主にハリスに使われることが多く、投げ釣りやフカセ釣りに適していて、色は無色透明で魚にも見えにくいようになっています。
ハリスの種類②ナイロン
ナイロンは、柔らかく食い込みが良いことが特徴で、価格もフロロカーボンに比べ安価でかえます。ただ、柔らかい分伸びがありすぎてあたりがわかりずらいことが欠点です。他に、良い点として伸びでショックを吸収してくれ、テーパー加工がしやすいので投げ釣りによく使われます。
ハリスの種類③ポリエステル
ポリエステルは、張りがあるので癖がつきにくく、仕掛けが巻いて絡まってしまうようなことが少なく、たとえ癖がついても引っ張れば元に戻る特性があります。強度はフロロカーボンやナイロンに比べると弱いデメリットがあります。主に投げ釣りのような複数の針が付いた仕掛けに適しています。
以下の記事でも、ハリスの種類について説明しています。こちらの記事を同時に読めば、どの種類のハリスがどの釣り方に適しているのかさらに詳しく分かりますよ。
「ハリス」ってなに?釣りの用語の意味や基礎知識をわかりやすくご紹介!
【豆知識】ハリスって何㎏で切れる?
ハリスはどのくらいの強さなのでしょう?3号ハリスで実験したデータがあるので紹介します。ナイロンとフロロカーボンのハリスで、もっとも簡単で強い結び方で、どれだけの強度が出るか試した結果です。
素材と仕掛けの内容
- それぞれの素材: 60cm×5本を用意
- 両端を10㎝ずつ折り返し「8の字チワワ結び」を作る
- チワワの片方をスナップ付きサルカンを介して壁に固定
- もう片方はバネばかりに引っ掛けて引っ張る
- ハリス:ナイロン(銀鱗3号)、フロロカーボン(シーガー3号)
実験結果(5回平均)
- ナイロン強度:切断荷重 4.8kg 切断部:直線部分
- フロロカーボン:切断荷重 4.1kg 切断部:直線部分
総合評価
- ナイロン・フロロカーボン共にカタログに近い強度である
- 切断部分は共に直線部分で結び目で切れていないので、改めて「8の字チワワ結び」の簡単で強い結束強度が証明された
ハリスの太さ
ハリスは、太い物より細いものの方が断然有利です。その訳は、釣ろうとする魚のすぐそばに存在するので、太い物より細いものの方が見えにくく魚の警戒心を高めません。また、糸を潮流に合わせやすく、自然に流せるので潮流の影響も少なくて済みます。
ハリスは道糸より細いものを使用する
ハリスを道糸より細くする理由は、第一に細い方が魚により見えにくくなること、次に糸が根掛かりや魚が大きく耐えられなくて切れたとき、ハリスの部分だけ切れればウキなどの仕掛けが助かり被害が少なくて済みます。また、ハリスの太さは、道糸の太さの50%~70%くらいです。
ハリスが道糸を切れから守る
道糸は30m~と長い糸を使います。道糸がしょっちゅう切れていたら、リールを数多く持っていかなくてはなりませんが、道糸がハリスより太く、しかも強度があればハリスが切れてもハリスの部分だけで、道糸の糸が長く切れることはありませんので切れから守ってくれます。
釣りに合わせてハリスの太さを変えよう!
魚の大きさや、釣りの種類でハリスの太さは変わってきます。代表的な釣りのハリスの太さは次のようになります。サビキ釣り3~8号、投げ釣り3~12号、フカセ釣り1.5~5号、船釣り2~30号,ヘラブナ釣り0.4~0.6号です。ハリスの結び方は次項より紹介しますが、もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
ハリスの結び方を紹介!
ハリスと針は、確実にほどけないように結ばなくてはなりません。なぜなら、いい加減な結び方をしていたら、魚が餌に食いついた時、針と餌が食べられ、糸とハリスはほどけて魚を逃がしてしまいます。そうならないように、ほどけにくい結び方があるので紹介します。
ハリスの結び方(ラインと釣針)①外掛け結び
もっとも基本の結び方で、これを初めにマスターしておけば、他の結び方も難しくはないです。太目のハリスを使い大物釣りに向いています。比較的はリスの位置を調整しやすい結び方で、すばやく結ぶことができます。
結び方の特徴
耳付きの鈎針に、ハリスを巻いて結ぶ結び方の中で、最もポピュラーな方法です。ハリスの位置を調整しやすく、きれいに仕上げられ、覚えやすい結び方ですが、一か所の結びで全体を支えていて、他の結び方に比べて緩みやすい面があります。
結び方の手順
ラインaを巻く3~4番目の手順と6番目のループに通して引き締める手順でしっかり締めることが大切です。それをしないと、一回締めるだけの結び方なので緩みやすいです。そして、7番目の糸の方向ですが、結び目が外側に来ること、反対の方向になると、鈎針がラインと平行にならなくて、針が魚に認識されやすくなります。
ハリスの結び方(ラインと釣針)②内掛け結び1
外掛け結びと同じく、基本となる結び方の1つで、簡単にすばやく結べます。初心者でも、比較的簡単に結ぶことができ、強度的にも安定しています。擦れにも強くて、ベテランの人でも結構使っている人もいます。
結び方の特徴
外掛け結びと比べると、ほどけにくく、締りもより強いです。結び方は、内掛け結びの方が、若干難しいですが、少しずつ結び方を練習していけば、習得は早いと思いますし、結束強度が高いため、ほどけにくいので、大物を狙う人には適しています。
結び方の手順
結び方は、外掛け結びとは反対に、最初に、aのラインをくぐらせて、内側へ巻き込んで行きます。4~5番目の手順で、ラインを引き締めると、ラインの巻いた本数まで締まっていくので、より強い締り方になります。この結び方も、メインラインが内側に来るようにして下さい。
ハリスの結び方(ラインと釣針)③内掛け結び2
内掛け結び1より、いっそう簡単に結ぶことができ、内掛け結び1では、鈎針の針先の方向のラインを調整しながら長さを短くしていましたが、内掛け結び2ではその部分の長いところをカットします。
結び方の特徴
内掛け結び1と結び方は同じなのですが、手順の順番が違います。内掛け結び1より早く簡単なのですが、覚えるには、少々時間がかかるかもしれません。覚えてしまえば、より速い結びが出来、仕掛けが簡単にできます。
結び方の手順
内掛け結び1に比べ、aのラインを何回もくぐらせなくて、Aのラインを長くたるませておいて巻き付けて行くのでスムーズに巻けます。ただし、4の手順でまきつけた部分を、指でしっかり押さえておかないとほどけてしまいます。そして、前項の結び方と同様、針とメインライが平行で内側に来るようにして下さい。
ハリスの結び方(ラインと釣針)④漁師結び
漁師結びは完全結びとも呼ばれ、強度も強く、ラインと針・ラインとサルカンなどいろいろ応用できます。細い糸より太目の糸で威力を発揮し、巻きにくい太い糸には最適で、糸ヨレもなく大物狙いの釣りには向いています。