鼻に星を持つホシバナモグラの生態|気持ち悪いと噂の鼻の機能とは?

ホシバナモグラは星型の鼻を持ち、気持ち悪いと噂される生物です。鼻にアイマー器官を持ち、食べ物を探す時に重要な役割を果たしています。その機能は化学においても注目されています。この記事はホシバナモグラの生態をはじめ、鼻の持つ機能について詳しくご紹介します。

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 鼻が気持ち悪い!ホシバナモグラとは?

画像の真ん中にある星のような形のものはホシバナモグラの最大の特徴である鼻です。この画像を見た第一印象は「なにこれ!気持ち悪い!」ではないでしょうか。そう思うのは無理もありません。ホシバナモグラは世界的にも気持ち悪い生物として有名です。まず最初に、ホシバナモグラの生態について紹介していこうと思います。

生態

ホシバナモグラ(Condylura cristata) はモグラの仲間で、地面にトンネルを掘って生活する生き物です。成体の体長約20cm・体重約50gととても小柄な動物で、特徴はなんといっても他の種には見られない星のように広がった鼻です。

沼地など暗い場所で暮らすうちに目が退化し、その結果鼻の先にあるアイマー器官という触角が発達しました。この触角でミミズなどの小さな虫を感知して食料を確保しています。昆虫類の他に、貝・甲殻類も食料としています。アイマー器官については記事の後の方で詳しく紹介します。

生息域は?日本にいる?

主にカナダ南東部~アメリカ合衆国東部に生息しており、水辺や沼地・草原・森林などの湿地にトンネルを掘って住んでいます。ホシバナモグラは他のモグラと違い、地中を掘るよりも泳ぎを得意としているので沼地などの水辺で生活している場合が多いです。日本には生息しておりません。

非常に食欲旺盛!

ホシバナモグラは非常に食欲旺盛で、なんと半日程の空腹が続くと餓死してしまうそうです。そうならないために鼻にはたくさんの神経細胞があり、微弱な震動を感知して瞬時に食料を見分けることが可能になっています。

ホシバナモグラは餓死しないために起きている間は常に食料を探し回っています。上述したとおり泳ぎを得意としているので、水中に入って貝や甲殻類・小魚を探したり、地中で昆虫類を探して一日を過ごします。

鼻が気持ち悪い!ホシバナモグラのアイマー器官が持つ高性能な役割

さて、いよいよホシバナモグラの最大の特徴である鼻についてお話していきます。グロテスクな見た目ですが、この鼻は実はすごい機能を持ち合わせているのです。その機能にはアイマー器官が大きく関わります。

下の動画はアイマー器官について解説している動画です。解説はすべて英語でされているので何を言っているか理解するのは少し難しいですが、映像は大変面白いものとなっているので参考にどうぞ!

ホシバナモグラは鼻で12連打しながら食べ物を探している

alexcsiki / Pixabay

地下では目が役に立たないため、ホシバナモグラは鼻を1秒間に12回も周囲の土に連打して、食料を探します。土に触角が触れるたびにその振動を約10万本の神経繊維が感じ取り、脳に情報を伝達します。

ホシバナモグラは水中でも食べ物を探すことができる

webandi / Pixabay

においを嗅ぐ方法は、まず水中で鼻から息を出します。すると、できた気泡に水中のにおいが吸収されます。それをもう一度吸い込むことによってにおいを感知することができます。ちなみに、毛はビロード(艷がある布の種類のこと)のように密生しているため防水性に優れています。これもホシバナモグラが水中を得意とする理由の1つです。

ホシバナモグラの鼻の神経線維は人間の手の5倍以上

Gellinger / Pixabay

空腹が続くと死んでしまうホシバナモグラにとって振動を感じ取ることは生死を分ける重要な機能です。そのため、ホシバナモグラの鼻には多くの神経繊維が通っています。その数は人間の手の5倍以上と言われています。

ホシバナモグラのアイマー器官は治療法に役立つ可能性が!

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ホシバナモグラの鼻に刺激を与えると、その物理的に受けた力を神経系に伝わる電気信号に変える分子を作り出します。人間にも同じ分子が見つかっているため、痛みの治療に繋がる可能性が議論されています。

ホシバナモグラの鼻の形に脳が対応している

ColiN00B / Pixabay

研究の結果、ホシバナモグラの脳は星型に分かれた鼻に合わせて11個の領域に分かれていることが分かっています。感じ取った振動を脳内で映像化することによって、退化した視力を補って生活しています。

ホシバナモグラのアイマー器官が痛みの治療に貢献できる?

未だにホシバナモグラの鼻の触角にははっきりと解明されていない多くの謎がありますが、これらが解明されていくことによって人間と同じ分子を持っているホシバナモグラは医療に貢献できる可能性があるといえます。

鼻が気持ち悪いホシバナモグラを飼育することはできる?

Antranias / Pixabay

「写真をじっくり見ているうちに可愛く思えてきた」や「珍しくてかっこいい」と思った人もいるのではないでしょうか?では、ホシバナモグラは飼育できるのかどうかについてお話ししようと思います。

ホシバナモグラの飼育は難度が高い

TheDigitalArtist / Pixabay

残念ながらホシバナモグラを飼育することは大変難しいです。上述したとおり、半日の空腹で餓死してしまうので、一日中つきっきりで餌を与える必要があります。もし家で飼育して仕事や学校で家を離れると帰ってきた頃には瀕死の状態になってしまっているので、個人での飼育は出来ないといえます。

ホシバナモグラは日本のペットショップで取り扱っていない

そもそも、現在ホシバナモグラを扱っているペットショップは日本にはひとつもないようです。どうしても飼育したいということであれば、海外から取り寄せるという方法がありますが、いろいろな手続きを乗り越えなければいけないので大変手間がかかります。

鼻が気持ち悪いホシバナモグラは日本の動物園で見られる?

一目もいいからホシバナモグラのあの鼻を実際に見てみたいという方は多いかと思います。やはり、手軽に見ようと思うとまず最初に動物園が候補に挙がりますが、日本の動物園で飼育している場所はあるのでしょうか?

ホシバナモグラを見たいなら生息地に出向くしかない

Holgi / Pixabay

結論から言うと、日本には飼育している動物園はありません。この奇妙な見た目から、インターネットに動画や画像はたくさん露出していますが、実際に見るとなると簡単なことではありません。どうしても見たいという場合はカナダやアメリカまで行く必要があります。

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