ちびしかくちゃんが怖いと話題に!闇を感じるさくらももこの漫画

『ちびしかくちゃん』とは『ちびまる子ちゃん』のパロディ作品。そして驚くべきことに、本作はさくらももこさんによるセルフパロディ漫画となっています。本家と違ってブラックジョーク溢れる本作は「闇が深い」「怖い」と話題に?今回は『ちびしかくちゃん』の魅力など紹介

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『ちびしかくちゃん』とは?どんな漫画作品?

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不朽の名作『ちびまる子ちゃん』

そのちびまる子ちゃんにパロディが存在することをご存知でしょうか。まさかの作者本人によるリメイク作品『ちびしかくちゃん』なる漫画が存在しています。ちびしかくちゃんとちびまる子ちゃんは、言わば陰と陽のような関係性。そんな「ちびしかくちゃん」についてお伝えします。

さくらももこさん本人が手掛けるセルフパロディ漫画

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ちびしかくちゃんは、ちびまる子ちゃんの作者さくらももこさん本人が自ら、ちびまる子ちゃんをパロディ作品として描いた漫画です。自身でパロディを展開する作家は多く存在しますが、さくらももこさんほど知名度の高い漫画家がセルフパロディを上梓するのはかなり珍しい出来事であるため、大きな反響を呼びました。

漫画雑誌『グランドジャンプ』の“まんが倶楽部”にてショート連載

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ちびしかくちゃんは、集英社のグランドジャンプに連載され、2017年には単行本が発売されました。2015年に同誌で連載開始になった「まんが倶楽部」というオムニバス作品の一つとして2016年10月7日より掲載されており、さくらももこさんの連載ものとしては実に9年ぶりとして話題になりました。

漫画でどこまで遊べるかがテーマのまんが倶楽部。毒のある雰囲気のちびしかくちゃんは、まさに作者が漫画で遊んでいるような一癖ある作品となっていました。

さくらももこさんの遺作となった『ちびしかくちゃん』

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作者のさくらももこさんは、残念ながら2018年8月15日にこの世を去りました。2016年から2018年まで連載されていたちびしかくちゃんは、作者の遺作となりました。

闘病しながらの連載は、途中何度かの休載を挟みながら亡くなる2ヶ月前の6月号まで続き、単行本は2巻目で完結という形になりました。

『ちびしかくちゃん』のストーリーは?『ちびまる子ちゃん』との違いとは

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ちびまる子ちゃんとはどう違う作品になっているのかをご紹介します。

同じく国民的漫画として知らない人はいない「サザエさん」についても興味のある方はこちらの記事をご覧ください。

『ちびしかくちゃん』の表紙のセリフでわかる世界観

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ちびしかくちゃんの独特の持ち味は、本編を読む前から見て取れます。1巻の表紙にはさっそくネガティブなセリフが描かれており、明るいムードのちびまる子ちゃんとは随分異なったテイストであることが分かります。1巻目の表紙は、本家の第1巻の表紙が忠実にパロディ化されており、構図などは同じですが、表情やセリフのイメージはガラッと変わっています。

有名なちびまる子ちゃんの第1巻の表紙は、まる子が駄菓子屋で無邪気に「おばちゃーん、くーだーさい」と言っている朗らかな描写ですが、ちびしかくちゃんから漂うのは正反対のマイナスオーラです。

味わい深い?ブラックな内容が展開される『ちびしかくちゃん』

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主人公のしか子は見た目はまる子をそのまま四角くしたキャラクターなのですが、非常に後ろ向きな言動が多く、ストーリーもしか子が不合理な憂き目に遭い、あちこちで責め立てられ咎められるという流ればかりで、全体的にどんよりとした雰囲気に仕上がっています。

主人公「しか子」を応援したくなるようなストーリー?

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しか子が追い詰められる描写が多く、多くは最後まで救いのない展開のため、読み進めるうちにやりきれない気持ちになる人が続出。

ちびまる子ちゃんは明るさと同時にしたたかさを持ち合わせていたため、一方的に言われっぱなしになる描写は少なかったのですが、ちびしかくちゃんはひたすら弱気で、言われたい放題のシーンが多いのです。その健気さに「負けるな」と応援したくなるような雰囲気になっています。

『ちびしかくちゃん』の登場人物について詳しく紹介!

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ちびしかくちゃんには、本家キャラクターをベースにした様々な人物が登場します。それぞれに毒を効かせた性格に仕立てられていて、ネーミングにも濁点が多様され、アクの強い雰囲気を醸し出しています。

そんな強烈な登場人物を詳細にご説明します。

『ちびしかくちゃん』の登場人物①小学3年生「しか子ちゃん」

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主人公はしか子ちゃん。まる子同様、小学3年生です。あらゆる局面で責められ怒られボロボロになっており、弱気な姿が印象的なちょっと可哀想な主人公です。消極的で言われっぱなしの性格が特徴で、サンドバッグの如き扱いを受けています。

ちなみに本家のまる子は「さくらももこ」というフルネームでしたが、しか子ちゃんのフルネームは「ざくろしかこ」となっています。

『ちびしかくちゃん』の登場人物②性格が悪い友人「だまちゃん」

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親友たまちゃんのパロディ「だまちゃん」は、本家の優しいお嬢様風の性格とは真逆の、とても意地悪な人物として描かれています。言葉遣いも悪く無遠慮で、しか子はほぼ毎回だまちゃんに叱責されています。

あまりに横暴な言動に心底驚いたという読者の声も多く、ギャップがあり過ぎてストーリーが入ってこないほど衝撃を受けた声も。見た目もかなり改悪されています。

『ちびしかくちゃん』の登場人物③人を見下す「ぱなまクン」

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本家の花輪君を、より嫌味にした人物でお金持ち設定は健在。他の人物が格段に醜悪に転向しているのに対して、まだ比較的悪性度は低いと言える人物。ただ、異常に人を見下すところが読者をモヤっとさせています。

花輪君は見た目にどことなく清潔感がありましたが、ぱなまクンはバタ臭さに拍車がかかり悪趣味な印象です。

『ちびしかくちゃん』の登場人物④かなり口が悪い「永ざわくん」

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元々ちびまる子ちゃんの方でも性格の良いキャラではありませんでしたが、永沢君の毒性を倍増させた「永ざわくん」という人物が登場します。口の悪さがパワーアップし、刺々しいオーラを纏っています。

登場人物紹介ページでも「すごく悪いという噂」という書き方がされているレベル。すごく悪いという漠然とした表現が底知れなさを感じさせる要注意人物で、あらゆる場面で周りをどんよりさせています。

『ちびしかくちゃん』の登場人物⑤本当に卑怯な「藤水くん」

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卑怯キャラとして登場していた藤木くんですが、より卑劣な「本物の卑怯キャラ」になり「藤水くん」という名前で描かれています。藤木くんの方にはあった可愛げのような救いの部分がなくなってしまっており、卑屈でダークなオーラに満ちています。

『ちびしかくちゃん』の登場人物⑥ド天然少年「はらじ」

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紹介ページで「しか子の同級生」としか書かれていない「はらじ」。本家で言うところの、はまじのパロディですが、こちらは超ド天然な同級生としてビジュアルも更にギャグタッチに変化しています。はまじがそもそも、ややボケた人物であったわけですが、ちびしかくちゃんでは数倍レベルアップしています。

ただ、比較的害の少ない人物。

『ちびしかくちゃん』の登場人物⑦暑苦しい「下留尾くん」

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「ズバリ~でしょう」が口癖の丸尾くんは、下留尾くんという名前で強烈さを増して描かれています。口癖はそのまま引き継いでいますが、セリフに冷酷さや攻撃性が宿っています。「ズバリろくでもないでしょう」と、本当にズバリ相手に突きつけるシーンもあり、嫌なやつオーラが凄まじいと話題です。

見た目も丸尾くんより格段に歪みが滲み出た表情になり、しか子に圧力をかけています。

『ちびしかくちゃん』の登場人物⑧しか子ちゃんの四角い家族

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頻繁に登場するしか子の家族も、みな四角くリメイクされています。角張った見た目から、それだけでギスギスした空気が漂う家族関係。攻撃的なのは見た目だけではなく、全員が暴虐に表現されています。

傍若無人なピロシ

自分のことを棚に上げしか子に強くあたる父ピロシ。ヒロシも特に人格者と呼べるような父親ではありませんでしたがピロシは別格。かなり気性が荒くなっています。

しか子を怒鳴り、夕飯抜きなどの仕打ちを平気でできる暴君ぶり。

意気地のない友象

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おじいちゃんの友蔵は「友象」と名前を変え登場。

唯一しか子に優しく接してくれる希少な存在ですが、打たれ弱さが著しく結局はしか子を守ってやれません。本家友蔵も決してパワフルではありませんでしたが包容力はありました。こちらの友象は自分を優先させることもあり、頼りない印象が強くなっています。

しかし、それでも日々打ちのめされているしか子にとっては安息の地と呼べる存在。

口も機嫌も悪いお母さん

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しか子のお母さんは、ほぼいつも機嫌が悪く怒っています。怒っていなかったとしても、残酷な言葉でしか子を躊躇なく傷付けます。毒親とも思われる発言が多く、本家のお母さんとは完全に別人。まる子のお母さんも時には強く叱責することがありましたが、内容は正当なものでしたし言葉遣いも悪くありませんでした。

しか子のお母さんは「ゴミな母親」や「あのクソ坊主」というような過激な言い回しを頻繁に用いており気性の荒さが目につきます。

『ちびしかくちゃん』を読んだ人の感想は?賛否両論?

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ちびまる子ちゃんとのギャップが凄まじいため、実際に読んだ人からは賛否両論の意見が述べられています。

具体的にどんな感想が挙がっているのかご紹介します。

ダークすぎる?ちびまる子ちゃんファンからは不評?

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最も多いのがダークすぎるという感想。しか子が徹底的に打ちのめされる展開が多く、読者の動揺を誘っています。

しか子に投げられた暴言や罵声は往々にして投げっぱなしで、フォローが入るわけでも救世主が現れるわけでもなく、ただしか子が悲しくなるだけという運びに、後味の悪さを感じる人が後を絶ちません。

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ちびまる子ちゃんを愛読していた読者からは「こんな可哀想な目に遭っているしか子を直視できない」や「全員が陰鬱な雰囲気で気分が暗くなる」と言った声が聞かれ、本家のファンであっただけに振り幅についていけず、一部の層から不評を買ってしまいました。

一部からは人気?「面白い!」「ブラックユーモアが効いてる」など

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否定的な意見も多い一方、面白いと絶賛する人たちも大勢存在します。何事にも言えますが価値観は千差万別。ブラックユーモアを好む人、シュールさに魅力を感じる人、笑いという部分だけとっても様々な傾向があります。

ブラックな世界観に魅力を感じる人たちの間では、ちびしかくちゃんは非常に人気を集めました。「理不尽さがむしろ面白く突っ込みどころ満載で良い」といった声や「徹底したブラック具合にセンスを感じる」といった意見が多く、確実にファンが存在していることがわかります。

独特な世界観と言えば、こちらも人気のアニメ「クレヨンしんちゃん」について興味のある方は下記の記事もご覧ください。

他にも『ちびしかくちゃん』は「怖い」「闇が深い」との声も

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