チョウチンアンコウのオスが切ない?!
誰もが一度は聞いたことがある名前で、どんな見た目をしているかは大まかな想像がつくでしょう。そんなチョウチンアンコウのオスが他の魚にはないような一生を得ていることを知っていますか?
この見出しではそんな一生を解説して行く前に、まずはこの魚の基本的な知識について紹介します。あまり詳しくは紹介できませんが、簡単な基礎は知識として持っておきましょう。
釣り竿のような突起
この魚の見た目は丸っこい形をしていて、頭部には一番の特徴である釣り竿のような突起物が生えています。大きさは50cmくらいで、全身が小さい棘で覆われている魚です。
実はこの釣り竿のような突起物は全身で覆われている棘が変化したものであり、この部分の先端は発光します。ちなみにこの釣り竿の部分の名前は「イリシウム」です。
チョウチンアンコウの生態
生息地は主に大西洋になりますが生息域はとても広く、カリブ海といった年中暖かい場所にいたり、その反対でアイスランドのような寒い場所にいたりもします。
水深は詳しくわかっていませんが、200mから800mくらいの場所にいる深海魚です。この魚は卵から生まれてくるのですが卵は海面に浮いており、生まれた時から深海にいるわけではありません。小さい時はプランクトンを食べて成長し、大きくなるにつれて深海へ移動します。
深海魚についての詳しい記事はこちらになりますので、詳しく知りたい人はどうぞ。
チョウチンアンコウのオスが切ない!その理由を解説
簡単な基礎が固まったところで、この記事のメインとなるオスについての解説に入っていきます。「切ない」とは一体どういうことなのか?それを一緒に見ていきましょう。
チョウチンアンコウのオスは切ない①大きさ
大きさについては前述しているでしょ?と思うかもしれませんが、前述している大きさは、あくまでもメスの全長になります。ではそのメスと比べてオスはどのような大きさをしているのかを解説します。
チョウチンアンコウのオスは小さい
イメージとしてはオスの方が大きくて強そうな感じがしますが、この魚のオスは4cmくらいにしかならず、メスの10分の1程度の大きさしかありません。見た目は稚魚か、または全く別の魚に見えてしまうほどでイメージとは正反対な見た目をしています。
チョウチンアンコウのオスは切ない②見た目
見た目についても前述していますが、実はこちらもメスについての話なのです。ということで、こちらについてもメスとオスでどのような違いがあるのかを見ていきましょう。
チョウチンアンコウが光るのはメスだけ
この魚の特徴として発光する「イリシウム」を取り上げましたが、なぜ光るのかをご存知でしょうか?実はその部分に光る細菌を潜ませているのです。
この細菌が光ることによって「イリシウム」を餌のように見せるという疑似餌の役割を持っています。捕食の対象となる魚がつられて、その魚を捕食するのです。
生きていく上で大切な役割を持っている「イリシウム」ですが、実はオスにはこれがありません。ではどうやって捕食しているかというと、嗅覚が優れているのでそれを利用して捕食しているのです。
チョウチンアンコウのオスは切ない③交尾
自分の子孫を残すために大切な交尾についての話をしていきますが、この魚の交尾はとても変わっていて、他の魚にはないような交尾を行います。詳しく見ていきましょう。
チョウチンアンコウのオスはメスに噛みつく
オスはメスに噛み付いて交尾を行います。それだけ?と思う人もいるでしょうが、そこから先が衝撃的で、メスの身体と同化をしてしまうのです。交尾と表現していますが融合と言った方がわかりやすいでしょう。
メスに噛み付いたら栄養に関してはメスからもらいながら、徐々にオスの身体が姿をなくして最終的には精巣だけがメスの身体に残されるのです。数匹のオスがメスに噛み付くこともあります。
補足として解説しますが、深海で暗闇の中からメスを探さなければならないため、そう簡単には見つけられません。もし見つけられない場合は暗闇の中をずっと彷徨わなければならないという、まるで映画やドラマのバッドエンドのような結末を迎える個体もいます。
チョウチンアンコウのオスの動画をご紹介
先ほどの説明ではよくわからないという人もいるでしょう。交尾のイメージと違いオスとメスが同化するのですから無理もありません。ここでは同化を動画でチェックしてみましょう。
動画①
こちらの映像は残念ながら日本語の音声ではありませんが、下の部分に日本語の字幕が書かれているので動画の内容は理解できるでしょう。実際の映像をもとに解説がされ、わかりやすい動画です。
動画②
日本語音声の動画が見たいという人はこちらがよりでしょう。独特のアニメーションによってわかりやすく解説が行われており、一体化するためのメリットにも触れている動画となります。