刺されたら一巻の終わり?毒をもつイモガイの危険性に要注意!対処法も

イモガイは、比較的人目につきやすい場所にいることが多く、毒をもつ貝類として知名度もまだ低いほうです。尚且つその殻の鮮やかさ、美しさのために不用意に触れたり、気づかずに踏んでしまったりして外敵として判断され刺されてしまうケースがほとんどです。そして、その毒性の強さから死亡に至ってしまう例が多いのも事実です。

刺されるとしびれ・めまいが起こる

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イモガイ類がもつ毒は神経毒で、貝毒「コノトキシン」という名称があります。刺された直後はあまり痛みは感じないので、危険視せずそのまま処置などをしない場合が多いです。しかし、数十分後には患部に激痛が生じ、しびれ・はれ・めまい・発熱・嘔吐といった症状が起こりだし、だんだん危険な状態になっていきます。

最悪の場合死に至ることも

イモガイの中で最も毒性の強い「アンボイナガイ」。あらゆる生物の中で最強といわれるほどの強力な毒をもち、1個体がもっている毒はおよそ人間30人分!刺された場合はさらに血圧や視力の低下・全身まひ・呼吸困難を起こし最悪死に至ります。刺された場合の致死率は6~7割で、数時間で死に至ってしまう可能性があります。

アンボイナガイ以外のイモガイの種類

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アンボイナガイはイモガイの種類の中で最強の毒をもっていると紹介しましたが、ほかにも強力な毒性をもつイモガイが多くいます。毒自体は基本的に同じなので、症状や対処法は同じです。今回はそのイモガイの種類の中からもう2種類ほど紹介します。

貝食の中では最強!タガヤサンミナシガイ

タガヤサンミナシガイは、大きさは7~10cm。アンボイナガイとほぼ同等の毒性を持ち、イモガイ科の中で非常に強力な毒性をもつ貝のひとつで、実際に死亡事故が確認されており、非常に危険視されています。主食は貝などの軟体動物で、同じイモガイの仲間でも例外なく捕食してしまいます。

美味しそうな名前とは裏腹の毒性もつヤキイモ

ヤキイモは、大きさは4~6cmほどで、白地に茶系統色の斑模様があるのが特徴ですが、貝殻の色や模様が違う個体が多いです。食性はアンボイナガイと同じ魚などの脊椎動物を食べる種類で、毒性も強いです。しかし毒の成分に少々違いがあり、現在研究者の間でヤキイモの毒が注目されています。

イモガイに刺された時の対処法

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ここで、実際にイモガイに刺され、毒による症状が出てしまう前に行う対処法を紹介します。イモガイの毒は非常に危険とされていますが、早急に対処・処置を行うことで、死に至ることはなくなります。イモガイに刺された瞬間は蚊に刺されたような痛みしかしない場合があります。「刺されたかな?」と少しでも思ったらすぐに対処をしましょう!

海から上がる

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まず、海から陸へ上がることが最優先です。イモガイの毒は神経毒なので、体がしびれてしまったときに溺れてしまう危険性があります。刺されてから症状が出るまでに数十分ほどかかりますので、刺されたと判断したらすぐに症状が出る前に海から上がり、救急車を呼んだり周囲に助けを求めましょう。

すぐに毒を吸引して病院へ搬送する

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次に、刺された場所を口や吸引器などで毒をできるだけ吸い出し、すぐに病院へ搬送してもらいましょう。現在「コノトキシン」の抗毒血清が無いため、自然治癒力に頼るしかありません。幸い、心筋や中枢神経には悪影響がないため、毒が体内で自然に分解されるまで、呼吸不全を防ぐために人工呼吸器で対処すれば死に至ることはありません。

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